疲れたときのリラックスに、部屋や車の香りづけに…いまや「アロマテラピー」は若い女性だけでなく、老若男女問わず広く普及している。
このアロマテラピーに使われる「ハーブ」には、さまざまな種類がある。有名なラベンダーなどは誰でも名前を聞いたことがあるだろう。これらは西洋のものというイメージが強いが、実は日本にも、我々がよく知る国産の「和ハーブ」があるのだ。
和ハーブなんていかにも聞き慣れない言葉だが…ハーブの定義とはいったい…?
【食べ物雑学】日本にも国産の「和ハーブ」がある
【雑学解説】ハーブの定義ってそもそも何なの?
Herb(ハーブ)を簡単に説明すると、植物の中でも特に薬効が高く、香りの強い「香草」のことを指す。
特に西洋ではハーブを扱って体調管理をすることが医療行為として行われ、植物療法という医学として確立されている。和ハーブより西洋ハーブが有名なのは、こうした理由もあるのだ。
有名なラベンダーは色も香りもすばらしく、リラックス効果などの精神安定や沈静効果が高い。もちろんお茶にして飲むことも可能だ。
肉料理に使われるローズマリーやタイムには殺菌効果があり、香りも良い。もっと身近なものではコショウも有能なハーブである。実はコショウは腐敗を防ぐ効果と香り高さから、かつて奪い合いの戦争が起きたほどのハーブなのだ。
いわゆる薬味はほとんど和ハーブ
一番身近な和ハーブはなんといっても「薬味」だ。和食で欠かせない薬味を英語に訳すと「ジャパニーズ・スパイス」となるだろう。あれが和ハーブの正体だ。
一般社団法人和ハーブ協会によると、和ハーブの定義は「日本原産の在来種、あるいは江戸時代以前より日本に広く自生している有用植物」だそうだ。日本には古来より自生している有用植物がなんと100種類以上存在している。
そして意外なことに「ショウガ」の原産国は日本ではなく熱帯アジア。「カラシ」や「ニンニク」も中央アジアが原産地と推定されている。ただ原産国でないにしても、これらは非常に古くから日本に存在しているので、和ハーブと定義できる。
他にもシソ・ミツバ・ユズ・サンショウなど、有名な薬味が和ハーブとして挙げられるぞ。薬効と香り高さから、いわゆる日本茶(チャノキ)も立派な和ハーブである。
ちなみに日本が原産の和ハーブ代表は「ワサビ」だ。世界的にも「WASABI」として知られていて、西洋ワサビとはちゃんと区別されている。
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【追加雑学】意識的に取り入れるには「お茶」が一番?
薬味をたっぷり食べたり、日本茶を飲むだけでも和ハーブを取り入れていることになるのだが、それではなんだかありがたみがない。ここはひとつ、意識的に和ハーブを取り入れてみよう。
香りを楽しんでゆったり和ハーブを取り入れるなら、なんといっても「お茶」が一番だ。日本茶だけではなく、他の和ハーブをブレンドしたり、和ハーブそのものでお茶にすることも可能である。
たとえば「桑(クワ)茶」。古来より養蚕地(ようさんち)を中心にお茶として飲まれてきた。桑は糖質吸収を抑えるDNJという成分を自然界で唯一大量に含んでいる植物で、糖尿病やメタボを予防したり、ダイエット効果・便秘改善効果が期待できる。
また、「ドクダミ」は生の葉の匂いが強烈なことで知られるが、国産のドクダミ茶は驚くほど飲みやすい。血管強化・整腸作用・解毒作用が強く、あの強烈な匂いが強い薬効の素となっている。
薬味たっぷりパスタで和ハーブを食べる!簡単に作れるレシピ動画
薬味を主役にした料理で和ハーブを取り入れるのも、簡単でおいしいのでおすすめだ。和ハーブをもりもり摂取することができるぞ!
雑学まとめ
筆者は便秘解消のためドクダミ茶にお世話になっている。どう見ても純日本人顔の筆者には、西洋ハーブティーよりドクダミ茶の方が似合っていると家族に笑われる日々だ。
ハーブというとなんとなく敷居が高い気がするが、和ハーブは日常的に取り入れられるものがほとんど。「最近なんだか疲れがとれないなあ」というときは、意識的に和ハーブを食べて体調を整えよう。