金魚は日本で最もポピュラーな観賞魚で、金魚すくいは日本の風物詩にもなっている。さまざまな色の金魚が存在しているが、基本的には赤い魚である。
鱗の色が魚の名前の由来になることもあるが、金魚は赤い魚だ。なぜ、金魚は「金」魚と呼ばれるのだろうか? 今回の雑学では、金魚の名前の由来などについてご紹介しよう。
【動物雑学】金魚はなぜ「金」魚?
【雑学解説】金魚は1000年以上前から金魚と呼ばれていた
金魚は日本で盛んに飼育や品種改良が行われているが、日本で生まれた魚ではない。金魚は中国の揚子江(ようすこう)付近で、赤い色のフナが発見されたのが発祥といわれている。
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正確な年代はわかっていないが、1700年~2000年ほど前に発見されたと考えられている。中国では1500年ほど前から、金魚として飼育されていたことも記録に残っているのだ。また、金魚は赤鱗魚とも呼ばれており、昔から赤い魚だったことは間違いないようだ。
金魚が「金」魚と呼ばれる由来は、太陽光が当たって鱗が金色に光ったという説や、当時は非常に高価だったという説、黄金と同じ価値があるから金魚と呼ばれたなど諸説ある。中国では金魚のことを金余とも呼ぶが、これは蓄財ができる縁起の良い魚という意味がある。
日本に輸入される際も、金魚という名前だったという。また、英語では金魚のことを「Goldfish」と書く。そのまま、金の魚として訳されているようだ。
昔の金魚は非常に高価だった
金魚という名前は、日本に輸入されたばかりの金魚が、非常に高値で取引されていたということに由来しているといわれている。
金魚は室町幕府の頃に日本に輸入されたが、当時の日本には養殖するノウハウがなかった。そのため、当時は非常に高価であった。それから、約200年後の江戸中期には金魚は養殖されるようになり、輸入されたばかりの頃よりも簡単に手に入るようになったのだ。
しかし、この頃になっても、金魚の価格は5両から10両もしたことが分かっている。10両以上盗むと打ち首になるとされているので、金魚を盗んで打ち首になる可能性もあったのだ。ちなみに、当時の貨幣価値を現在に換算すると1両は10万円以上といわれている。
金魚は養殖されるようになっても、100万円以上の価値がある非常に高価な魚だったのだ。そのため、金魚の養殖を副業にする武士もいたという。
なんと、金魚が安価で手に入るようになった現在でも、1匹200万円以上で取引される金魚がいる。下の動画は200万の値が付くこともある玉サバを撮影したものだ。
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【追加雑学】金魚を扱ったパニックホラーや、金魚がサメを食べるゲームがある
金魚は特に狂暴な魚というイメージはないだろうが、巨大な金魚が人間を襲う漫画がある。月刊誌の「ガンガンJOKER」で連載されているのは、宙に浮く巨大な金魚が人間を襲う「渋谷金魚」というパニックホラーだ。
上の動画は渋谷金魚を紹介したものだ。作中に登場する巨大金魚は、言葉をしゃべることもある。渋谷の街に唐突に巨大な金魚が現れ、人を捕食し始める話はかなり恐ろしい。
おまけに、渋谷全体が巨大な金魚鉢の中に入れられているため、脱出することもできないのだ。登場人物は脱出方法を探すとともに、金色の謎を探っていくことになる。
「Tasty Blue」というスマホゲームは、金魚がなんでも食べて巨大化していくゲームになっている。このゲームの金魚はサメどころか、潜水艦やヘリコプターなどどんなものでも食べて巨大化していく。
金魚以外も操作できるが、最初は小さな金魚しか操作することはできない。金魚が獲物を食べることで、際限なく大きくなっていくのが面白いゲームである。
なぜ金魚がこのように扱われるのかはよくわからないが、身近な観賞魚だからこそ、人間を襲ったり、巨大化すると面白いと考えたのかもしれない。また、金魚は実際になんでも食べる魚といわれているのも理由のひとつだろう。
金魚すくいのせいであまり頑丈な魚というイメージはないが、実は金魚はかなり生命力の強い魚で、長く生きるほど大きくなる。
40cm以上に成長する場合もあり、40年以上生きた個体も確認されている。野生化した金魚は生態系を破壊する厄介な外来種であり、アメリカやオーストラリアではかなり問題になっている。
金魚より小さな生き物から見たら、漫画やゲームの世界のような恐ろしい魚に見えるのかもしれない。
雑学まとめ
金魚という名前の由来についての雑学をご紹介した。正確なことはわからないようだが、金魚は高価で縁起の良い魚と考えられていたようだ。昔から見た目が赤かった金魚だが、現在では品種改良でさまざまな色の金魚が存在している。
ただし、品種改良でも金色の金魚が生まれたことはない。金魚と近縁であり、品種改良が簡単な点も似ているコイは、金色のものも生まれている。
今後、金色の金魚が生まれる可能性はあるらしい。金色の金魚が生まれたら、かなりの高値が付きそうである。
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