治りかけた傷にできるかさぶたは、とってもかゆくて思わず剥がしたくなる。しかし傷が完治していないのに、かさぶたを剥がすのはちょっと怖い。というか、そもそもなんでかゆいんだ?
怪我をしたら痛いのはわかるけど、かゆくなるのは不可解だ。虫刺されのように、毒素が体内に入ったりするわけでもなさそうだし…。
ということで今回は、かさぶたがかゆくなる理由に迫った。かゆくなることにはなんと、傷の完治に欠かせない理由が隠されていたぞ!
【人体雑学】かさぶたがかゆい理由とは?
傷口は脳へと修復を促すため、アレルギー反応を引き起こす。
【雑学解説】かさぶたはかゆくなることで傷の修復を促している
かさぶたがかゆくなるのは、簡単にいうと体が異常を取り除こうと反応した結果である。
傷を負って出血したとき、修復されていく過程でその傷口周辺には、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンという成分が分泌される。これによるアレルギー反応が、かさぶたのかゆみの正体だ。
アレルギーと聞くと良い印象は受けないが、要するにかゆみを引き起こすことで、異常が起きていることを脳へと知らせているのである。そしてかゆみがなくなれば脳は「異常は取り除かれたな」と判断する。
つまりかさぶたのかゆみは「まだ傷は治ってませんよ!」と脳へ報告して、傷の修復を促してくれているのだ。
かさぶたは無防備な傷を保護するためにできる
かさぶたは一言でいえば、傷口にくっついた血球成分の塊で、傷を保護するために作られる。
血液には血小板と呼ばれる血球成分が含まれており、この血小板は血管が破れて出血すると、その際に発生した刺激成分に反応して形を変え、傷口を塞ごうとする。
傷口を塞いだ血小板は、外気に触れるとさらに成分を変化させ、傷口をフタのように覆うかさぶたになるのだ。
スポンサーリンク
かさぶたの下では、皮膚が新しく細胞を増やして傷を治そうと奮闘している。傷は通常10日ほどで修復されるが、その間は皮膚に覆われていない無防備な状態だ。
かさぶたはそんな傷口に雑菌が入ったり、乾燥したりすることから守る役割をもっているのである。血液由来のバンドエイドといったところか。
【追加雑学】かさぶたは自然に剥がれ落ちるのを待つのが一番
かさぶたは剥がしたくなるものだが、自然に剥がれ落ちるのを待つのが一番安全な対処法である。
そもそもかさぶたは傷口を保護するバリアーで、できたからといって傷が治っているわけではない。無理に剥がそうとして、傷を悪化させてしまった経験がある人は少なくないだろう。
また傷口をしっかり洗浄した上で消毒、保湿剤や絆創膏を駆使すれば、かさぶたを作らずに傷を治すことも可能だ。要するに保護や乾燥から守るといったかさぶたの役割を、人間側でやってしまうのである。
いずれにしても、かさぶたは傷口を守ってくれているわけだ。かゆくなるのだって、その過程においては仕方のないこと。できたらできたで、あまり邪険にせず、そっとしておいてあげよう。
雑学まとめ
かさぶたがかゆくなるのは、体に異常が発生していることを脳に知らせるための、アレルギー反応である。あまりにかゆいとわずらわしくなるが、傷を治すために不可欠なものだったのだ。
バンドエイドのようなその役割といい、人体とは自身を守るために、本当によくできた仕組みになっている。ちょっとぐらいの怪我なら、体がなんとかしてくれる! とクヨクヨせずに済みそうだ。