授業中や会議中など、周りが静かなときに限って、お腹が「グー」っと鳴ってしまって恥ずかしい思いをした経験は誰もがあるだろう。なんの前触れもなく不本意に音を発する自分のお腹に、勘弁してくれといいたくなる。
自分では制御できないお腹の音はいったい何によるものなのだろうか。よくお腹の虫が鳴くというが、本当に胃の中に虫がいて「食べ物をくれ~」とでも叫んでいるというのか。良識のある大人であれば、そうでないことはわかる。
今回は、できるなら止めたいお腹の音にまつわるトリビアについてご紹介するぞ。
【人体雑学】お腹が「グー」っと鳴るのは何の音?
【雑学解説】お腹が鳴る音の正体は胃の中の空気
お腹が「グー」っと鳴る音の正体は、胃が動いて中の空気や水分や食べ物のかすなどがかき混ぜられている音である。何かを食べると、胃の中で細かくされて消化されていく。その際にも胃が動いて食べ物を腸に運び込む。
この胃腸の動きを「蠕動(ぜんどう)運動」という。胃の中の食べ物は、だいたい3~4時間ほどかけてゆっくりと消化され、腸に運び出される。そして胃から腸に食べ物が移動するときに、ガスが発生して胃にたまる。
胃の中のものがなくなってくると、今度は胃の収縮が始まる。これは残っている食べ物のかすを絞り出して、胃の中を空っぽにするためだ。次の食事のために胃を掃除して準備しているのである。
この動きを「空腹時収縮」という。このときに、胃の中の空気や水分、食べ物のかすなどがかき回されて、「グー」っという音が鳴るわけである。そのときの胃の内容によって音も変わるようだ。
よってお腹の音は、ごく自然な体の働きによる音で、健康である証なのである。逆にお腹が鳴らないと、胃腸の動きが悪く消化不良になっている可能性がある。お腹の音が元気に鳴っていることは、胃腸のバロメーターなのだ。
これからは、静けさの中に「グ~」「ギュルルル」とお腹の音が鳴り響いても、「今日も胃腸が快調!」と開き直ることにしよう。
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【追加雑学①】お腹が鳴らないようにする方法
そうはいっても、接客の仕事や大事な商談中にお腹の音が鳴りやまなくて恥ずかしくて死にそう、というときもあろう。そんなときに、少しでもお腹の音を抑える方法についてご紹介しよう。
ひとつは背筋をピンと伸ばすこと。恥ずかしくて背中を丸めると、よけいに鳴ってしまうようだ。
またチョコレートや飴など、甘いものを少しでも食べると、血糖値が上がって空腹時収縮が和らぎお腹の音も抑えられるようだ。
さらに、お腹がなりそうなときに押さえるといいツボがある。親指と人差し指のあいだの「合谷(ごうこく)」というツボだ。お腹が空いてきたら、ここを強めに押して、お腹が鳴るのを未然に防ごう。
【追加雑学②】腸の音はガスが原因?!
ある人にはお腹が空いたときの「グー」という音の他にも、悩ましい音があるという。それは食事したしばらく後に、お腹の下のあたりでおならのような音がしてしまうことがあるのだ。
これは「グー」の音よりも深刻ではないか。デートのときにこんな音を恋人に聞かれたら…。全力でおならを否定するのもいいが、何の音かを理解しておけば相手にも説明できるぞ。
おならのような音の原因は、消化時に腸内で発生するガスが動く音だ。根菜類やニンニク、辛いものなどの刺激物は、ガスを発生させやすいので、デートでは食べないのがいいだろう。
実際にはそのガスがお尻から出たらおならなのだが、まだ体内にあるのでおならではないことを説得しよう。理解のある恋人ならわかってくれるはずだ。
雑学まとめ
今回は誰にでも日常にある、お腹の音の正体についての雑学をご紹介した。お腹の音は、胃腸が活発に働いている証拠であることがわかったので、できるだけ気にしないようにしよう。
誰かのお腹が鳴ったら「今日も元気でいいね」と言ってあげるのもいいだろう。お腹が空いて、美味しく食べられることは幸せなことなのである。
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