オムライスといえば、チキンライスを卵で包んだ料理である。洋食の定番メニューであろう。
ちなみに、筆者の母親が作るオムライスはふんわり卵とデミグラスソースであったが、個人的には薄焼き卵とケチャップが好みである。恋人にオムライスを作った時には、毎回ケチャップで愛のメッセージを書くなんていうこともしていたな…あーあ…(遠い目)
さて、そんなオムライスの元祖、いったいどこにあるのかご存知であろうか? それは銀座にある「煉瓦亭」というレストランである。しかし、ここのオムライスは、我々のイメージするオムライスとは一味も二味も違うのだ。
今回はそんな、元祖オムライスについての雑学をご紹介していこう!
【食べ物雑学】オムライスの元祖は銀座の「煉瓦亭」
【雑学解説】煉瓦亭のオムライスは普通のオムライスとは違う
東京銀座に店を構える「煉瓦亭」は、創業1895年という老舗中の老舗洋食レストランだ。ここは、オムライスだけでなく、トンカツ・ハヤシライス・エビフライ・カキフライなど様々な洋食を生み出した店としても有名である。
煉瓦亭のオムライスは、1900年に誕生した。当初はまかないメニューだったのだが、客たちからの要望により、1901年から店のメニューとして提供されるようになったのだそうだ。
しかし、そんな長い歴史をもつ煉瓦亭のオムライスは、我々の想像するようなオムライスではない。いったい何が通常のオムライスと異なっているのかというと、まずはもうその見た目から明らかに違う。
本来はライスの表面を覆っているはずの卵が、ライスの中に混ぜ込まれて調理されているのだ。食べてみると、オムライスの概念が吹き飛ばされること間違いなしである。
「煉瓦亭のオムライス、食べみたいけど、銀座まではなかなか行けない」…という方も少なくはないであろう。煉瓦亭のオムライスのレシピはネットでもあげられているので、そんな方は自宅でチャレンジしてほしい。
簡単に説明すると、具材はひき肉・玉ねぎ・マッシュルーム。味付けは醤油・砂糖・塩コショウというシンプルなライス。それを一人前当たり2個の溶き卵でオムレツ型にまとめあげる…というのが煉瓦亭流オムライスである。
ちなみに、こちらが実際のオムライスが見られる動画だ。新鮮なイメージを抱く方もいらっしゃるのでは?
煉瓦亭のオムライスを食べた感想
以前、関西に住んでいた筆者は、息抜きと称しては仲の良い友人と東京旅行にひんぱんに出かけていた。よく立ち寄っていたエリアは銀座と秋葉原である。
ある時、その友人が「オムライスの元祖が銀座にあるらしい。気になる。」と言い出した。洋食は女子どもが食べるもの、大人は黙って和食かエスニック派の筆者だったが、その時は彼の提案に乗ることにした。
煉瓦亭の昔ながらの食堂っぽい店内に懐かしい気分を覚えつつ、2人でオムライスを注文。メディアでは大絶賛のオムライス…さて、お味は…。
正直に言おう。すまん、ちょっとがっかりした。「節子…これオムライスやない…ってか値段高!!」というのが筆者の感想である。なんというか…オムライスというよりも、ご飯がパラパラしていない洋風チャーハンというか…。
誤解しないでほしい。煉瓦亭のオムライスはたしかに美味しかった。絶妙な加減のとろとろ卵と上品な味付けのライスは相性抜群である。
しかし、そのお値段1500円也。この値段ならば、付け合せのスープとサラダが欲しいというのが本音である。この1品だけなら…個人的には700円が上限価格。
煉瓦亭のオムライスを食べながら、筆者は友人と「銀座…恐ろしいところ!!」と震えたものである。ちなみに、それ以来筆者と友人の間では「煉瓦亭」は禁句となった。
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【追加雑学】実は関西にもあるオムライスの元祖
煉瓦亭のオムライスを食べた後、筆者の脳内では「オムライスとはなんだ?」という疑問がむくむくと頭をもたげ始めた。
我々の知っているオムライスと、オムライスの元祖の原材料は似ている。しかし、その実態は似て非なるものだった…一時期は「オムライス」まで禁句になるくらい悩んだ。
あまりにもオムライスについて悩んでいた筆者に、件(くだん)の友人は、「大阪にもオムライスの元祖があるらしいで」と教えてくれた。
大阪心斎橋の「北極星」のオムライス
もうひとつのオムライスの元祖…それは、大阪心斎橋にある「北極星」というレストランである。こちらのオムライスは、おなじみの薄焼き卵でケチャップライスを包んだタイプのものだ。
このオムライスが誕生したのは、1925年のこと。ある胃が弱い常連客は、いつもそのレストランで白ごはんとオムレツを注文していたのだそうだ。おそらく、すぐに胃の調子を悪くしてしまうため、食べられるものが限られていたのであろう。
いつも同じメニューを頼むその客に同情した店の主人は、ある日ケチャップライスを薄焼き卵で包んだ料理をその客に提供した。これが、北極星のオムライス誕生秘話である。
北極星でオムライスが生まれたのは煉瓦亭より後ではあるが、オムライスの形状とその由来、そして筆者は関西出身であることから、個人的には北極星をオムライスの元祖としたい。
ただ、まだこちらのレストランには行ったことがないので、機会があればぜひ訪れてみたいと思う。
こちらは北極星のオムライスが見られる動画だ。馴染みのある見た目で食欲をそそられる。
オムライスの元祖|雑学まとめ
オムライスにまつわる雑学を紹介してきたが、いかがだっただろうか。オムライスの元祖は、東京銀座にある老舗洋食レストラン・煉瓦亭である。
しかし、ここで提供されるオムライスは、卵がライスの中に混ぜ込まれているという一風変わったオムライス。したがって、「オムライスは卵に包まれているもの!!」というイメージを強くもっている方には、正直あまりおすすめはしない。
ただし、勘違いのないようにいっておくが、煉瓦亭のオムライスはまずいという訳ではない。店の看板メニューなだけあって、美味である。ただし、銀座価格だということを念頭に置いて食してほしい。
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