地球は1日に1周回転し、1年に1周太陽の周りを回る惑星であることは周知の事実である。
「何を馬鹿なこと言っている! 地面が動いているわけないだろ! 動いているのは空のほうだ!」といまだに「天動説」を主張する人物は、もうほとんどいないはずだ…。
しかし…地球が動いていることは知っていても、具体的に「時速何キロで?」などと聞かれると、答えられない人も多いだろう。実は地球は想像を絶するほどの速度で回転し、宇宙空間を移動している!
今回はそんな地球が動く速度についての雑学。私たちの暮らすこの星の秘密を解剖していこう!
【宇宙雑学】地球は時速10万キロメートルで動いている
【雑学解説】地球が宇宙を移動する速度は時速約10万キロメートル!?
地球は太陽の周りを回る惑星の1つだ。これは16世紀ポーランドの天文学者コペルニクスが「地動説」を唱えて以降、徐々に世の常識になった。
しかしそもそも地球が大きすぎて、実際に動いていることを感じられる人はいない。日が登って沈むのだって、太陽が動いているようにしか見えないし。
そんな地球は実のところ、時速約108,000キロメートルで太陽の周りを回っている。速すぎ…というか、そこまで来るともう意味がわからん。
新幹線の速さが時速約300キロメートルなので、地球は新幹線の300倍以上で移動している計算になる。人が走る速度と比べたら2000倍以上。比べても桁が違い過ぎて、またよくわからん…。
秒速30キロメートルといえば、まだわかりやすいか。つまり1秒で東京駅から横浜駅まで移動するぐらいのスピードだ。…そんなことができるのはドラゴンボールの悟空ぐらいだろう。
自転のスピードは時速約1,700キロメートル
前述したのは公転の速度。これに比べて地球そのものが回転する自転の速度はずっと遅くなるが、それでも時速約1,700キロメートルだ。
地球の中心である赤道一周の距離が約40,000キロメートルで、これが1日で一周する。つまり40,000を24時間で割れば時速が出るわけで、計算すると…
「40,000÷24=1,666.6666…」
となる。これをおおざっぱに四捨五入すれば1,700キロメートルになるのである。
いずれにしても十分意味がわからん。とにかく…我々はものすごいスピードで回転しながら、ものすごいスピードで動いているのだ!
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【追加雑学①】太陽系・銀河系はさらに速い速度で動いている
話をもっと壮大にしてみよう。
太陽は地球などの惑星を引き連れ、銀河系を移動している。太陽系が銀河系を移動する速度は、時速約864,000キロメートルだ。
さらに、銀河系自体も宇宙空間を移動している。この速度は、時速約2,160,000キロメートル。さらにさらに、宇宙は滞りなく膨張しておりこの速度は、時速約3,600,000キロメートルである。
これに地球の回転を合わせると我々は、時速約108,000+1,700+864,000+2,160,000+3,600,000キロメートルで宇宙空間を移動していることになる。壮大すぎる。というか宇宙回りすぎ。
太陽系で一番速く動くのは水星
ちょっと話を大きくしすぎたので、今度はもうちょっと地球と身近な視点で考えてみよう。
太陽系には地球以外にもいくつも惑星が存在する。これらの他の惑星も太陽の周りを回っているが、そのなかのナンバー1は何星なのだろう?
一番速く動く惑星は、太陽系でもっとも内側にある水星だ。水星は約87.9日かけて太陽の周りを一周する。その速度は時速約172,000キロメートルにもなるぞ。水星さん…クソ速えっす。
クソ速いんだけど…もはやこの次元になったらみんな一緒だ。
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【追加雑学②】地球から人間が吹き飛ばされない理由
地球の物凄い回転速度を知れば「なんで私たちは宇宙に飛ばされないの?」と思う人も出てくるかもしれない。
約120キロメートルで走るジェットコースターでさえ、安全レバーがなければ、体は機体から吹き飛ばされてしまう。地球ぐらいの速度で回転なんてしようものなら、吹き飛ばされるどころか一瞬で身体が消し飛びそうだぞ…。
しかし…現に私たちは吹き飛んでいない。どうして吹き飛ばされないのか。
それは周りの地面や空気などあらゆるものが等しく同じ速度で移動しているからだ。
たとえば車に乗っていて、走っている最中に車内で風を感じるようなことはない。これは車の中の空気も一緒に移動しているからだ。要はこの移動中の車内と同じことが、地球全体で起こっているのである。
地球が急停止したらどうなるの?
もし地球が急停止すれば、地球上のものはすべて飛んでいくといわれている。車が急停止すれば、車内の人がそのぶんの衝撃を受けるのと同じだ。
時速100キロの車が急ブレーキなんかかけたら、車内の人は大怪我をしてしまう。それを何万キロで動く地球がすれば、人どころかアメリカ大陸もユーラシア大陸も全部、宇宙に飛んでいくのではないか…。
地球の自転が止まったときのシミュレーション動画があるので、気になった人はチェックしてみよう。時速約1,700キロの自転でこの騒ぎなのだから、約10万キロの公転が止まろうものなら、もはや地球もろともである。
【追加雑学③】そもそもなんで地球って回ってんの?
地球がとてつもないスピードで回っていることはわかった。しかしそもそも、なんでそんな勢いで回っているんだ? と思うところだ。
もちろん地球を始めとする、宇宙の星が回り出したことにも理由がある。
まず太陽系は生まれた当初、単に塵やガスなどが無数に漂っているだけの空間だった。ちなみに宇宙レベルの塵は、もう惑星と同じぐらいの大きさだ。地球のもとになったのも、そもそもは塵である。
そしてご存知の通り、宇宙には重力がないので、そういった塵の類はなんの障害もなく真っ直ぐに進んでいく。膨大な数の塵がこのように縦横無尽に動いていたとしたら、起こるのは塵同士の衝突だ。
衝突を繰り返していると、塵やガスは、そのなかでも特に大きな塵を中心にして回り出すようになる。この特に大きな塵が太陽系でいうところの太陽である。
つまり惑星が回っているのは、衝突を繰り返した結果なのだ。
ちなみに惑星の自転は、惑星同士が正面衝突はせず、ちょっとズレて衝突することで生じた回転である。イメージでいうと、側面をかすめて「グリンっ!」といく感じだ。
なるほど…とてつもなくでかい星同士がぶつかりまくった結果なのだから、そりゃあクソ速くもなるはずである。
【追加雑学④】地球の速度は一定ではない
17世紀ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーが発表した「ケプラーの法則」というものがあり、そのなかには惑星の移動に関する法則がいくつか示されている。
この法則で惑星は太陽の周りを楕円軌道で移動しており、その移動は一定ではないことが証明されたのだ。
地球は太陽を中心に円を描きながら、一定速度で動いていると勘違いしていた人は多いのではないか。
地球の速度は徐々に加速している!?
地球が太陽の周りを回る速度(公転速度)が徐々に加速しているという研究もある。実は地球ができたころは、太陽の周りを1周するのに約400日かかっていたという。
現在は約356日…、比べるとたしかに、かなり加速している。将来的にはかなりヤバイ速度で回ることになるんじゃないか!? …という心配は無用だ。
なんでって、この加速は10万年で1秒ほどなので、1秒加速するころには今の時代の人はみんな死んでいる。
ちなみに年によっては減速することもあるようなので、地球の公転速度の研究は一筋縄ではいかないとも…。どっちにしても難しすぎてわからない。
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雑学まとめ
今回は地球の動く速度についての雑学をご紹介した。地球は我々が想像できないような速度で宇宙を動いており、その速度は時速約10万キロメートルにもなる。
地球の壮大な移動速度を知ると、人間がいかにちっぽけな存在かがわかってくる。宇宙はさらに桁違いだ! 小さなことでクヨクヨせず、宇宙の壮大さをお手本に進んでいきたいものである。
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