「地球は青かった。」
1961年に世界初の有人宇宙飛行を成功させたボストーク1号。そこに搭乗していた、ガガーリンの言葉である。宇宙から地球を見た人にしか言えない言葉だ。
宇宙から見た地球は青い。これは地球の表面の7割が海だからだ。つまり、地表の成分やそこに何があるかで、その星の見え方は変化するということである。
地球の隣の惑星である火星が赤く見えることは周知の事実であろう。
では…あの赤い色が何から作り出されているか、みなさんはご存じだろうか…。
ということで今回は、火星に関する雑学を紹介していこう!
【宇宙雑学】火星は表面が「錆びた鉄」の成分と同じ?
【雑学解説】酸化鉄の存在はある可能性に結びつく
「人類は火星に行ったことがないのにどうやってわかるんだ! マット・デイモンが行ったのは映画の話だぞ!」というツッコミがきそうではあるが、人類はすでに火星に探査機を送り込んでいる。
というか、今現在も火星探査機は活動中だ! そんな探査機からの情報で天体の組成がわかることもあるのだ。
わかったことは…なんと火星の地表には多くの酸化鉄が含まれているということ。これはみなさんが一般的に思い浮かべる「錆」と同じものである。だから火星も錆のように赤っぽく見えるのだ。
そして…酸化鉄が存在するということで、一つの事実が浮き彫りになる…。それは…火星にはかつて酸素が存在したということである! 酸化鉄は鉄と酸素が結びついてできるのだから、当然酸素がないとできないというわけだ。
しかも、酸素は水が分解されることで生み出されたと考えられており、かつて水も存在していたと考えられるわけだ!
新たな鉱石の発見で可能性はより高く!
さらにさらに! アメリカの火星探査機キュリオシティが酸化マンガンを発見! 酸化マンガンは酸化鉄よりも多くの酸素を必要とする。そのため「火星にはもっと酸素があるのではないか!?」と考えられるようになったのだ。
もしもこの仮説が正しいのであれば、この事実は、火星に生命体が存在している可能性を大きく引き上げる発見なのだ!
火星人といったらタコのような見た目を思い浮かべる…探査機からの映像であれが送られてきたらドッキリかと思ってしまうのだが…。
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【追加雑学①】地表がない惑星もある
太陽系に限らず数多く存在する惑星には、地球や火星のような地表と呼ばれるものが存在しない惑星も多い。
その地表をもたない惑星たちを「木星型惑星」という。
そのような名前が付くのだから、木星も当然地表をもたない。では何でできているのか…。
それはガス。もちろん、ガスといっても家庭で使うようなガスとは違うぞ!
たとえば木星は主に水素とヘリウムでできており、メタンやアンモニアなどもその成分に含まれている。
「探査機が降りられないのにどうやって調べるんだ!」という疑問も思い浮かぶだろう。天体の組成調査はもちろん探査機などを送って調べるのが確実だ。
しかし、降りる地表がなかったり、あまりにも遠すぎたり、初期の調査段階などでは、その星の光を解析する「スペクトル解析」が行われている。
端的にいえば、「この星の光は赤色と紫色と群青色が混じっているから、鉄がだいたいこれくらいで、ケイ素がこれくらいで…」と判断していくのだ。
このスペクトル解析のおかげで、何光年も離れた星の組成がわかったりするのだから、科学は本当にすごい!
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【追加雑学②】アルコールを撒き散らしている星が存在する
宇宙は広い…。我々が想像もしない成分でできた星も存在する。
太陽系に存在する「ラブジョイ彗星」はなんと…毎秒ワイン500本分のアルコールを撒き散らしながら宇宙を周回しているのだ!
ロマンティックな名前とは裏腹にとんでもないのんべえな星だな…。ぜひ友達になりたい…。タダ酒飲みたい…。
このラブジョイ彗星、2015年の1月7日に地球に最接近。肉眼でも見えるくらいの明るさで、夜空を散歩していたぞ!
ちなみに次の接近は約8000年後! いい子にしていれば、100回くらい生まれ変わった先で見ることができるな! 楽しみだ!
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雑学まとめ
今回は星についての雑学をご紹介してきた。星の成分がわかるだけでいろいろな可能性が出てくるものなのだ…。それだけ我々は宇宙や天体に関する知識がないともいえる。わからないことが多すぎるのだ。
火星に有人探査機を送ろうとか、太陽系以外のところにもドンドン探査機を送ろうといった計画が出てきているので、今後とも人類のロマンのために頑張ってもらいたい!