ちょっとくらい体調が悪くても、病院へ行かずに自力で治すという人は少なくない。薬なんかに頼らず、おのれの自然治癒力に頼るのだ…と強がっているようだが、そういう人はなんだかんだ注射が嫌いだったりする。
たしかに、ただでさえ具合が悪いところに、さらに痛い注射を打つのはかなり辛い。できれば、注射以外の治療法を選択したい。
一方で、痛い注射はよく効くような気もする。痛いのが「か・い・か・ん」なんていう人もまれにいるだろう。
では、一番痛い注射は何の注射だろう? 知りたいような知りたくないような内容だが、ドMの人には必見の雑学だぞ。
【人体雑学】一番痛い注射は何の注射?
【雑学解説】一番痛い注射「神経ブロック注射」とは?
一番痛い注射が何かという話の前に、まず「痛み」について簡単に説明しよう。人間にとって、痛みとは感覚のひとつだ。
体のどこかに損傷や異常があると、まず末梢神経がその刺激をキャッチする。
そして体中を走っている神経を通ってその信号が伝えられ、脊椎・脳へと送られる。感覚をつかさどっている脳に到達すると、「痛み」という感覚として認知されるのだ。この一連の流れが、一瞬のうちに行われている。
したがって、神経そのものに刺激を与えると、最も激しい痛みを感じるのだ。よって、一番痛い注射は神経に直接刺す注射であると結論できる。
しかしそんな注射が実際にあるのか?
それがあるのだ…。その名も「神経ブロック注射」。
ブロックとはつまり、痛みの伝わる神経経路を遮断することだ。神経や神経の周辺に注射針を刺し、麻酔薬を注入して麻痺させる。椎間板ヘルニアや坐骨神経痛などの慢性的な痛みに苦しんでいる患者に対してされることが多い。
神経は普通、体の深いところにある。そのため神経ブロック注射は、針を奥深く刺し入れる必要がある。そして針先が神経に触れたときには激痛を感じ、電気のようにしびれが走る。その後ゆっくりと麻酔薬が注入されるが、薬剤の刺激でまたジワジワと痛みが広がる。
なんともサディスティックな注射である。実際に神経ブロック注射を受けた人の感想の中には、「経験したことのない痛み」「死ぬかと思った」といった言葉があがっている。
もちろん、神経ブロック注射は痛みを緩和するための治療なので、注入した麻酔が効いてくれば自身の痛みが治まる。炎症を鎮静化し、血流を改善させることで、痛みのスパイラルを断ち切ることができる。
また、痛みの根本原因の部位である神経を治療するので、繰り返し行うことで症状の改善が期待できる。実際、中にはこの激痛に何回か耐えて、神経痛が完治する人もいる。治療には個人差があるので、人によっては一時的な効果しかない場合もある。
そのため、慢性的な痛みに耐えるか、治療のための激痛に耐えるかは、それぞれの人の選択による。やってみないと結果はわからないのだ。というわけで神経ブロック注射を受ける人は、もともと相当の痛みに苦しんでいるような人に限られるだろう。
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【追加雑学】注射の痛みを和らげる方法はある?
神経ブロック注射のような激痛ではなくとも、採血や予防接種の痛みもなかなかのものだ。できる限り痛みを最小限に抑えたいところである。では注射の痛みを和らげるには、どんな方法があるのだろう?
まずはリラックスして筋肉を弛緩させておくことだ。体がこわばっていると痛みを感じやすくなる。また精神的な緊張によっても痛みの感覚は増してしまう。深呼吸やストレッチで体と心の緊張をほぐそう。
看護師さんと会話するのも良い方法だ。こちらがあまりに怯えていると注射する側も緊張して、いつものようにできなくなってしまうかもしれない。話しているうちにあっという間に終わるものだ。
注射の痛みが本当に苦手という人は、注射する部分を冷やしたり、強く押しておくと、多少痛みが軽減できるようだ。注射のときに気分が悪くなったことのある人は、あらかじめ伝えて、ベッドに寝ながらしてもらうこともできる。
雑学まとめ
今回は痛~い注射についての雑学をご紹介した。一番痛いとされる神経ブロック注射は、痛みの受容体である神経に直接刺すという、恐ろしすぎる注射だった。そんな注射にお世話になることがないよう、健康には十分注意したいものだ。
注射をするときには、お医者さんや看護師さんが鬼のように見えるかもしれないが、なるべく痛みを抑えるためにもにこやかに話しかけてみよう!
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