「クレヨンしんちゃん」に登場する幼稚園の先生で、恋多きながら彼氏ができないことがネタになっているまつざか先生。
そんなまつざか先生には、実は一時期彼氏がいたことがあった。アニメにも登場していたが、いつの間にか自然消滅。存在感の薄さに、そんなキャラ知らないという人も多いだろう。
実は、アニメでそこまで印象が薄いことには理由がある。原作でこの彼氏とまつざか先生は、とても悲しい別れ方をしているのだ…。
ということで今回は、悲しい過去を背負う恋多き乙女…まつざか先生の雑学を紹介しよう。
【サブカル雑学】まつざか先生と彼氏の悲しいエピソード【クレヨンしんちゃん】
【雑学解説】まつざか先生の恋愛事情。彼氏って誰?
まず、まつざか先生の彼氏の話をする前に、少しだけ彼女のスペックというか…彼女がどれだけ恋愛に苦労しているかに触れておこう。
そのほうが、彼氏ができたのがどれだけ珍しいことだったかを実感できるはずだ。
恋愛偏差値が低すぎるまつざか先生
まつざか先生の本名は「まつざか 梅」。
出身は宮城県で、農家の末っ子として生まれたが、自身はその田舎イメージを恥ずかしく思っており、「六本木女子」を自称する。本名で呼ばれるのも嫌いで、ついでに梅干しも嫌い。たしかになんかおばあちゃんみたいな名前だ。
趣味はブランド物集めと合コン。
ブランド物を買いすぎて常にお金がなく、住んでいる家もボロアパートという典型的な見栄っ張りだ。幼稚園の遠足にもピチピチのボディコンを着てきたり、露出度の多い服を着てきたりする…なんかいろいろ間違ってる先生である。
さて…そんなまつざか先生の恋愛偏差値だが…実は彼女、合コンが趣味のクセに、24年間一度も彼氏がいたことがなかった。
いや…美人でスタイルも抜群だし、決してモテないわけではないのだが……いつも肝心なところで、その性格の悪さがバレたり、しんのすけの邪魔にあったりで、うまくいかないのである。
しかし…それだけガツガツしてて24年間彼氏がいたことがないのはさすがにアレだと思うのだが…まあ、漫画だし、今とは時代も違うし…ということか?
何はともあれ、そんな彼女にも春がやってくるのだ!
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まつざか先生の人生初の彼氏・行田徳郎さんとは?
まつざか先生の彼氏の名前は、行田徳郎(ぎょうだとくろう)さん。
ふたりの恋については20巻~22巻・24巻・29巻・34巻・45巻~47巻と、原作ではわりと長きに渡って取り上げられている。
まずこの徳郎さん、何者なのかというと、まつざか先生が骨折をした際、治療のために訪れた接骨院の先生だった。ちなみに彼女が骨折したのは、泥酔して階段から転げ落ちたためである。
彼女は酒癖の悪さも特徴で、合コンに失敗したときなどはいつもヤケ酒をしている。このときはその酒癖が功を奏したわけだ。
イケメンに弱いまつざか先生は徳郎さんに一目惚れ。その後徳郎さんも彼女のことを好きになり、ふたりは付き合うことになる。
ひまわり組をいつもバカにしたりと、なにかと性格の悪さが際立つまつざか先生だが、根は思いやりのある人である。
園児になにかあれば大好きな合コンも抜け出して駆け付けるし、男子高校生に想いを寄せられていた回では、彼が勉強に手がつかなくなっていることを知って、あえて告白を断ったこともある。
そんな彼女の優しい一面を、徳郎さんは見抜いていたのかもしれない。その後も彼との交際は無事に続いていくかに見えた…しかし…。
徳郎さんは夢を追ってアフリカへ!その先で待っていた悲劇…
徳郎さんは接骨医をつとめるかたわら、とある夢を追っていた。なんと彼は骨を愛するあまり、化石発掘チームにも参加していたのだ。
彼は夢を叶えようと、恐竜の化石発掘に参加するため、24巻で南米へ飛び立ってしまう。登場する巻数が飛び飛びになっているのはそのためである。
しかしそれでも、ふたりの関係は粘り強く続いた。いろんな男に目移りしてしまいそうなまつざか先生だが、それこそ真実の愛だったのだろう。
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そして45巻にて帰国した徳郎さん。紆余曲折あったものの、47巻ではまつざか先生と結婚を約束し、再び化石を発掘するために、次はアフリカへと旅立つ。
悲劇はその先に待っていた。
なんとアフリカを訪れた徳郎さんは、現地で爆弾テロに巻き込まれ、死亡してしまうのだ…。
まさかクレヨンしんちゃんでこんなにヘビーな展開が待ち受けているとは…男運がないとかで済まされる話ではないぞ…。
ちなみにアニメでは、彼はチリに赴任したあと、そのまま生存していることになっている。
原作そのままの展開にすると、子ども向けアニメとしては過激すぎる。そのため、あくまで「遠くへ行ってしまった」という設定に変更されているのである。
また、そのあとまつざか先生が男あさりをしている場面もあるので、アニメ版に関しては徳郎さんが海外へ行ったあと、自然消滅してしまったという解釈でいいだろう。
【追加雑学①】彼氏・行田徳郎さん亡き後のまつざか先生は?
来る日も来る日も合コンに明け暮れ、24歳にして初めてゲットしたイケメン彼氏だ。しかも真剣に愛した彼氏だったのだ。こんな別れ方をしてショックを受けないわけがない。
彼女はなんと酒を大量に飲み、自分も彼の後を追おうと考えだす。あげくの果てには、幼稚園での勤務中にまで酒を飲みだす始末。こうしてまつざか先生は謹慎処分をくらってしまうのだった。
しかし、その夜にこれまた急展開が待ち受けていた。
まつざか先生はヤンキーグループに絡まれ、これを見事に撃退する。その場面に偶然出くわしたボクシングコーチに見込まれ、女子ボクシングのスカウトを受けるのだ。
ボクシングといえば、死と隣り合わせのスポーツである。なんとまつざか先生は、「これなら死ねるかもしれない」と思い、このスカウトを受け入れるのだ。
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窮地を救ったのは彼氏からの手紙だった
ボクシングの試合当日。
まつざか先生はリングに立ち、相手の攻撃を受けて死ぬつもりでいた。これって相当苦しい死に方だと思うのだが…そんな苦痛さえ受け入れられるぐらい、追い詰められていたということか…。
そんな試合中に彼女を窮地から救う救世主が現れた。彼のお母さんから徳郎さんの生前の手紙を預かったしんのすけが、会場に駆け付けたのだ!
ジムのオーナーが手紙を読み上げた。その内容とは…
いつも野獣のような子供たちを追いかけて
本気で悩んでいる君の姿は
とても生き生きしていて魅力的です。
そして 君は一見強そうに 周囲には見せているけど
実は涙もろくて お人好しなんですよね
君のそんなところにボクは惚れたんだと思う。
その内容にまつざか先生は気力を取り戻し、見事試合にTKO勝ちしてみせる。
すっかり元気になった彼女は、ひとまわり強くなった姿で幼稚園にも復帰することができた…そんな結末である。
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【追加雑学②】「クレしん」にシリアス要素を盛り込んだ作者の意図は?
ギャグ漫画であるクレヨンしんちゃんで、どうして今回のようなシリアスな展開が描かれたのか。
その理由について、作者である臼井義人先生本人から語られることはなかった。臼井先生は、2009年9月11日、登山中の不慮の事故で亡くなっている。
しかし、「クレヨンしんちゃん大全」での編集者インタビューにて、このエピソードが制作された意図を少し垣間見ることができる。以下がその一部だ。
まつざか先生の恋人、徳郎さんが死んでしまうエピソードは、臼井先生からの提案でした。
(中略)
でも臼井先生は、現実としてこういうこともあるんです、と。このエピソードに関しては、臼井先生の意志が固かったですね。
(中略)
人生では、大切な人を失うこともある、そういうリアルな出来事を「しんちゃん」のなかで描きたかったんだな、と思います。
まつざか先生の悲恋のエピソードに関して、編集サイドとしてはやはり戸惑う部分があったようだ。しかしそれでも臼井先生の意志は固く、結局は掲載にいたったのである。
クレヨンしんちゃんは、野原家や幼稚園といった日常を舞台にしたギャグ漫画だ。
日常というのは、いつも他愛もない出来事ばかりではなく、悲しい別れが訪れるなんてことは珍しくない。
まつざか先生のように、大切な人が亡くなってしまう場面だって、誰しも一度は経験する出来事である。しかしそれもまた、いつ起こってもおかしくない日常なのだ。
臼井先生は、まつざか先生のエピソードを通じて、多くの人に日常に潜む悲しい出来事を乗り越えていく勇気をもってほしい…と願っていたのかもしれない。
そして、クレヨンしんちゃんのファンもまた、臼井先生を亡くした悲しみを乗り越えていかなければならないのだ…。
まつざか先生の雑学まとめ
今回は「クレヨンしんちゃん」に登場するまつざか先生の悲恋の雑学を紹介した。
いつもの肉食女子な彼女からは想像もつかない展開だったが、大切な人の死を乗り越えていく姿は力強く、勇気づけられるものがある。
根は優しいところが人気のまつざか先生。このエピソードでより彼女の魅力に惹きつけられたというファンも多いだろう。
アニメでは自然消滅になってしまったが…この話が本当に子どもにとって悪影響なのかは、正直疑問の残る部分である。逆に子どものころから人の死を認識しておくことって、けっこう重要だと思ったりもするのだが…。
ひょっとすると臼井先生も同じような想いだったのかもしれない。
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