平和に暮らす一般市民は、まずお世話になることのない裁判官。実際に見たことはなくても(むしろ、会いたくはないが)、裁判官の服の色が黒いのは知っているだろう。
では、どうして黒い服なのか? さすがに赤やピンクといった派手な色は不謹慎のような気もするが、落ち着いた色だったら青や緑でもいいんじゃないかと思ってしまう。
そこで今回は、裁判官の服についての雑学を紹介していこう。これを読めば、裁判官のことを今までよりも身近に感じられること間違いなしだ!
【ルール雑学】裁判官の服が黒い理由
【雑学解説】裁判官の服が黒いのは、公平さを示すため
黒。絵画に詳しい人ならイメージしやすいと思うが、黒はどんな色を混ぜても決して他の色になることはない。信用できない場合は、ためしに絵の具で黒と好きな色を混ぜてみれば納得してくれるだろう。
裁判官は法廷で弁護士や検察官の意見を聞き、冷静に決断を下さなければならない。弁護士の中には少しでも被告人の罪を軽くしようと、情に訴えてくる者もいるだろう。そんなとき、もしも裁判官が情に流されてしまったとしたらどうだろう? 当然公正な判断ができなくなり、判決に支障が出てしまう。
黒という色は、どんな色にも染まることはない。裁判官も同じように、何事にも染まらずに公正に判断する、という決意の表れが洋服の色となっているわけだ。なんて格好いいんだろう。ほれぼれしてしまう。
【追加雑学①】黒は威厳を与えるという意味もある
裁判官が黒い服を着る理由。それは黒という色のイメージもある。
まず、黒をイメージしてほしい。黒は、カッコいい・クール・強いといったプラスのイメージと、恐怖・絶望・不吉といったマイナスのイメージがある。とにかく、存在感抜群の色だ。実際に次の映像を見てほしい。
なになに? ドラマの内容が気になるって? とりあえずそれは置いて裁判官の服のイメージに注目してほしい。
存在感とともに、見る者に威厳を与える黒は、罪を犯した人がその色を見て「自分はなんて馬鹿なことをしたんだろう」と、罪を自覚できる効果もあるというわけだ。
これが興奮する赤色だったら、こうはいかない。色が持つ心理効果を利用しているというわけだな。勉強になる。
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【追加雑学②】裁判官と書記官は洋服の素材が異なる
法廷では裁判官はもちろん、記録をとっている書記官も黒い服を着ている。しかし、同じ黒でも素材が違うことを知っているだろうか? 同じ黒でも裁判官はシルク、書記官はコットン素材。
つまり、同じ色を着ていても格が違うんだ、とアピールしているのだ。裁判官になるための努力や時間を考えたら、これくらいの差はいいだろうと個人的には思ってしまう。シルクが着たいなら裁判官になれ! ということだ。
検察官や弁護士の服装は特に決められていない
裁判官の服の色は決められているが、検察官や弁護士には服装の決まりがない。といっても、検察官や弁護士が法廷にTシャツ姿のようなラフな格好で登場すると、さすがに注意を受けてしまう。
服装の指定がない分、服のセンスが問われるということでもある。もし裁判を傍聴する機会がある場合は、検察官や弁護士のファッションチェックをしてみてもいいかもしれない。
【追加雑学③】裁判員も法服になるはずだった!?
2009年にスタートした裁判員制度。ひょっとしたら、この記事を読んでいる中に実際に裁判員になった経験がある方もいるかもしれない。
実はこの裁判員。壇上に裁判官と並ぶからという理由で、当初は裁判員にも法服を支給したほうがいいのではないか、という議論が行われていたのだ。
結局、『裁判員は普段着で』という結論になったが、ひょっとしたら法服を着ていたのかもしれないと思うと、裁判官を身近に感じられるのではないだろうか。
雑学まとめ
裁判官の服の色の雑学についてご紹介してきたが、いかがだったであろうか?
理由を知れば、法服が黒ということも納得できるだろう。あまり、関わりがない世界だと思うが、というか関わらないようにしたい世界ではあるが、ニュースやドラマで裁判官を見かけたときはぜひ服の色にも注目してほしい。
きっと、今までと違う視点で見ることができるだろう。
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