みなさんは「トサカ」という言葉から何を連想するだろうか? 真っ先にというわけではないが、オスのニワトリの頭にそびえたつ雄々しく真っ赤なアレを思い浮かべるのではないだろうか。
このトサカは真っ赤だという色のイメージがともなうが、そもそもなぜ赤い色をしているのか。さらにトサカについての雑学もご紹介しよう!
【動物雑学】ニワトリのトサカはなぜあんなに赤い?
【雑学解説】ニワトリのトサカは健康のバロメーター
先に記述しておくが、トサカはオス・メス関係なく付いているのだ、そして基本的にオスのほうがトサカは大きい。
なお、ニワトリのトサカは漢字で書くと「鶏冠」だ(もうすでに王冠の「冠」というたいそうな文字がついているのがわかる)。正式には肉瘤(にくりゅう)という名称なのだが、この肉瘤の表面上には毛細血管が大量に詰まっている。
そして、血管内で血液のめぐっている様子が透けて見えることから、トサカが赤く見えるのである! これほどまでトサカが赤く見えるのは、毛細血管の本数がとてつもなく多く、密度がヤバいぐらいにぎっしりしているからにほかならない。
たとえば、このトサカの色合いが白っぽかったり、はたまたどす黒かったりすれば、そのニワトリはなにかしら病気が疑われる。
つまり、ニワトリのトサカは個体の健康状態を表す大切な役目をもっているのである。
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【追加雑学①】トサカが付いている意味とは?
一節では、オスのトサカはメスを引き付けるためのシンボルであるとされている。ようするにトサカがナンパアイテムとして活躍する一面があるのだ。
ことニワトリ界のメスにおいて、オスのトサカが大きく立派であれば魅力的に見え、健康的で強いオスというイメージをもつのだとか。これはニワトリのメスが、オスにたいして魅力を感じる際の一つの基準ということだ。
こうしたオスには「なんてステキな方…」といった感じでメスが集まってきやすいのだという。さらに、生殖能力が活発なオスほど大きいトサカとなる事実がべつに存在する。つまり、大きく立派なトサカをもつオスほど「モテてエロい」ということになるだろう。
ちょっと下品な話で申しわけないが、人間の男性にもシンボルとして付いているアレだが、こちらのシンボルは巨大であればいいというものでもない。
しかもこちらはナンパアイテムとして公衆の面前でさらそうものなら、ほぼ100%ポリスに捕まるので絶対に止めよう(変質者以外は誰もやらないと思うが)。あくまで自然界でのみの話だ。
…話が脱線しているので、もとに戻そう。なお、トサカはニワトリの種類によっても形がさまざまで、この特徴によってニワトリが同じ種類の仲間を見分けることが出来るのだという。
そして同じ種類のニワトリのオス・メスが相互間での異性のちがいを、今度はトサカの大小で見分けるのだ。メスはそこからさらに、トサカの大きく立派なオスを選別するということになる。
こうした外見的な要素がからむのは、人間でもイケメンが女性にモテることと共通なのかもしれない。
そしてトサカにはもう一つの重要な役割がある。それはニワトリ自身の体温調節も兼ねているということ。
犬が舌を出して熱を逃がしているのと同じようなことで、ニワトリはトサカを使って放熱しているのだ(これはオス・メス共通のことである)。車でいうところのラジエーター(冷却装置)のようなものだろう。
ニワトリにとってのトサカは、オスがメスを引き付けるためだけではなく、こうして命を支える大切なものでもあるというわけなのだ。
【追加雑学②】トサカの利用法は?
ここからは少し人間目線でのトリビアになるが、トサカは食べ物として用いられることもあるのだ。
希少部位でもあり、食用としてあまり見かけないかもしれないが、一部の焼き鳥屋さんなどで提供しているところもあるらしい。ほかにもトサカには、化粧品・健康食品などに含まれる成分「ヒアルロン酸」が含まれている。
このヒアルロン酸には、関節の軟骨がすり減らないようにするための「潤滑油」の役割があるとされるほか、高い保水性から皮膚に対しても良い効果があるのだそう。
またトサカ中には「コラーゲン」もたっぷり含まれているようで、この成分にも美容効果が期待できるとされている。
こうした成分が抽出されて、化粧品や食品へと利用されているということだ。しかし鶏肉や羽毛といい、人間はつくづくニワトリのお世話になっていることがわかる。
ひょっとするとだが、上記の美容・健康成分を抽出するだけのために、ニワトリが犠牲になっている可能性もある。
だからというわけではないが、少なくとも鶏肉(ほかの動物のお肉や魚でも)を食べる際などには「命をもらっている」という感謝の気持ちを心掛けるようにしたい。
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雑学まとめ
ニワトリのトサカについての雑学、いかがだっただろうか。
トサカの色によって健康状態をも判断出来てしまう。この部位が、ニワトリのすこぶるわかりやすいところについていて、飼育している人にとってはかえって助かるのだろう。
ところでだ、トサカがメスを射止めるためのシンボルになるとしたが、記事の理屈上これはデカければデカい程やはりいいのだろうか。
超巨大で立派なトサカのオスニワトリが居たとしたならば、これはニワトリ界にとってえらいことになる。そのオスをめぐってメス同士の大戦争が勃発したら、それはそれで面白いかもしれない。
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