はさみ焼きにきんぴら・酢のもの・煮物と大活躍のレンコン。料理の名脇役で、食感が好きな人も多いだろう。
食べるだけでなくスタンプにも使われることがあるくらい、穴だらけのユニークな形は遊び心を刺激される。
ところで、レンコンのあの穴が空いている理由はなんなのか? そもそもレンコンってどうやって出来るの? 今回の雑学記事では、知れば知るほど味わい深い、レンコンの穴の秘密に迫ってみよう。
【食べ物雑学】レンコンに穴が空いている理由は?
【雑学解説】レンコンの穴の理由は呼吸!
レンコンとは蓮(はす)のことで、別名が睡蓮(スイレン)。沼や池の表面に綺麗な花を咲かせるあの蓮だ。
水上の大きな葉や花は優雅だが、茎と根っこは水中で地味に頑張っている。勘違いされやすいけれど、レンコンは根ではなく茎の部分だ。肥大した地下茎を食べるのである。
原産国は中国・エジプト・インドのいずれかといわれている。はっきりしていないが、どれも宗教的に蓮の花を大切にする国となっている。
蓮の茎や根が水中で頑張るためには、酸素の供給が必要だ。レンコンの穴が特別大きいのは、水中の茎や根まで酸素を届けるための空気穴だからだ。
特にレンコンは水底の泥の中に横たわっているので、酸素が少ない。空気穴を大きく発達させて環境に耐えてきたのである。
水上にある大きな葉をよく観察すると、葉の中央に「ヘソ」などと呼ばれる穴が開いている。これがレンコンの気孔で、葉から水中の根までレンコンの穴がずっとつながっているのだ。
レンコン収穫の大変さがよくわかる動画があった!
レンコンが畑でどのような状態かよく分かる動画をYouTubeで発見した。
想像以上に泥の中だ! 農家の人も大変である…。
【追加雑学①】レンコンは穴のおかげで縁起がいいとされている
おせち料理に入っている「すばす」は、縁起がいい物とされている。これはレンコンの穴が大きいことに由来する。
小さい頃メガネのように向こう側を見て遊んだことがある人も居るかもしれないが、レンコンはその通り、「先の見通しがいい」ということで縁起物とされている。
実際にあの巨大な葉から葉柄を通過して、茎・レンコン・根っこと繋がっているのだからすごい。
次の正月はレンコンの穴を透かして向こう側を見てみよう! 宝くじや先物取引で大当たりするかもしれない…?
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【追加雑学②】レンコンの穴は水中で向きが決まっている
レンコンの断面を見る機会があったら、ぜひ穴の数や大きさに注目してみてほしい。
レンコンの穴は中央に小さいものがひとつ、その周囲を大きな穴が取り囲んでいる。全部で8~9個とされることが多い。
でも、小さな穴が2つあることを入れると10個くらい空いている。周囲を取り囲む穴のあいだに申し訳なさそうに1~2個の小さな穴が並んでいるのだ。
実はレンコンは水中で横たわる向きが決まっていて、特別小さな穴を上に向けて横たわっているといわれている。
【追加雑学③】レンコンの「ロータス効果」とは?
日経サイエンスによると、ドイツのボン大学のバートロット(Wilhelm Barthlott)氏は、蓮の葉には汚れをはじいて綺麗に保つ効果があることを発見した。
蓮の葉の表面には小さな突起があり、さらに植物性のワックスが厚く覆っている。このため、汚れははじかれて自然に流れ落ちる。
地下のレンコンまで空気を届けるためには、葉の中央にある気孔に汚れが詰まると大変だ。蓮はこれを防ぐために強い自浄作用をもっているのである。
この自浄作用は「ロータス効果」と呼ばれている。ところ構わず汚しまくって帰宅する我が家の長男に、レンコンの爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。
【追加雑学④】レンコンの穴の中までキレイにする裏技
レンコンは放置していると、ポリフェノールの働きで黒ずんでしまうようだ。穴の中までキレイにする裏技として、「酸」を上手に利用しよう。
レンコンが浸かる程度の水を用意し、そこに酢やレモン汁を入れる。ポッカレモンでもOKだ。30分ほどすると、普段は手が届かない穴の中までキレイに白くなる。
料理するときに気になる人はぜひ試してみてほしい。
レンコンの雑学まとめ
レンコンに穴が空いている理由についての雑学を紹介してきた。
レンコンの穴が地上から水中までずっとつながっているとは、ちょっと想像がつかない。優雅な花の下で地下茎や根っこが頑張っているなんて、健気な話である。
ちなみに、レンコンの穴は人間にとっても好都合だ。辛子味噌を詰めてコンガリと揚げた九州名物「辛子レンコン」は、焼酎がグビグビと無くなる(いい意味で)恐ろしい珍味だろう。肉詰めも捨てがたい。
穴を開けたまま見通しよく縁起を担ぐか、美味しい物を詰めてヨダレを垂らすか。あなたならどちらを選ぶ?