「キビヤック」という発酵食品をご存知だろうか。おそらく「何それ」と思った人が多いだろう。それもそのはず! 日本で生活している分には、キビヤックと出会うことはほぼないと思う。
キビヤックはドロッとしているうえに、ものすごく臭い食べ物である。この情報を聞いただけで食欲がなくなってしまいそうだ…。今回は謎の発酵食品・キビヤックの雑学を紹介していくぞ。
【食べ物雑学】発酵食品「キビヤック」とはどんな食べ物?
【雑学解説】「キビヤック」は海鳥とアザラシを使った発酵食品
キビヤックはごく一部の地域でしか食べられていない。具体的には、グリーンランドのカラーリット族やカナダのイヌイット族が作る伝統的な発酵食品だ。
グリーンランドもカナダも、めちゃくちゃ寒いことは想像がつくと思う。極寒の地で食料を確保するのは大変なことだ。キビヤックはそんな土地において超貴重な保存食なのである。
キビヤックを作るのに必要な材料は、アパリアスという名前の海鳥とアザラシの2つだ。では、具体的な作り方を見ていこう。少し残酷なので苦手な人は注意してほしい。
- 夏の間に飛来してきたアパリアスを捕獲する
- 捕獲したアパリアスを冷暗所に1日干しておく
- アザラシのお腹を裂いて内臓と肉を取り出す
- アザラシのお腹の中に、大量のアパリアス(数十羽~)を詰め込んでいく
- アザラシのお腹を縫い合わせて、縫い目にアザラシの脂を塗る
- アザラシを地面に埋めて日除けなどを行い、動物に食べられないように石を積む
- 2ヶ月~数年間放置する
- アザラシを地面から掘り出し、中から取り出したアパリアスを食べる
このように、かなり手間がかかる食べ物なのである! どんな味がするのか全く想像がつかない…。実際に食べた人によると、チーズやヨーグルトに似た味がするらしい。
こちらは、キビヤックの作り方や食べ方を解説した動画である。
キビヤックを食べるときは、アパリアスの肛門に直接口をつけて内臓を吸う。食べ方もファンキーである。
見た目はかなりグロッキーだし、とてもチーズやヨーグルトのような味がするとは思えない。「美味しいよ」とか「栄養満点だよ」と勧められても個人的にはあまり食べたくない。
そもそも目の前に出された瞬間に逃げ出すと思う。バラエティ番組の度胸試しに良さそうさが、さすがにこの見た目では放送できないかもしれない…。
「キビヤック」の栄養価を調査
キビヤックは、発酵の過程でビタミンがたっぷりと生成される。ビタミン不足に陥りやすい極寒地において、キビヤックは貴重なビタミン源であった。
キビヤックはビタミン以外の栄養も豊富だ。細かい栄養成分は分からなかったが、材料や製法から相当な栄養があることは想像できる。
スポンサーリンク
【追加雑学】「キビヤック」は世界で4番目に臭い食べ物
発酵食品といったら、まず気になるのがその臭いだ。納豆はもちろん、チーズも種類によっては強烈な臭いがする。では、キビヤックの場合はどうなのだろうか…。
実は、キビヤックは「世界で4番目に臭い食べ物」として知られている! ここで世界の臭い食べ物ランキングを発表していく。
第1位 「シュールストレミング」
臭い食べ物・第1位に輝くのは「シュールストレミング」だ。シュールストレミングは塩漬けニシンの缶詰で、バラエティ番組の罰ゲームなどでもよく登場する。
シュールストレミングの臭いを一言で表現すると「腐敗臭」だ。実際に嗅いだ人は「目がチカチカするような臭さ」と表現している。
第2位 「ホンオフェ」
第2位に輝いたのは、韓国の発酵食品「ホンオフェ」だ。ホンオフェとは、ガンギエイという魚の刺身、もしくは切り身を壷などに入れて発酵させた食品である。
ホンオフェは強烈なアンモニア臭が特徴的だ。鼻を刺すようなツンとした刺激臭はなかなかのものらしい。
第3位 エビキュアーチーズ
第3位には、ニュージーランドの缶詰チーズ「エビキュアーチーズ」がランクインした。臭いに関しては、チーズを思いっきり臭くした感じだ。上位5品の中で一番想像がつきやすいと思う。
第4位 キビヤック
そして第4位がキビヤックというわけだ。キビヤックの臭さは納豆の約20倍といわれている! 一度手についたら、臭いがなかなか取れなくて苦労するらしい。
第5位 「くさや」
ちなみに、第5位には日本の「くさや」がランクインした。くさやは魚を「くさや液」という汁に漬け込んだ食品である。まるで銀杏のような強烈な臭いが特徴的だ。
くさやでも十分に臭いのに、上位4品はどれだけ強烈な臭いなのだろう…。
雑学まとめ
今回は、世界で4番目に臭い食べ物といわれているキビヤックについての雑学を紹介してきた。私たち日本人にとってはかなり衝撃的な食べ物だ…。
食品の性質上、日本からお取り寄せすることはできない。どうしても食べてみたい人は現地に行ってみるしかなさそうだ。