鏡餅というと、白くて雪だるまみたいな形のお餅の上に、ちょこんとみかんが乗っている姿を想像する。誰でも簡単にイメージできるだろう。しかし、実は鏡餅の上に乗っているのは「みかん」ではないらしい!
「みかん」ではないのなら小さめのオレンジかというと、それも違うようだ。今までずっと鏡餅の上には「みかん」を乗せるものだと思っていたし、実際に鏡餅の上に「みかん」を乗せて飾ったこともある。
鏡餅のイラストなんかを見てもやっぱり「みかん」に見えるのだが…。「みかん」じゃないなら一体何だというのか。今回の記事では、この雑学に迫っていく!
【生活雑学】鏡餅の上にのっているのは「みかん」ではない
鏡餅の上に乗せるのは「みかん」ではなく「橙(だいだい)」という果物。
【雑学解説】橙は縁起が良い果物
鏡餅の上に乗せるのは「橙」という果物らしい。あまりスーパーでもお見かけしないが、よく色鉛筆や絵の具にだいだい色と書いてあるオレンジ色は、この橙という果物からきているようだ。
橙はみかんの仲間の果物で、食べるとかなり苦みや酸味を感じるらしい。みかんのようにコタツを囲んで美味しく食べられない。生で食べるのには向いていないので、ポン酢などの調味料に用いられることが多いようだ。
さてなぜ「みかん」ではなく「橙」が鏡餅の上に飾られるのか、その理由は橙がかなり縁起の良い果物だからのようだ。橙の実は成熟しても木から落ちにくく、大きく実ることや、橙は代々と同じ読み方で「代々、家が繁盛する」という縁起を担いで鏡餅の上に飾られるようになったとか。
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【追加雑学】鏡餅はなぜ正月に飾るのか
ところでお正月といえば鏡餅を飾るのが通常だが、よく考えるとなぜ鏡餅を飾るのだろうか。「子供の頃に親が飾っていたし、正月といえば」なんてあまり深く考えず、大した理由もなく飾っている人は多いだろう。日本の行事には必ず理由がある。もちろん鏡餅にも意味がある。
簡単にいうと鏡餅を飾ることによって、お正月に年神様を招き鏡餅に宿ってもらう。その鏡餅を食べることで神様の力を分けてもらい、一年を健やかに過ごすという仕組みだ。
お正月という行事がそもそも新しい年の神様を家に招く、という行事なんだとか。決してお仕事や学校をお休みするための日ではない。きちんと理由があるのだ。
鏡餅の正しい飾り方
鏡餅といっても、お皿の上にお餅が二つ乗っているだけではないのはご存じだろう。鏡餅に合わせて飾られる物一つ一つにもちゃんと意味がある。
鏡餅と一緒に飾られるものの意味を簡単に紹介すると、
- 腰が曲がるまでの長寿を祈る「海老」
- 代々大きくなって実る縁起物である「橙」
- 喜(よ)いことがやってくる嘉喜(かき)という意味から「柿串」
- よろこぶの語呂を合わせた「昆布」
- 新しい葉が大きくなってから古い葉が落ちることから、代々家系がうまく繋がっていくことを祈る「譲葉」などがある。
時代と共に簡略化されたり、地域によって飾り方が違ったりなどさまざまではあるが、いずれも長寿を祈るものや家系の繁栄を祈るものばかりである。
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雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。お正月といえば鏡餅。鏡餅といえば、一番上に飾られるのはみかんと思っていたが、実は橙という別の果物らしい。たしかにみかんを飾っても腐りやすいし、飾るのには不向きである。長持ちする橙に比べると、すぐに腐ってしまうみかんは縁起も良くなさそうだ。
今まで何も考えず飾っていた鏡餅だが、意味を知るとありがたくなってくる。みかんはやはり飾らずに早めに美味しく食べるのが良いだろう。