オリンピックの花形競技のひとつといえば、マラソンだろう。世界でも競技人口がかなり多く、各地で大会も数多く開かれる人気のスポーツだ。沿道で旗を振り声援を送るマラソンファンも少なくない。
最近では100kmという距離を走るウルトラマラソンなるものもあるが、オリンピックでは42.195kmのフルマラソンで競われる。3時間にわたる死闘が繰り広げられ、毎回ドラマが生まれるのもマラソンの醍醐味だ。
2020年の東京オリンピックでのマラソンコースも発表され、浅草雷門・銀座・東京タワーなど、名所を巡るかたちになっている。きっと大勢のギャラリーが沿道を埋め尽くすことだろう。
このように42.195kmという長距離を黙々と懸命に走るマラソン選手には、尊敬の眼差しが向けられやすい。しかし実は、オリンピック種目の中にはマラソンより長距離のものがあることをご存じだろうか?
今回はそんな、マラソンより注目度が低いのに長くて過酷な種目についての雑学をご紹介するぞ。
【オリンピック雑学】五輪では、マラソンより長距離の種目がある
【雑学解説】オリンピックでマラソンより長距離なのは競歩50km
マラソンの走行距離が42.195kmであることはいわずと知れたことである。しかし、それより長距離の競技種目がオリンピックにあることはあまり知られていないだろう。
その種目とは、競歩50kmである。マラソンよりも8km近く長い距離になる。オリンピックでの競歩には男子20km・女子20km・男子50kmとある。つまり50kmの長距離は男子のみの参加である。
競歩とは、その言葉の通り、決められた距離を歩く速さを競う競技だ。歩くだけなら、マラソンと違ってそんなに苦しくないんじゃない? と思ったアナタ。競歩選手に後ろからド突かれるぞ!
実は意外にも、競歩は最も過酷な陸上競技といわれているのだ。その競歩で50kmというマラソンよりも長い距離を競うなんて、さぞかし苦しい闘いであろう。しかも競歩選手は1kmをだいたい4分ほどで歩く。つまり一般人が走るくらいの速度で歩いているのだ。
それにはおのれの肉体を制する厳しい鍛錬が必要なのである。では競歩がどれだけ過酷な競技かについて見ていこう。
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【追加雑学①】競歩のルールはかなり過酷
競歩には厳しいルールがある。ただ歩けばいいのではない。まず、片足は必ず地面についていなければならない。両足が同時に地面から離れると「ロスオブコンタクト」という反則になる。
走るときは通常、足で地面を蹴って両足浮いている。そのため片足を地面につけつつ速度を最大限に出すにはかなりの技術が求められるのだ。
さらに、地面についた足は地面と垂直になるよう膝を伸ばさなければならない。膝が曲がってしまうと「ベントニー」という反則になる。反則を累積3回受けると失格となってしまう。
50kmもの長い距離を走れば当然疲れてフォームも乱れてくる。その中で最後までこの正しい方法で歩き切るには、相当な忍耐力が求められるのだ。地味な競技だと思っていたならすぐにその考えを改めたまえ!
こちらが競歩の基本姿勢である。
【追加雑学②】他にもある長距離種目
実はマラソンよりも長い距離を競う種目は他にもある。そのひとつはトライアスロンだ。トライアスロンは、スイム(水泳)1.5km・バイク(自転車)40km・ラン(長距離走)10kmを一人で行なう競技だ。距離の合計は51.5kmになる。
また自転車のロードレースは男子が234km、女子が137kmというハイパー長い距離だ。実際男子のコースを車で走ってみたら、丸一日かかったという情報もある。
こんな種目をやってのける各国の超人的な選手たちには脱帽だ。世界の猛者が一同に集う瞬間を見逃すわけにはいかないぞ!
競歩の雑学まとめ
今回の雑学で、オリンピックにはマラソンよりも長距離で過酷な種目があることがわかった。マラソンは花形種目で注目が集まりやすいが、他の競技種目も見過ごすべきではない。
長距離競技には他の種目より時間がかかるので、より様々なドラマが生まれやすいだろう。苦しくても歯を食いしばり、最後まで自分の競技をやり遂げようと奮闘する選手の姿が待ち遠しい。