お祭りの花形屋台といえば、なんといっても金魚すくいだろう。赤白黒と色とりどりの金魚がゆらゆら泳ぎまわる水槽が、お祭りの夜にはやけに魅惑的に映るもの。大人も子供も関係なく惹きつけられる不思議な夜店が金魚すくいだ。
そんな金魚すくいで使われるあの網について、あなたはご存知だろうか。
そう、丸くてすぐにやぶけてしまうアイツだ。誰もが思い浮かべることができるあの網だが、名前を知っている人は少ないのではないだろうか。
今回は、その網について紹介しよう。
【生活雑学】金魚すくいで使う網の名前は?
【雑学解説】金魚すくいのあの道具の名前は「ポイ」!
「ポイ」という名の道具。金魚すくいの他にもスーパーボールすくいなんかで目にすることができる。
プラスチックでできており、持ち手の先に丸い窓がついた枠に、和紙が貼ってある。
小さいころ、ポイに泣かされたことのある人も多いだろう。ポイに貼られた紙はとても薄く、水につけるとすぐグジョグジョになってやぶれてしまう。
やぶれる前にするりと金魚をすくってしまうのが、金魚すくいで泣かないやり方だ。それが難しいのだが…。
このポイ、どこで売っているのかと調べたら、さすがに今ではネットですぐに買うことができるみたい。1枚だいたい10円前後で手に入るようだ。
ネットショップ以外だと、100円ショップやおもちゃ屋さんなどでも取り扱っているよう。意外にも簡単に手に入るのだ。これなら家で遊ぶこともできそう。
ポイにも種類がある
ポイなかには、ひとつの枠に何度も紙を貼り替えて使用できる商品もある。「マイポイ」として玄人っぽく使うのもアリだろう。
そしてなんと驚いたことに、全部同じだと思っていたポイにも号数があったのだ。4号から7号まで、4段階に分かれているようである。
「号数」といってもポイの大きさではない。なんと、分かれているのは貼られている和紙の強度だ。4号がいちばん紙が厚くできており、5号…6号…と数字が大きくなるに従って薄くなっていく。
つまり、渡されたポイの号数によって金魚すくいの難易度が変化するのだ。ちなみに、毎年奈良で開かれる「全国金魚すくい選手権大会」では5号が使われているらしい。
夜店や屋台では、おっちゃんのさじ加減によって変わる。7号を渡された日は…苦い思い出を持って帰ろう。
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ポイには裏と表がある
枠の片面に和紙を貼っているのだからそりゃそうだ。片面は枠と紙が一体化しており、もう片面は枠と紙の間にカクンと段差がある。段差のない方が表だ。
この表裏も金魚すくいには重要。枠のフチに紙が乗っかっている、表を上にした方が破れにくい。何気なく渡されたポイにも勝敗の分かれ道があったのだ。
ポイを制すものは金魚すくいを制す。ついでにスーパーボールすくいも制す。ポイをうまく使うことで、お祭りをさらに楽しもう!
【追加雑学①】金魚すくいには黒い服を着ていくのが吉?
ところで、こんな噂を聞いたことはないだろうか。「黒い服を着て金魚すくいをすると成功しやすい」
実はこれ、ジンクスでも迷信でもない。
そのヒミツは金魚の習性にあった。彼らは黒い影に集まってくるのだ。
つまり、水槽に身を乗り出して影をつくることで金魚を引き寄せることができるというわけである。そのとき黒い服を着ることで、より暗い影になって効果的なのだ。
金魚すくいをやるときは黒い服を着て、影をつくり出そう!
【追加雑学②】金魚すくいの金魚は「エサ用」の金魚?
金魚すくいで上手に金魚をゲットしたら…。うんとかわいがろう、育てようと思うのが人心。
ところが、金魚すくいの金魚というのはやけに弱っちい。お祭りの夜に生まれる恋のようなものだ。翌日には水面で仰向けになっていて心を痛めた経験をした人も多いだろう。
必要以上に自分を責めることはない。金魚すくいの金魚は、もともと弱っていることが多いのだ。もちろんすべてとはいわないが、大型の魚の「エサ用」に育てられた金魚であることも多いという。
エサ用の魚は、その用途上、最低限の育成しかされていない。与えられるごはんも最低限だし、生育環境も決して良いとはいえないだろう。だから、そもそも水槽にいる時点で、ギリギリで生きてきた金魚なのだ。
でも、エサ用だからといって、生き延びられないわけではない。弱っている金魚も最適な環境を用意し、ゆっくりと回復させてあげることで、長く育てることは十分可能だ。
お祭りの金魚も恋も、捕まえた後が肝心なのである。
雑学まとめ
今回は金魚すくいにまつわるトリビアを紹介した。
お祭りでしか見ることのない、あの道具「ポイ」の謎が解けた! 意外に身近なところで売っているとは驚きだ…。
ポイを制するものが金魚すくいを制す。次の金魚すくいではぜひポイをうまく扱って、たくさん金魚をゲットしよう! 捕まえた後の金魚のケアも忘れずに!