「名(な)は体(たい)を表す」ということわざがある。これは「名前はその人や物の実体をよく表すものだ」という意味だ。
賢くなってほしいから「賢一」、優しく美しい子に育ってほしいから「優美」など、名づけの際に気を配る理由の一つでもあるだろう。
子どもにつける名前のように、会社の名前にもそれぞれの思い入れや願いがこめられている場合が多い。
しかし、中には「書き間違い?」と思うような社名も存在する。個人的には「ダイドードリンコ」が昔から気になっているのだ。
そこで今回の雑学では、なぜダイドードリン「ク」ではなくダイドードリン「コ」なのか調べてみることにした!
【生活雑学】ダイドードリンコの「ドリンコ」って何?
【雑学解説】企業姿勢が社名に現れている
なんと「ドリンコ」はダイドードリンコが考えた造語だった。どうりでなじみのない言葉である。
1975年、大同薬品工業の清涼飲料・営業部門が独立し、元会社の「大同」をカタカナとしたダイドー株式会社が設立された。
その後1984年に現在のダイドードリンコ株式会社に社名が変更されている。
ダイドーを英文字表記にすると「DyDo」となる。これは「Dynamic(ダイナミック)」に「Do(活動する)」ことを意味している。
また、ドリンコは「Drink(ドリンク)」と「Company(会社・仲間)」を合わせた言葉であり、社名全体で「ダイナミックに活動するドリンク仲間」を表現しているのだ。
「ドリンコ」や「DyDo」という表記には、社長をはじめとする社員のみなさんの熱い想いが隠されていた。
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【追加雑学①】当たりつき自販機を初めて導入したのはダイドードリンコ
幼い頃、当たりつき自販機で当たってとんでもなく嬉しかった記憶がある。そんな夢のある当たりつき自販機を初めて導入したのがダイドードリンコだという。
1970年代後半、お客様を楽しませつつ販売促進となるような付加価値をつけたいと考え、当たりつきの自販機を導入したのだ。
当初は元々あった自販機にドリルで穴を開け、ルーレットを外付けしていたという。
1979年には自販機とルーレットが一体となった商品が開発され、2000年代にはデジタル表示のものが登場。現在でも作り続けられている。
ちなみに当たりがでた場合は30秒以内に商品を選ばないと無効となってしまうので注意が必要である。
故障やいたずらと区別するためにそういう仕様になっているということなので、当たっても商品を出さないつもりだな! と怒らないでほしい。
また、こちらの動画をご覧いただきたい。
なんと、ダイドードリンコではしゃべる自販機も作っている。標準語はもちろん、関西弁・沖縄方言・博多弁などでしゃべるものもあるそう。
新東名高速道路の長篠設楽原PAには、戦国武将が安全運転を促してくれる自販機もあるのだとか。旅行の際には、ぜひダイドードリンコの自販機を探してみてほしい。
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【追加雑学②】傘を借りられる自販機がある
当たりつき自販機・しゃべる自販機と、サービス精神旺盛なダイドードリンコ。その極めつきが、2015年に設置された傘を借りられる自販機である。
ダイドードリンコの自販機の横にレンタル傘が入った箱がついており、こちらから無料で傘を借りることができるのだ。
関西・関東を中心に18都道府県で展開しており、オフィス街のような再訪する人が多い場所に設置されている。
使用されている傘は、鉄道会社から提供された「忘れ物」だという。ただ捨てられるはずだったものを役立てている、非常にエコなサービスといえるだろう。
雑学まとめ
領収書をもらうときに間違われやすそうな社名、ダイドードリンコについての雑学を紹介してきた。その社名には熱い由来があると知って驚いた。
そして、ダイドードリンコのお客様本位の企業姿勢には本当に頭が下がる。
当たりつき・しゃべる・レンタルアンブレラ。どれもお客様に喜んでもらいたい、感謝の気持ちを還元したい、という気持ちから生まれたサービスといえよう。
ここまで自販機のサービスが充実していたら、ダイドードリンコの売上比率の9割が自販機から、というのも納得である。
今度ダイドードリンコの自販機を見かけたら、当たったときに貰うジュースを決めてからボタンを押すことにしようか。