オリンピックは、世界でもっとも大きなスポーツの祭典といっていいだろう。世界各国から選ばれた優秀な選手同士が、高い運動技能を競い合いメダル獲得を目指す。
とりわけ、幼い頃からスポーツに打ち込んでいる人間ならばオリンピックへの出場、そして金メダル獲得を目標としている人も、少なからずいるだろう。
そもそも選ばれるだけでもスゴいこの大会の参加選手たち、じつは同じ五輪アスリート同士で結婚する人も中にはいるのだ。たとえば日本では、元野球選手の谷佳知(たに よしとも)氏と柔道のヤワラちゃんこと、谷亮子氏の夫婦がわりと有名なのではと思う。
上記の二人のように、五輪アスリート同士夫婦なだけでもけっこうな話なのだが、さらに同じ五輪選手同士でありながらも、さらなる偶然の一致が見られる選手夫婦が世界に存在したのだ。
それは、筆者が思うに五輪どころか、普通のカップルでもそうそうないほど珍しい一致なのだ。今回はその選手夫婦のことを雑学記事にしてみたので、ぜひ気軽に読み進めてほしい。
【オリンピック雑学】エミール・ザトペックと妻は、どちらも金メダリストで同じ誕生日
【雑学解説】オリンピック最強夫婦は誕生日どころか誕生年も同じ!
上記で見てのとおり、この二人のメダリストは誕生日どころか、同じ年に生まれている。たとえスポーツ界でなくても、誕生年月日が夫婦そろって同じというだけでも、なかなか珍しいことだと思わないだろうか?
さらにこの二人、同じ陸上のアスリートで、しかも金メダリストでもあるというのだから、この一致はたいへん驚きである。
ちなみに話が少しそれるが、二人の星座は「おとめ座」だ。そこで筆者は、星座同士の相性なども二人のあいだに関係があるのか気になり、調べてみた。
しかし、おとめ座同士の相性は特別良いというわけでもないらしい…(結婚すると考え方が一致するため相性が良いとする話もある)。どうやらこのアスリートカップルのあいだに「星座」の因果関係はなさそうである。
金メダリスト夫婦の来歴
簡単にだが、二人のメダリストご夫妻の来歴を、以下に記載しよう!
エミール・ザトペック
- 誕生日 1922年9月19日
- 出身地 チェコ(当時のチェコスロヴァキア)
1948年のロンドン五輪では男子10,000mで金メダル・男子5,000mで銀メダルを獲得。
1952年のヘルシンキ五輪では男子5,000m・10,000m・マラソンの三種目それぞれで金メダルを獲得した。
ダナ・ザトペコワ
- 誕生日 ザトペックと同じ
- 出身地 ザトペックと同じ
1952年のヘルシンキ五輪ではやり投げで金メダルを獲得。
1960年のローマ五輪ではやり投げで銀メダルを獲得した。
さて、五輪での夫婦の成績を見てもらうとわかるのだが、二人の一致点がさらに増えていることに気付いただろうか?
そう、同じヘルシンキオリンピックで夫婦同時にメダルを獲得しているのである(しかも二人とも金メダル)。これは運命的なもので結びついていると思ってしまうほどの「一致」ではないだろうか?
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【追加雑学】ザトペックの異名とは?
オリンピックでの成績を見てもらうとわかるとおり、エミール・ザトペックは異常に強いアスリートである。
その強さの最たるものを表しているのが、やはり金メダルを同時に3つ獲得しているヘルシンキ五輪だろう。
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もちろん、この長距離3連覇の記録は今でも偉大な記録である。この大記録を残したあと、エミール・ザトペックは後進の有望なランナーに自身の金メダルを渡し、自らの成績を超えてくれる期待と思いを託したとされているのだ(自身はアスリートを引退したワケではない)。
なお、エミール・ザトペックはその後もメルボルンオリンピックに出場したが、こちらは6位の成績で終わっている。
競技で走る際には彼特有といってよい走りのスタイルが見られたという。辛そうに顔をスゴくしかめながらあえいで走るスタイルから、「人間機関車」と呼ばれたそうだ。
ザトペックの走っている貴重な姿!
こちらは、エミール・ザトペックのことをわかりやすく紹介してくれている動画なのだが、しかめっ面であえいで走る本人のお姿もしっかり確認できるぞ。
動画内でも見られる独特の表情と走り方により、かつての大記録を作り出したエミール・ザトペックは、まさしく人間機関車の異名をもつに相応しいだろう。
さらには奥さんもやり投げの金メダリストなのだから、まさしくオリンピック界の最強夫婦といっても過言ではない。
雑学まとめ
「エミール・ザトペック」と、その妻「ダナ・ザトペコワ」についての雑学を紹介してきた。偶然の一致が重なるこのオリンピック夫婦、両者とも偉大な記録を残した選手でもあったのだ。
ちなみに「インターバルトレーニング」という不完全な回復をあいだにはさみながら、キツめの運動を繰り返すトレーニング方法を世界に普及させたのは、他ならぬこのエミール・ザトペックだという。
なお、彼の奥さんダナ・ザトペコワも、アスリートとして1958年にやり投げの当時の世界新を樹立させたりもしている。
とにもかくにも五輪の記録のみならず、スポーツ界全体に影響を与えつづけた偉大な夫婦なのだということを知っておいてもらえたら、筆者としてはうれしく思う。