科学の進歩はめざましい。だが、ときにその進歩ゆえに、人類のタブーとされる領域にまで足を踏み入れる場合がある。乳腺細胞から生み出されたクローン羊「ドリー」もそのひとつだろう。このニュースを記憶している方も多いはずだ。
世界初のクローン羊として、当時、さかんにニュースで取り上げられて話題になった。ところで、この「ドリー」の名前の由来をご存知だろうか。それはアメリカ人女性歌手にちなんで付けられたものだった。この記事では、クローン羊の名前の由来についてご紹介する。
【世界雑学】クローン羊「ドリー」の名前の由来は?
【雑学解説】ドリーという名前の由来は、アメリカ人女性歌手「ドリー・パートン」
1996年7月5日 、スコットランドのロスリン研究所の関連施設で、乳腺細胞から生み出された世界初のクローン羊「ドリー」が誕生した。翌年、 研究成果は イギリスの科学雑誌「ネイチャー」に掲載され、世界中を驚かせた。
ドリーはもともと6歳のメス羊から細胞が採取されており、生まれつき細胞内の染色体が老化していたといわれている。つまり、ドリーは生まれつき6歳だったわけである。
そのため早くに関節炎を発症して(柵を飛び越えようとしてケガを負ったとの説もアリ)、2003年2月、6歳でこの世を去ってしまった。
この「ドリー」という名前は、あるアメリカ人女性歌手兼女優にちなんで付けられたものである。その人物が「ドリー・パートン」である。クローン羊が乳腺細胞から生まれたことから、彼女の大きな胸にあやかって名が付けられたとされる。
上の動画は、彼女がテレビ番組に出演した際のものである。その胸元を見れば一目瞭然だろう。ドリー・パートンは、1946年1月に生まれたアメリカの女性歌手兼女優で、国内ではカントリー・ミュージックの第一人者として知られている。
1999年にはカントリー・ミュージックで殿堂入りしており、その他にもグラミー賞に46回ノミネートされ、2011年の特別功労賞を含み8回受賞した。これはビヨンセと並んで女性アーティストで最高のノミネート数とされる。
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このようにご紹介しても、あまりピンと来る方は少ないかもしれない。だが、彼女の曲を誰しもいちどは聞いたことがあるはずだ。彼女の曲をカヴァーし、世界的に大ヒットを記録したからだ。
それがホイットニー・ヒューストンの「I Will Always Love You」である。その曲がこちらだ!
そう、映画『ボディーガード』の作中に使用されたあの名曲だ。
一方下の動画は、本家のドリー・パートンが歌った映像だ。映画の影響もあってか、カヴァー曲の方がドラマチックに感じるのは筆者だけだろうか。
世界初の哺乳類のクローン羊のドリーは、アメリカ人歌手・ドリー・バートンから名付けられたのである。世界初のクローン羊がさまざまな波紋を生じさせたことを思うと、本人はまったく嬉しくなかったのかもしれない。
雑学まとめ
以上、クローン羊「ドリー」についての雑学をご紹介してきた。乳腺細胞から生まれたドリーは、アメリカ人女性歌手「ドリー・パートン」から付けられた名前だった。
正直なところ、クローン羊の名前がつけられた逸話以上に、羊が生まれた経緯の方に関心がある。科学の進歩は人類を本当に幸福にするのだろうか。その動向に注目したい。