紅茶といえば、イギリス。ティーポットで淹れる紅茶を優雅にゆっくりといただく…しかし、日本でのんびりと茶葉を入れっぱなしにして紅茶を淹れたら、渋くてとても飲めたものではない。ひょっとして、イギリス人はこの渋さが好きなのか…?
ということで、今回はイギリスで紅茶が渋くなるものなのか、雑学として調べてみたぞ! どうやら、科学的な理由と文化的な理由のどちらもあることがわかってきた。これを読めば、あなたも紅茶通になれるかも?
【世界雑学】イギリスでは紅茶を放置しても渋くならない
【雑学解説】イギリスでは茶葉を入れっぱなしにしても紅茶は渋くならない
調べてみると、これには2つほど理由あるようだ。その2つとは…
- 水質が日本と違い、浸透圧が低いから
- 水質に合わせたブレンドがあるから
順番に見ていこう。
浸透圧が低い
イギリスのスーパーでよく見かけるヨークシャー・ティーのホームページによると、紅茶の味は水に含まれるカルシウムの量に左右されるという。では、水に含まれるカルシウムと紅茶が渋くなることにどんな関係があるのだろう?
鍵となるのは、水と茶葉の間に生まれる浸透圧である! いきなり専門用語が出てきて学校の授業のようだが、待ってほしい。起きていることは簡単だ。
紅茶を抽出するとき、濃度のより高い茶葉から濃度のより低いお湯に紅茶の成分がしみ出る。この時、茶葉とお湯との間の濃度の差(浸透圧)が小さいほど、紅茶の成分は抽出されにくくなるのだ。
英国の水はカルシウム等のミネラルを多く含む硬水の地域が多い。対して、日本はミネラルの少ない軟水の地域がほとんどだ。英国では、水そのものの濃度が高いので、相対的に浸透圧が低い。
だから、茶葉を入れっぱなしにしても、日本で淹れたときのように、紅茶が出過ぎて渋くなることはない。
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水質に合わせたブレンドがある
紅茶の国らしい理由だろう。イギリスには、水質に合わせた紅茶のブレンドがある。先ほど参照したヨークシャー・ティーには、軟水用と硬水用で異なる商品があるし、各地の紅茶屋では、その土地の水質に合わせたブレンドがされている。
ん? 英国は硬水ではなかったか? ところが、細かく見ると軟水の地域もあるのだ!
ロンドンをはじめとしたイギリス南部や中部は、先ほど紹介したとおり硬水。しかし、マンチェスターやグラスゴーなど西部や北部へ行くと、よりミネラル分が少ない軟水になるらしい。
イギリス国内でも水の硬さにバリエーションがあるので、硬水でも軟水でも同じ方法で淹れて(つまり茶葉を入れっぱなしでいれて)、美味しく飲めるように工夫されている。
【追加雑学】イギリスのティーバックには紐がついていない?
イギリスのティーバックには、取り出すための紐がついていないのが普通である。スーパーで手に入るような手頃なティーバッグは、ただの四角または丸い形の袋だけである。
紐がついていない理由については、はっきりとはわからなかった。だが、入れっぱなしでも問題がなく、ティーバッグを取り出す必要がないことが理由のひとつかもしれない。
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雑学まとめ
今回は、紅茶の国イギリスで紅茶が渋くならないという雑学を紹介した。まさか水質の違いで、渋みが強さが変わるとは…知らなかった。
飲むまでの手順が細かく、面倒そうな紅茶も、硬水で淹れれば簡単に渋くないお茶を楽しめるだろう。
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