日頃何気なく使っている硬貨。ふと、ふちのギザギザってなんのためにあるんだろう? と思ったことはないだろうか。
硬貨を持ったときに滑りにくくするため? いや、そんなわけはない。身近にありすぎて意識していなかったが、気になりだすとどんどん気になってくる。
そこで今回はこの疑問をスッキリと解消するため、硬貨のふちについての雑学を解説していこう。硬貨がすぐ取り出せる人は、硬貨を手元に置きながら読んでほしい。
【生活雑学】50円玉/100円玉/500円玉の硬貨のふちのギザギザはなんのためにある?
【雑学解説】硬貨のギザギザはふちを削り取られないようにするため
江戸時代、硬貨ではなく大判・小判が使われていたころ小判のふちを削り、その削りカスを売って金儲けをするといった不届きものが多く現れたという。
削りカスをお金(大判・小判)と交換→さらに削った大判・小判も普通に使う→当然削られた小判は一回り小さくなっているため、必ず発覚する。こういった悪行をする人を「削り屋」と呼んでいた。
そのまま時は流れ、明治時代。金や銀を使って新しい硬貨を作ることになった。ここで問題になるのが削り屋の存在。
この削り屋をなんとかしようと試行錯誤し、その結果、硬貨のふちにギザギザをつけたというわけだ。その後もその風潮が残り、その時代で一番価値がある(最高額)の硬貨にギザギザがつくようになったのだとか。
なるほど。ギザギザにこんな意味があったとは…。しかし、当たり屋ならず、削り屋。
いつの時代にも悪知恵が働く人はいると、感心すらしてしまう。
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【追加雑学①】50円・100円玉のギザギザは区別するため
現代の硬貨で一番価値が高いのは、知っての通り500円玉。でも、待ってくれ。50円と100円玉にもギザギザがついているぞ?
50円と100円玉に今でもギザギザがついている理由。それは、目が不自由な方でも硬貨のギザギザを触って区別ができるようにするためである。
硬貨がすぐ取り出せる人は、実際に並べてみるとよく分かるだろう。50円玉と5円玉。100円玉と10円玉。
この2枚はそれぞれ同じ大きさである。何もついていない状態だとたしかに触ったところで分からないが、ギザギザをつけることで目が不自由な人でも分かるというわけなのだ。
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【追加雑学②】ギザ10は四葉のクローバー並みに貴重
ギザ10を知っているだろうか? そう、ギザギザがついている10円玉だ。今では四葉のクローバー並みに貴重な存在だが、このギザ10も10円玉が発行された昭和26年の最高額だったため、全ての10円玉にギザギザが付けられていた。
しかし、そのわずか4年後に50円玉硬貨が誕生し、10円玉は最高金額の座から降りることになる。つまり昭和26年から昭和33年の7年間(昭和31年は10円玉が発行されなかったため)しか発行されなかったため数が少なく、非常に貴重な存在なのである。
ちなみに、現代でギザ10を探そうとすると次の動画のようになる。
この10円玉の山からギザ10が出た確率は、わずか0.2%…。四葉のクローバーとどっちが探せる確率が多いのだろうか。もしもギザ10を入手したら、大切にもっておくとひょっとしたら良いことが起こるのかもしれない。
雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。硬貨のふちのギザギザは、昔は金儲けの悪だくみを防止するため。現代では目が不自由な人が触って分かるようにするためと意味が違っていた。ギザギザにこんな素晴らしい意味があったなんて、全然知らなかった。
ちなみに今当たり前のように使われている「円」。これは明治時代に定められた。もしも当時の1円が家に眠っていたら、現在の価格で2万円ほどの価値があるらしいから、大切に保管しておくことをおすすめするぞ。
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