みなさんはピアノが弾けるだろうか?小さいころから学校でもピアニカなどで練習するが、やはり誰でもピアノが弾けるというものではない。
しかし、大半の人間がこの曲だけは弾けるという曲がある。
「ねこふんじゃった」である。この曲は、実は国によってタイトルが様々だということを知っているだろうか? 今回取り上げるのは、この「ねこふんじゃった」に関する雑学だ!
【世界雑学】「ねこふんじゃった」は各国で呼び名が違う
【雑学解説】「ねこふんじゃった」は作者不明の楽曲だが世界中で愛されている
そもそも私自身はねこふんじゃったは日本の曲だと思っていた。
特に理由もないがそうだと思い込んでいた。小さいころから楽譜も見ることなく弾けて、友人と連弾した思い出もある曲だ。
まさか日本の曲でないどころか、どこの誰が作ったかもわからない曲だとは…。この曲は、作曲者・発祥の国すらもわかっていない。
しかし、一部では19世紀に活躍したロシア人作曲家、アントン・ルビンシテインとニコライ・ルビンシテイン兄弟のいずれかではないか…という説があるらしい。ちなみに、弟のニコライは、あの有名な作曲家のチャイコフスキーと親友だったそうだ。
とにかく、どこかのどなたかが作ったであろう曲なのだが、日本だけではなく世界で愛されている曲なのだ。それゆえに国によってタイトルが違う。日本では「ねこふんじゃった」だが、おとなり韓国では「猫の踊り」だ。
さらに、さきほど出てきたルビンシテイン兄弟の祖国ロシアでは、この楽曲は「犬のワルツ」というタイトルなのである! なんと、猫じゃなく犬だっただと…?
ドイツでは、「ノミのワルツ」というタイトルである。もはや、哺乳類ですらない。
ドイツでこのタイトルがつけられた理由は、この曲の作曲者がフェルディナント・ロー(Ferdinand Loh)という人物であり、その作者の略名「F. Loh」が誤記されて「ノミのワルツ(Flohwalzer)」になったから…とされている。
しかし、フェルディナント・ローという人物は実在しておらず、この件についてはジョークだったようだ。
もちろん動物じゃない国もある。イギリスやアメリカは「トトトの歌」といったり、「サーカスソング」「箸」といったりもするそうだ。
「トトトットットー、トトトットットー」と歌うのだろうか。さぞかし歌いづらいだろう。
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ほかの国では、
- 「アヒルの子たち」(キューバ)
- 「ロバのマーチ」(ハンガリー)
などのような動物のタイトルや、
- 「泥棒行進曲」(中国)
- 「道化師ポルカ」(アルゼンチン)
など人に関係するタイトルもあるとのこと。
そして、フランスでは「カツレツ」、スペインでは「チョコレート」など、食べ物がタイトルであり、もはや動物からも離れている。
各国のタイトルを見るとわかるのだが、どれもなんだか楽し気な、はねているような感じのタイトルだ。たしかに曲自体もそんな雰囲気である。
なぜ日本だけ「踏んずけているのか」はあまり知りたくないところではあるが、念のために調べてみると、どうやらはっきりとした理由はわかっていないらしい。
一説によれば「語呂がいいから」といった適当な理由ではないかとも言われている。昔の人は時に残酷だ…。
【追加雑学①】世界で一番弾かれているであろう「ねこふんじゃった」は楽譜にすると難しい
さて、この楽曲、先ほどもお伝えしたように「これなら弾ける!」という人が多くいる楽曲でもある。自慢じゃないが私も弾ける。
「だって簡単じゃん!」と思うであろう。しかし、それは大きな間違いだ。
みなさんはこの曲の楽譜を見たことがあるだろうか? 楽譜には#と♭がなんと6個も付いているのである。楽譜だけ見たら何の曲かわからないくらいである。
ちなみに、どのくらいの難易度なの? という方のために比較すると、有名な「子犬のワルツ」という楽曲は♭が5個ついている。
#と♭=難しいということでは決してないが、イメージとしてとらえていただけたらありがたい。
とにかくそんな難解な楽曲を、みなさんは耳コピで覚えているのである。これは自慢できることだ。私も明日から自慢しようと思う。
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【追加雑学②】「ねこふんじゃった」の日本語歌詞は2種類ある
そんな難解な楽曲を弾けるのに、歌詞があいまいだという方がこれまた多い。私もそうだ。
私は長年この歌詞を「ねこふんじゃったー、ねこふんじゃったー、ねこふんじゃー、ふんじゃー、ふんじゃったー」だと思っていた。
猫が不憫である。どれだけ踏まれるのか。
どうやら歌詞は一応、NHKの「みんなのうた」でつけられたことがあるらしい。しかし、これも1つではなく、複数存在するとのこと。
そこで歌詞を調べてみた。
「ねこふんじゃったー、ねこふんじゃったー、猫ふんずけちゃったらひっかいたー」だった。私の記憶する「ふんじゃー、ふんじゃー」は一体なんだったんだ。
その後歌詞は「悪い猫め、爪を切れ」と続く。いや、待て!
悪いのは踏んだ方だろう。びっくりしてひっかいたんだろう。なぜ猫が悪いのだ。
やはり猫が不憫である。
さらに2番では、猫はお空へ飛んでしまい「ねこグッバイバイ、ねこグッバイバイ」と陽気に歌われ、明日の朝降りてこいと言われるのだ。
なんという歌詞であろう。ただただ語呂がいいからという理由で「ねこふんじゃった」というタイトルを付けられ、挙句の果てにグッバイバイである。
猫になんの恨みがあるのであろう。今では絶対にアウトだと思う。
子どもの頃はよくわからなかったが、よく聞いてみると意外とぶっ飛んでる歌詞なのにビックリである。これを作詞したのは詩人・小説家として活躍した阪田寛夫であり、童謡の「サッちゃん」の歌詞も書いている人物だ。
しかし、よく知られているこの歌詞より前に、違うバージョンの歌詞の「ねこふんじゃった」が存在したのである! それがコチラだ。
コチラの歌詞は、猫の日常のイタズラを描いており、ほっこりするものである。この歌詞を書いたのは、作詞家の丘灯至夫(おかとしお)。この人物は、舟木一夫の「高校三年生」や「ハクション大魔王のうた」・「みなしごハッチ」のテーマ曲を手がけた作詞家である。
最初に紹介した「みんなのうた」版が初めて放送されたのが1966年であり、丘灯至夫が作ったものは1954年に発表されたらしい。
有名な歌詞よりも前に違う歌詞の「ねこふんじゃった」があったとは…。どちらの「ねこふんじゃった」がいいか、ぜひ聴き比べてほしい。
雑学まとめ
今回は「ねこふんじゃった」についての雑学をご紹介した。歌詞までしっかり覚えていた方はいただろうか?
日本では誰でも知ってる「ねこふんじゃった」が、ワールドワイドでお馴染みの曲だったのは意外だった! しかも、国によって全然違うタイトルだったとは…。
やはり、あの軽快なメロディは、世界中に人々の心に強く残る曲だとわかる雑学だったのではないだろうか?
最近ピアノなんて弾いてないなと思った方は、ぜひこの難解で猫が不憫な楽曲を自慢げに弾いてみてほしい。