冬の訪れを教えてくれる落ち葉。なかなか風情がある光景だが、どうして冬になると落ち葉が多くなるのか疑問に思ったことはないだろうか? そもそも落ち葉の意味ってなんだろう?
そんなわけで今回は、冬になるとなぜ落ち葉が多くなるのかについて説明していくぞ。この雑学を知っていると、少し賢くなった気分になること間違いなしだ。
【自然雑学】冬になると落ち葉が多くなるのはなぜ?
【雑学解説】雪と寒さから身を守るために落ち葉が多くなる
寒い冬を越すため動物は冬眠をする。実は樹木も一緒で、冬を無事に越すために落ち葉として葉を落としているのだ。
たしかにそのとおり。通常葉では、植物が成長するために必要な栄養を太陽の光、つまり光合成をしてつくっている。しかし、これは春から夏の太陽が十分に降り注ぐ時期のみ。
日照時間が減少してくる秋から冬は、葉でつくるエネルギーよりも葉があることで使われるエネルギーのほうが大きくなってしまうのだ。そのため、冬が近くなると夏のあいだに葉でつくっておいたたくさんの栄養を樹皮や枝に移し、いらなくなった葉を落とす。
また、冬に葉があると雪が降ったときに葉の部分に雪が積もりやすく、その分枝が折れやすくなるといういリスクもある。さらに風が吹くと葉から貴重な水分まで失われてしまう。
このように、寒い冬は葉があるとむしろマイナス面が大きくなってしまう。そんなわけで、寒い冬を無事越せるように冬が近づくと落ち葉が増えるというわけである。
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【追加雑学①】針葉樹は冬でも葉が落ちない
ここで「葉が落ちない木もあるよね?」と不思議に感じる人もいるだろう。冬でも葉が落ちない木は「常緑樹」と呼ばれ、松や杉といった寒い地域の針葉樹が代表的だ。ではどうして、針葉樹は冬でも葉を落とさずにいられるのか?
針葉樹の葉は、通常葉が落ちる広葉樹よりも成長がゆっくりで、葉の表面がワックスでカバーされているため水分蒸発を防げ頑丈にできている。葉の面積自体も小さく寒い時期でも凍りにくい。
冬を越すために葉を落とすのと、そのまま葉をつけて冬を越すのでは葉をつけたままのほうが効率的だから、冬でも葉を落とさないでいられるというわけだ。
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【追加雑学②】落ち葉は再利用もできる
はらはらと舞い落ちる落ち葉。遠目から見るぶんには非常に趣がある光景だが、落ち葉の片づけや掃除を考えるとのんびりと楽しんでもいられない。
実は落ち葉は再利用ができる。松の落ち葉だけなら粉末にして、入浴剤にしているところもあり、実際に落ち葉の再利用について研究している機関もあるという。そうはいっても、一般家庭の庭の落ち葉はいろいろな種類の落ち葉が混ざっているので選別だけで一苦労。
一般家庭の落ち葉の再利用でおすすめなのが、腐葉土。実際に落ち葉を利用して腐葉土を作っているのが、こちらの動画である。
上記の動画のように入れ物がなくても、庭に穴を掘ってそこに落ち葉を入れて腐葉土を作ることもできる。腐葉土は1週間に1度を目安によ~くかき混ぜると、菌が発酵し良い腐葉土が完成しやすくなる。
ただし腐葉土はカブトムシの幼虫をはじめ、虫たちの大好物だ。そのため、庭で腐葉土を作ると虫が大量発生する可能性もあるため、虫が苦手な人は作る前に十分検討してほしい。
落ち葉が大量にあるならば、焼き芋作りもおすすめ
落ち葉が大量にあるときは、ちょっとした「おたのしみ」も兼ねて焼き芋作りをするのもおすすめだ。ただし、落ち葉を燃やすときはご近所に迷惑をかけないよう、火を使っても安全なキャンプ場などで行うことが大切である。
焼き芋作りをしたあとの落ち葉の処理も、忘れてはいけない。必ず水をかけ、完全に消火をして、キャンプ場の規定にしたがって落ち葉を片付けよう。
ちなみに焼き芋作りをするのに必要な落ち葉の量は、40リットルのごみ袋2~3袋を目安にすると良いだろう。落ち葉だけだと焼き芋作りに必要な焚き火を作るのが難しいため、必ず枯れ木も一緒に用意しておこう。
雑学まとめ
今回の雑学では、冬になるとなぜ落ち葉が多くなるのかについて解説した。落ち葉は、植物が寒さの厳しい冬を無事に越すための工夫だということが分かった。自分でどうすれば効率よく冬を越せるか考え、実践するんだから植物は賢い。
落ち葉は量が多くなると掃除が大変だ。ついそのままにしてしまいがちだが、落ち葉をそのままにしておくとムカデ・シロアリといった害虫が冬を越すための場所として利用しやすくなってしまう。面倒だと思ってもキレイに落ち葉を掃除することをおすすめしよう。
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