金…きん…ゴールド!!
「金」は、古来より世界中の人々を魅了し続けている金属である。その美しさだけでなく、普遍的な価値をもつことから、資産として保持されることも少なくはない。
バツイチアラサーの筆者は、「お金」もないが、「金」なんて持っていない。唯一持っていた金といえば、結婚指輪だった。しかし、離婚の際に元旦那に返している。
ろくな職歴なし・就職に有利な資格なしのほぼニート、いわゆる「貧困女子」の筆者には、もはや金を手にするチャンスはないのか…?!
ところがどっこい、世界に無限ともいえる量の金が存在する。「あるもの」から金を抽出できるのだという。ウホッ! マジっすか?! うっひゃあ、これでワシも億万長者じゃーい!!
【自然雑学】「金」は海水から抽出できる
【雑学解説】海水には大量の金が溶け込んでいる?!
この地球上の海には、総量50億トンもの金が含まれている…?! ご…50億…マジかよ…。
50億トンの金とは壮大な数字である。われわれ人類がこれまでに採ってきた金は、総量16.5万トンといわれている。
数値がデカすぎて、数学な苦手な筆者には、海に眠る金が今まで採掘されてきた金の何倍か分からない…。だが、そのすごさは分かる。
実は海水は、純粋に水と塩だけでできているわけではない。金属も含まれているのである。しかも、その種類は77種にも及ぶのだという。
この中には金だけでなく、レアメタルも含まれている。海は宝の山なのである。
よっしゃ、早速今週末には海に出かけるか! …と思ったあなた、ちょっと待った。この話には裏がある。
海水から集めるのはたいへんすぎる!!
海水中に含まれる金属の量は、極々微量なのである。「50億トンの金」というと、相当な量のように感じるが、1トンの海水中に含まれる金は、たった1mg程度なのである。
金1gの現在の相場はだいたい5000円代だ。1mgの金…価値は、5円ちょっと?
一般的な家庭の浴槽で200~300lの水が入るのだというから、その3~5倍程度の大きさの水槽あるいはタンクが必要になる。しかも、金抽出用の機械を準備する必要もある。そんなもん市販されてないけど。
それで得られる金は、5円程度の価値しかないとな…?! マンマ・ミーア!!
無限ともいえる量の海水…その中に含まれる金。しかし、金の採取はそう簡単なものではないようだ…。
未だに海水から効率的に金を抽出する方法は発明されていないのである。これ発明したら、ノーベル賞ものじゃね?
スポンサーリンク
【追加雑学①】過去、金を海水から抽出しようとした国があった
海水から金を取り出せたとしても、それはごく微量。大量の金を得ようとすると、それは途方もない話である。しかしかつて、海水から金を抽出することを試みた国があった。…それはドイツである!
どいつだよ、そんな無謀なチャレンジ思いついたやつ…なんて思わずオヤジギャグが飛び出してしまうほど、壮大な計画である。「真面目」なイメージがあるドイツさん、どうしてそんな無茶なことを考えついてしまったんだろうか?
さて、ドイツが「海から金抽出しちまおうぜ計画」を思いついたのは、第一次世界大戦後のことだ。この戦争に敗れたドイツは、「テメェが巻き起こした戦争だろ、責任とれや!」ということで、1520億金マルクという賠償金を支払う羽目に陥ってしまう。
これは当時のドイツの国民総所得の約2.5倍に相当する額だそうで、現在の価値で200兆円ちょっとといったところ…とのことだ。
そりゃあまぁ、ドイツさん、「そんな大金支払えないっすわ! あ、海水からちょっくら金作っちゃおうかな!!」って発想に行きつくのも納得である。
ところが、上記でも述べたように、海水から金を抽出するのは割に合わない作業だ。当然、この計画は頓挫。
ドイツ経済は悪化の一途をたどり、そんな絶望のもとに独裁者・ヒトラーを筆頭としたナチスが登場。新たな悲劇が始まったのである…。
ちなみに、ドイツさんは途中で賠償金を減額してもらったりしつつ、2010年に賠償金の支払いを完了させている。
【追加雑学②】砂金採りで、「砂」どころじゃない金が採れたことがある
海水から金を抽出するのは、骨が折れるどころか複雑骨折レベルの難易度だが、砂金採りは比較的誰もがチャレンジしやすい金を得る方法のひとつではなかろうか。
通常の砂金採りでは、「砂金」という文字が示すように、ごく小さな金の粒しか見つからないが、過去に769gという大粒(っていうか、塊)の金が発見されている。1900年、砂金の産出地として有名だった北海道・枝幸町(えさしちょう)で見つかったその金は、皇室に献上されたそうだ。
よっしゃ、早速今週末には砂金採りに出かけるか! …と思ったあなた、再びちょっと待った。金の塊が簡単に見つかるほど、人生イージーではないぞ!!
雑学まとめ
海水から金が抽出できる!! …しかし、海水1トン中に含まれる金は1mgと、極々微量なのである。この雑学記事のタイトルを見て心躍らせた方、申し訳ない。世の中そんなに甘くないのだ!!
自らの手で金を探し出す楽しみを得たい方には、砂金採りをおすすめする。ただし、砂金採りで一攫千金…なんて夢を見ないほうがいいであろう。あくまでも、トレジャーハントを楽しむくらいの心持ちで挑もう!