カバの皮膚は相当に厚くて頑丈なため、攻撃を受けてもそう簡単にケガはしない。しかし、噛まれたりすると簡単に血が流れるようにも見える。これは、カバの汗に関係しているのだ。
頑丈なのに意外な弱点を持つカバの皮膚と、それをカバーする汗についての雑学をご紹介しよう。
【動物雑学】カバの汗は赤い
【雑学解説】カバの皮膚の表面は弱い。汗でガードしている!
カバの皮膚は非常に分厚くて頑丈だ。その厚さは哺乳類の中でも群を抜いており、噛まれたりしてダメージを受けることはほとんどない。しかし、表面はかなり弱くデリケートにできている。放っておくと簡単に傷んでしまうのだ。
そのためカバは、身体の表面を守るための粘液を分泌している。この粘液を汗だと考えている人が多いが、実際は汗とは別物で、体温調節のための液体ではない。しかし、汗を出す汗腺が変化して粘液を分泌しているので、カバは特殊な汗を流しているともいえるだろう。
汗腺自体が変化しているため、カバは人間のような汗をかくことはできないようだ。そのため、体温調節は苦手で、持久力は高くない。とはいえ、人間のように汗腺が発達した動物は少数で、カバが特に持久力が低いわけではないのだ。
【追加雑学①】カバの皮膚はライオンの攻撃が効かないほど頑丈
カバの皮膚は体の部分によって厚さが違うが、一番分厚くなっている胸の部分は4cmもの厚みがある。腹部の部分の皮膚は一番薄くなっているが、それでも1.5cmもあるのだ。
ゾウやサイは大型の哺乳類で、厚くて頑丈そうな皮膚を持っている。それでも、厚さは1cm程しかない。一番薄いお腹の皮膚でも、カバの皮膚はゾウやサイよりも分厚いことがわかる。
加えて、皮下脂肪の厚さは3cmから5cmもあるのだ。カバを襲う肉食獣としてはライオンが考えられるが、牙の長さは7cmくらいしかない。これではダメージを与えることは難しいだろう。
ライオンがカバを仕留めることもあるが、相手は大抵子供のカバである。大人のカバを倒すことは、群れが総がかりでも難しい。
また、カバを襲う際には、基本的に狩りをしないオスのライオンが参加することもある。いかにカバを倒すことが難しいかわかるだろう。
スポンサーリンク
【追加雑学②】カバの肌は非常に敏感
そんな非常に頑丈な皮膚を持つカバだが、その表皮は人間の赤ん坊並みといわれるほど柔らかい。噛まれてもほとんどダメージを受けないカバだが、皮膚の表面は簡単に傷だらけになってしまう。
乾燥にも非常に弱く、日光の紫外線も苦手である。ちょっとしたことでも、簡単にひび割れてしまうのだ。そのためカバは、赤い汗といわれる粘液を分泌して肌の表面を守る能力がある。
カバは草を食べるために、陸上を長距離移動することも珍しくない。もし汗が分泌されていなかったら、肌がひび割れて大変なことになってしまうだろう。
赤い汗は雑菌から皮膚を守る抗菌作用も持っているので、傷を受けても化膿したり感染症になることを防いでいるのだ。
こちらの動画では、カバが沼地で生活している様子が映っているが、体中どろだらけである。ワニは非常に免疫力が強いため平気で暮らしているが、沼地は雑菌だらけらしい。肌がデリケートなカバが同じ環境で生活できるのも、赤い汗のおかげなのだ!
【追加雑学③】カバが血の汗を流すといわれる理由は?
カバの肌を守る粘液は血の汗といわれることもある。これは赤い汗の別名だが、カバの粘液は最初から赤いわけではない。粘液が分泌された直後は透明であり、空気中で酸化することによって赤い色になる。
ピンクの汗と呼ばれることもあるが、色が少しずつ変わるため呼び名も変わると考えられる。カバは噛まれると簡単に出血しているように見えるが、ほとんどの場合は酸化した粘液が血のように見えるだけである。
こちらの動画ではカバの粘液が撮影されているが、たしかに血のような色をしている。カバは噛みつかれるとすぐに出血したように見えるが、そのせいで血の汗という表現が生まれたのかもしれない。
スポンサーリンク
【追加雑学④】カバが水の中にいるのは肌を守るため
カバは昼間は沼や川の中で過ごしているが、食べるのは陸上の植物が大半だ。体が泳ぐのに適しているわけでもなく、本来は陸上の生物である。
なぜ、カバは昼間水の中で過ごしているのだろうか? それは、強い日差しで肌を痛めてしまうからだ。いくら、赤い汗で肌を守っていても、日中の暑さはきついようである。
カバは夜目が効かないのに、夜間に長距離移動することが多い。日差しを避けて、草を食べに行くためだ。皮膚が分厚くて頑丈なのにも関わらず、表面は非常に弱いのがカバの面白いところだろう。
【追加雑学⑤】カバは水辺の王者
非常に頑丈でライオンの攻撃すら受け付けないカバだが、性格は凶暴であると同時に臆病な面を持つ。また、体型的に後ろを見ることができないため、後ろに噛みつかれたら反撃できない。
そのため、後ろから子供のライオンに噛み付かれただけで、逃げ出すこともある。
おすすめ記事
-
ノロそうだけど時速40km。カバは泳げないが陸では超速く走れる【動画あり】
続きを見る
大人はともかく、子供のカバはライオンに襲われて殺されてしまうことも珍しくない。
カバにとって陸の上は結構危険な場所である。しかし、水辺ではカバは無敵の存在だ。水辺で強力な動物といえるのはワニだが、カバにとっては脅威にはならない。ワニの噛む力は強力だが、カバは頑丈なうえに大きすぎて噛むのは難しいのだ。
加えて、ワニにとってはカバにまともに噛まれたら致命傷であり、踏まれても大変である。子供のカバがワニに殺されることもないわけではないが、親が近くにいるためほとんど安全なのだそうだ。そのため、カバはワニを相当舐めているらしい。
大人のカバならワニの集団の中に平気で踏み込んでいくこともあるが、ワニの方が避けていく。カバは水辺の王者なのである。
雑学まとめ
カバの汗や皮膚についての雑学をご紹介した。カバは皮膚が頑丈なのに、肌がデリケートでダメージを受けやすいという相反する面を持っている。
噛まれるとすぐに出血するように見えるのも、デリケートな肌を持つカバらしくて面白い。
おすすめ記事
-
カバのおならマーキングが爆音すぎる。ウンチも撒き散らす…【動画】
続きを見る
-
カバは草食動物ではない?カバの生態をご紹介!【動画あり】
続きを見る