これまでオリンピックで5個のメダルを獲得し、日本のお家芸ともいえる競技、野球。
1984年のロサンゼルスオリンピックでの金メダルや1988年のソウルオリンピックでの銅メダルなど、本当に輝かしい記録を残している。特にソウルオリンピックでは後にプロになる選手も数多くおり、記憶にも残っている人も多いだろう。
しかし、近年のオリンピックは野球界にとっても、野球ファンにとっても、あまりいいものだったとはいえない。
シドニーオリンピックから北京オリンピックまで、金メダル獲得のためにプロをメンバーに入れて臨んだにもかかわらず、金メダルを獲得できなかったのだ。
そしてオールプロでの金メダル獲得が叶わないまま、野球はオリンピックから姿を消してしまう…。ではなぜ野球がオリンピック種目から除外されたのか…。
今回はそんな野球とオリンピックに関する雑学を紹介していこう!
【オリンピック雑学】五輪から野球が消えた理由とは?
【雑学解説】野球がオリンピックから消えた原因は「対策不足」
オリンピックは「世界で一番楽しまれている」といっても過言ではないスポーツイベントである。たくさんのスポーツを見ることができ、子どもたちにも色々な可能性や夢を与えることができるだろう。
当時IOC加盟国202ヵ国の中で野球連盟が存在していたのは110ヵ国。十分に普及しているとはいえなかった。
そのためIOC(国際オリンピック委員会)もIBAFに対して、ずっと前から「ちゃんと普及活動をしろ」「普及していない地域の人たちも楽しめるようなプログラムを考えろ」といっていたのだが、何度いってもIBAFが普及の努力をせず、そのようなプログラムも考えなかった。
つまり、オリンピックから野球が消えてしまったのは、ついにIOCの堪忍袋の緒が切れてしまったからというわけだ。
もちろん、それだけが原因ではない。
ドーピング率の高さとか、MLBの選手が出場しないとか、マイナースポーツなのでテレビ局が放映権を買ってくれないとか、そもそも観戦チケットが半分以上売れ残るとか…ほかの様々な要因もある。
しかし、結局は全てIBAFの体制の問題ともいえるわけで…。
オリンピックをみんなで盛り上げよう! とやっているのにIBAFだけが盛り上げる努力をしていないのだから…除外されてしまっても仕方がない気がする…。
それでも日本人としてはメダルが期待できる種目であることは間違いないので、何とかIBAFに頑張ってもらって正式種目に返り咲いてもらいたい!
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【追加雑学①】なぜ野球がロンドンオリンピックで初めて除外になったのか
正直なところ、除外になるのは時間の問題だったといえるが、なぜ「ロンドンオリンピック」だったのか。
これには2001年にIOC会長に就任したロゲ氏の「肥大化したオリンピックのスリム化」という考えが根本にある。ようするに、競技の数を減らして、コストを抑えたいということ。
その点で、ロンドンいう開催地はロゲ氏にとって都合が良かった!
何を隠そう、ロンドンには野球を行うところがない。オリンピックで野球を行おうとすると、新たにスタジアムや球場を建設しなければならなくなる。土地の買収や建設費…莫大な費用がかかる…。
にもかかわらず普及もしない、有名人は出ない、人気がないのでチケットも放映権も売れない野球である。
建設する費用を賄えるかすらわからないのだから、スリム化を謳ってIOC会長に選ばれたロゲ氏にとって野球を行う理由が見当たらないのだ!
クリケット場でやることはできなかったのか…と野球ファンとしては思うところである…。
【追加雑学②】野球の競技人口はどのくらいか
「いやいや! 野球はかなり人気があるし、メジャースポーツでしょ!」とか「カープ女子などの新しい言葉が生まれるくらい、日本では人気じゃないか!?」と思ったそこのあなた!
野球は、世界的にみたらマイナーなスポーツなのだ!
野球は4大陸124ヵ国で楽しまれており、世界の野球の競技人口はおよそ3500万人といわれている。
数だけみれば多くみえるが、日本だけで約800万人、そしてアメリカには約1400万人がいるとされているので、この2ヵ国だけで全体の3分の2近くを占めるのだ。
これで「4大陸の124ヵ国で楽しまれています!」といわれても、「ほとんど日本とアメリカじゃないか!」となるわけである。
しかも東アジア諸国でも野球は盛んだ。
残りの野球人口からみて、ヨーロッパやアフリカの割合は少ない。ましてプレイヤーどころか、野球なんてほとんど知らない可能性すらあるのだ…。おそらく…大谷選手とかイチロー選手でも知名度はほとんどない…。
ヨーロッパはクリケットが盛んに行われている…。似たような種目はいらないのかもしれない。
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雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。野球がオリンピックから消えた理由はトップ組織の怠慢だったとは…。
当時のテレビなどでは、ドーピングが多いことやメジャー選手が出ないことが主な理由として報道されていたが、IOCのレポートを見る限りでは、主な原因は普及への努力不足。
だからこそ、その点が解決できれば、再び世界中の人々に夢や感動を与えられる競技になるだろう!
私もそのときまでに自分自身を整えていって、ステキなカープ女子と一緒に観戦するぞ! きっと野球がオリンピックに復活するまでには…できないか…できないな…。