私たちの日常になくてはならない存在、ハンカチ。貴方はハンカチが売られているのを見て、ある違和感を持ったことはないだろうか?
ハンカチはハイブランドから100均に至るまで、様々なメーカーが販売しており、色・柄・材質も様々だ。にもかかわらず、1つだけハンカチが頑なに守り続けている謎の決まりがある。
それは…ハンカチが正方形だということ!
そう、真四角なのだ。売り場を端から端まで見渡しても、ハンカチはすべて正方形で、ほかの形のものは一切見当たらない。
しかし、ハンカチはそもそも手や汗を拭くものであるため、別に四角い必要はないのではないか? ハートや星形のハンカチがあったら可愛いし、子どもも大喜びしそうなものだが…。
ハンカチが正方形を強いられているのはなぜなのか? 今回はその謎に迫る雑学を紹介するぞ!
【生活雑学】ハンカチ=正方形は、マリー・アントワネットの発案
【雑学解説】マリー・アントワネットの一声でハンカチの形が正方形に統一された
ハンカチが正方形になった理由…それは、17世紀後半のヨーロッパにあった。
当時のセレブ貴族たちのあいだでは、「ロココ調」とよばれる、貝殻の曲線や植物の細かい模様をモチーフにした、豪華なデザインが大流行していた。
それは、ハンカチも例外ではなかった。ハンカチは、庶民がもつことは到底できない超贅沢品。ハンカチで家柄がわかるとまでいわれたほどで、豊かさの証であり、センスの見せ所でもあった。
セレブたちは、ハンカチの豪華さやデザインの珍しさを競った。それは次第にエスカレートしていき、レースの付いたものや、刺繍の付いたもの、卵型や三角型のハンカチもあったという。
そう。この頃までは、ハンカチは正方形だとは決まっていなかったのだ…!
スポンサーリンク
突然の法律「ハンカチは全て正方形にすべし」
ところが1785年。フランス国王ルイ16世が、「ハンカチは全て正方形にすべし」という法律を作ってしまった。このときから今に至るまで、ハンカチは正方形と決まってしまったのだ。
この決まりは彼の妃である、マリー・アントワネットが進言して作らせたのだという。なぜマリーアントワネットはそんなわがままを言い出したのか? 調べてみると2つの説が見つかった。
1つは、世の中に色々な形のハンカチが溢れかえっているのを煩わしく思ったということ。なんとなく正方形が好き! だから皆も正方形にして! といったところだろうか。彼女はファッションリーダーでもあったので、その彼女が正方形のハンカチを持つことで、トレンドとして流行したのかもしれない。
おすすめ記事
-
やりすぎ感。マリー・アントワネットはファッションリーダーだった
続きを見る
もう1つはこんな説だ。豪華なハンカチを見せびらかすのが流行するなか、マリー・アントワネットはいつも自分が1番オシャレでいたかった。そこで、自分だけが可愛いハンカチをもつために、周りに正方形のハンカチを強制した説。オシャレしていいのは私だけ! という彼女らしい理屈である。
おすすめ記事
-
"パンがなければお菓子を食べればいい"の本当の意味とは?【マリー・アントワネット】
続きを見る
今となっては、彼女の本当の心中はわからない。正方形のほうが作るのも畳むのも楽なので、もしかしてそこまで見越していたのかも…? 日本ではこの逸話にちなんで、マリー・アントワネットの誕生日11月2日に1番近い祝日である、11月3日がハンカチの日とされているぞ。
雑学まとめ
ハンカチについての雑学、いかがだっただろうか。ハンカチが正方形なのは、マリー・アントワネットがそう決めたからだった。人類は、200年以上もその決まりを守り続けていたのだ。
彼女がいなければ、今も色々な形のハンカチがお店に並んでいたかもしれない。何気なく手にしていたハンカチの形に、こんな歴史があったとは驚きだ。ハンカチがどうして正方形なのか? なんて、考えたこともなかった人も多いのではないだろうか?
普段当たり前だと思っていることも、立ち止まってどうしてだろうと考えてみよう。思わぬ発見があるかもしれないぞ。