白熱した真剣勝負が繰り広げられるスポーツ競技。真剣勝負を繰り広げる選手たちの表情やプレーは、観る者に大きな感動を与える。だが、真剣だからこそ、ときにハプニングが生まれることもある。たとえば、42.195キロというフルマラソンの場合はどうだろうか。
かつて日本でおこなわれた大会において、コースを一時はずれて、用を足した選手が大会新記録で優勝に輝いたことがある。この記事では、トイレに行ったものの、そのまま優勝をかざったアメリカ人マラソン選手の雑学についてご紹介する。
【面白い雑学】1973年の「びわ湖毎日マラソン」では競技中にウンチをした選手が優勝した
【雑学解説】「びわ湖毎日マラソン」でのフランク・ショーター選手の奇行!?
42.195キロという長丁場を走り切る「フルマラソン」。マラソンは炎天下の過酷なコンディションで行われることも少なくなく、その暑さからコース上に倒れたり、棄権を強いられる選手も少なくない。しかしなかには、アクシデントに見舞われながら優勝をかざった選手もいるのだ。
それがミュンヘンオリンピックのマラソン競技で金メダルを獲得した、アメリカ人のフランク・ショーター選手である。いまも語り草になっているのは、彼が1973年に滋賀県で開催された「毎日マラソン(現・びわ湖毎日マラソン)に出場した際のことである。
彼は、レース中にお腹をくだして便意をもよおした。そこで沿道で観戦する人々が手にもつ小旗を数枚ちぎってコースを離れ、近くにあった草むらで用を足したというのだ。
そして数十秒後、彼はなにごともなかったようにレースに復帰し、大会新記録で優勝をかざったのである。このときに彼が出した2時間12分03秒という記録は、その後12年間にわたって破られることがなかった。
なおショーターは、彼が用を足していた姿を撮影していたカメラマンのフィルムを抜き取ったという逸話も残っている。レース中の急なアクシデントにもかかわらず、見事に優勝をかざったフランク・ショーター選手。
突然のアクシデントにもめげない彼の不屈のメンタリティーを我々も見習いたいものである。
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【追加雑学①】世界一高い山で開催される「エベレストマラソン」の全貌
42.195キロを走破するフルマラソン。過酷なイメージのつきまとうマラソン競技だが、世界にはもっと過酷を極めるマラソン大会が開催されている。それが世界一の標高の高い山で開催される「エベレストマラソン」である。
この大会は、世界で初めてエベレストに登頂した、ニュージーランドの登山家・エドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイという人物を称えて、2003年から開催されているマラソン大会である。
コースは、標高5,364メートルに位置するエベレストのベースキャンプから、標高3,440メートルに位置する「ナムチェバザール」までを、一気にくだるフルマラソンと同じ距離の42.195キロで行われる。下の動画は、そのコースを紹介したものである。
上記した設定コースからも想像できるように、参加選手はマラソンを完走する以前に、マラソンのスタート地点に立つことがそもそも大変なようである。というのも、選手は高地に順応させるため約2週間前にネパール入りするというのだ。
そしてスタート地点となるベースキャンプまで、徒歩でのぼっていくというのだ。まさに世界一、参加することが困難なマラソン大会のひとつといっていいだろう。なお競技には、フルマラソンのほかにハーフマラソンもあるという。
大会に参加した優勝者の平均タイムは、だいだい約3時間半から4時間程度で、ゴールに辿り着くようである。勇気のある読者の方は、ぜひエベレストマラソンに挑戦してみてはいかかだろうか。もちろん、レースに参加するのは自己責任でお願いしたい。
【追加雑学②】国内にもあったユニークなマラソン大会「人間塩出し昆布マラソン」
世界一の過酷なフルマラソンといえる「エベレストマラソン」に続いて、国内の一風変わったマラソン大会をご紹介しよう。それがスタート前とゴール後で、ランナーがどれほど減量できるかを競う「人間塩出し昆布マラソン」という大会である。
この大会は毎年、神奈川県の湘南・江ノ島で行われている。ルールは非常にシンプルなもので、スタート前とゴール後の体重差がもっとも多い人が優勝するというものだ。
1時間49分という制限時間内に、ランナーはとにかく体重を減らすことが必要とされる。5キロと10キロの2つのコースがある。
夏場に開催されることから、健康面にも十分配慮がされており、スタート前と給水ポイントでは必ず水分を摂取しなければならない、などのルールが課されている。また、人間塩出し昆布マラソンに参加するには健康面でのさまざまな決まりごともある。
最近、お腹に肉がついてきた方や、運動不足の方は、ぜひ人間塩出し昆布マラソンに参加してはどうだろうか。その際は、大会を主催する運営団体の情報をよく確認してもらいたい。二日酔いや、疲労が溜まっている方などは参加できないので要注意だ。
雑学まとめ
以上、1973年のびわ湖毎日マラソンで用を足したものの、見事に大会新記録で優勝をかざったマラソン選手の雑学と、国内外の一風変わったマラソン大会のトリビアについてご紹介してきた。
こう見てみると、国内外にはユニークなマラソン大会が開催されていることが分かる。
「ランナーズ・ハイ」という言葉があるように、人間は走ることに憑かれた、あるいは走ることの宿命を帯びた、苦を快楽に感じる特殊な生き物なのかもしれない。
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