インド洋には「地上の楽園」と呼ばれる美しい島々が浮かんでいる。透き通った青い海に、真っ白の陶器のような砂浜。世界屈指の美しいサンゴ礁。
約1,200の島々から成るモルディブ共和国は、日本でも大人気のリゾート地。常夏の「夢の国」に行けば、絶景と贅沢な時間が手に入る。ひとつの島にひとつのリゾートしかないモルディブでは、その美しさを独り占めできちゃうのだ。まさしくユートピア。
そんなモルディブだが、実は世界のとある「ナンバーワン」をもっているのだ。 今回はモルディブについての雑学をご紹介していくぞ!
【世界雑学】世界で一番低地にある国は「モルディブ共和国」
【雑学解説】天国にいちばん「遠い」島?
「天国にいちばん近い島」──フランスの領土である美しい島、ニューカレドニアを俗に指す言葉だ。同名の旅行記が元になっている。
この「天国にいちばん近い」とはもちろん「夢の国」的な意味でだが、モルディブは物理的に「天国にいちばん遠い島」だ。いちばん空に遠く海に近い国なのである。
海面からの高さが平均で1.5メートル。ちょっと小柄な女のひと程度だ。最も高い地点でも2.3メートルしかない。
日本の平均標高はいちばん低い千葉県で45メートル、いちばん高い長野県で1,132メートル。全国平均では382メートルというのだから、モルディブがいかに低いかわかる。
日本にも地殻変動や埋め立てにより海面との差がない「海抜ゼロメートル地帯」が存在するが、モルディブは国全体がそんな感じだ。よくいえば海に近いリゾート地といえるが、困るのは災害時である。
日本の海抜ゼロメートル地帯もしばしば水害の懸念を指摘されるが、標高が低く海に近いほど、ちょっとした災害でも危険にさらされやすくなってしまう。
豪雨や高潮、津波や台風。そんな自然の脅威によって海や川の水位が上がると、あっというまに冠水・洪水だ。
実際、2004年にはスマトラ沖地震による津波で、モルディブの町と国民は深刻な被害を受けている。標高の低い土地に住むことは危険と隣り合わせであり、水害対策が急がれるのだ。
スポンサーリンク
【追加雑学①】モルディブは近い将来消えてしまう!?
勘のいい読者は気付いたかもしれないが、今モルディブは危機に直面している。現在、地球の海面は上昇し続けている。温暖化により地球上の氷が溶けていることが原因だ。
そうなると標高の低いモルディブは、真っ先に海に沈んでしまうのだ。国土のおよそ8割が海抜1.5メートルのモルディブ。1メートルちょっと海面が上がっただけで国土のほとんどが消えてしまう。
そのため、モルディブにとって地球温暖化は早急になんとかすべき死活問題だ。
しかし、モルディブが排出しているCO2は世界規模で見るとごくごくわずか。先進国の協力なしには食い止めることはできないのだ。
安全な土地に国民を移住させることも議論に挙がっているようだが、住み慣れた故郷を、祖国を永遠に失ってしまう苦しみは、想像を絶するものだろう。
同じ島国として、地球の住民として、私たちが考えるべきこともあるのではないだろうか。
【追加雑学②】1島1リゾート!モルディブの魅力
地上の楽園といわれるモルディブは、世界中で人気のリゾート地だ。ハネムーンの定番にもなるほどに、美しくロマンチックな国である。
映像を見て旅行気分を味わって欲しい。
真っ青で抜群に透明な美しい海に、真っ白な砂浜。見ているだけでうっとりしてしまう、まさに楽園だ。
そして、この美しい海だけではないモルディブの最大の魅力が「1島1リゾート」である。最初にも述べたが、モルディブは約1,200の島々から成る国だ。うち200の島に国民が生活している。
モルディブの島々は数分から数十分歩けば1周できてしまう小さな島で、それぞれ空港やリゾートなどの役割をもっている。
小さな島々なので、ひとつひとつのキャパは大きくない。だから、リゾートの島にはリゾートだけ、それも、ひとつの島にはリゾートホテル1軒だけしか建てていないのだ。贅沢すぎる!
「観光地って人がたくさんいて疲れちゃう」という人にモルディブはうってつけ! 日々の喧騒から離れて、ゆったりとした時間の流れのなかで思う存分のんびり過ごすことができるのだ。
透き通った海には珊瑚礁も圧巻。シュノーケリングやダイビングをすることもできる。
きれいな海のもとで、ちょっと遊びながらも静かにのんびり過ごす…。リゾート地としての理想がすべて詰め込まれている。モルディブはまさに完璧なリゾートだ。
雑学まとめ
今回は世界一低い国モルディブについての雑学を紹介した。
海がすぐそこにあるなんて羨ましいとも思うが、標高は高すぎても低すぎても悩みの種だ。魅力的な国が沈んで消えてしまう未来は悲しすぎる…。
温暖化はモルディブだけでなく、世界全体の問題だ。
部屋の冷やしすぎや温めすぎに気をつけたり、省エネの家電を選んだり、車をやめてバスや電車を使ったり。ちょっとした我慢や工夫でCO2の排出を抑えられる。遠い国のことと思わずに、できることをやっていきたい。
おすすめ記事
-
温暖化じゃなくて?地球はこれから氷河期に入るかもしれない
続きを見る