「モンテネグロ」は、2006年に新しく成立したヨーロッパの小さな国。バルカン半島に位置し、独立する以前はユーゴスラビア社会主義連邦共和国に含まれた一地域であった。
そんなモンテネグロと日本がついこの間まで戦争状態にあったというのだ。…戦争はしてないはずだけど。しかも、その戦争している期間が100年以上…!?
今回は、ずっと戦争状態だったモンテネグロと日本についてご紹介するぞ!
【歴史雑学】2006年まで日本はモンテネグロと戦争状態だった
【雑学解説】日本とモンテネグロは誰も戦わない戦争をしていた
日本とモンテネグロの戦争は、あくまで形式上の「戦争」であった。
現在のモンテネグロは「モンテネグロ公国」だった時期がある。この公国の時代に「モンテネグロはロシア帝国との軍事同盟を締結していた。
そのため日露戦争が起こっていた1905年に、モンテネグロ公国は日本に宣戦布告を行ったのだ。
こうして日本とモンテネグロ公国は戦争状態となった。しかし、戦闘に参加することはなかっため、日露が行ったポーツマスでの講和会議にモンテネグロ公国は呼ばれなかった。
しかし、ここで国際法上、日本とモンテネグロの戦争状態が継続しているという事態が生まれてしまった。
モンテネグロの移り変わり
モンテネグロ公国はその後、第一次世界大戦においてセルビア公国に吸収されて「ユーゴスラビア王国」へとなる。
第二次世界大戦後には、「ユーゴスラビア社会主義連邦共和国」。さらにそこから「セルビア・モンテネグロ」へと目まぐるしく変わった。
国会議員が戦争状態について政府に質問
2006年2月の国会で、鈴木宗男議員が現状を問う質問を行った。
対して政府は、そもそも日露戦争時に「モンテネグロ公国」が日本に宣戦布告したこと自体を承知してないとする見方を表明している。
モンテネグロへと独立
2006年6月「セルビア・モンテネグロ」から「モンテネグロ」へと独立する宣言を受け、日本は外務大臣と首相の特使をモンテネグロへ向かわせた。そして、独立の承認と戦争の終了を宣言する文書を渡したのである。
これによって、国際法上で戦争を終結させることができた。形式上とはいうものの、およそ1世紀にも渡った奇妙な戦争がようやく終わったのである。法律とかが絡むとややこしいことになるなあ…。
とにかく戦争状態が終わってよかった、よかった!
こちらはモンテネグロの街が映った動画だ! こんなきれいな街並みの国と戦争をしていたのか…。日本・モンテネグロ両国民とも、そうとは知らずに過ごしていたに違いない。
雑学まとめ
今回、日本とモンテネグロが2005年まで戦争状態だったというトリビアをご紹介した。
日露戦争時にモンテネグロ公国がロシア側について日本に宣戦布告したけど…、そこから完全放置状態だったことが100年以上にもなる戦時体制を生み出してしまったようだ。
誰も傷ついていないのは良いが、戦争状態のまま忘れているというのは、なんだか滑稽な感じがした。