ぼてっとした体に目のまわりを覆う黒い模様、ゆったりとした動作で笹をむしゃむしゃ食べる姿は可愛いの一言に尽きる。そんな愛らしいパンダは、日本中で大人気である。
子供が生まれてはメディアを騒がせ、名前の募集が始まり、決定すればさらにニュースで報道されるなど、みんなパンダに夢中である。
しかし、なぜこんなにもパンダの子供のニュースが取り上げられるのか。そこには、双子として生まれた子パンダの生死を分かつ、パンダの習性が関係しているのだ。
今回の雑学記事では、パンダの習性や子育て、飼育員の奮闘も合わせて紹介していこう!
【動物雑学】パンダは双子を産む確率が高いが1頭しか育てない
【雑学解説】パンダが双子の片割れを育児放棄する理由
生まれてきた双子の生死を分かつのは、その体の大きさにあるようだ。小さい方は乳を与えられることもなく、自然界では死んでいく。もともと、母パンダ自体も2頭を育てるだけの乳が出ないのだそうだ。
小さく生まれた子パンダは、そのまま放置されたり、ときには母パンダの下敷きになって死んでしまうという。わざと下敷きにしたのではないにしろ、母パンダがどれほど1頭にしか興味を示さないのかよくわかる行動である。
自然界で生きていくには、やはり体の大きい元気な子を育てるという本能が働くのだろう。それに加え、1頭分の乳しか出ないという構造からも、体の小さい子パンダは悲しい運命を辿ることになるようだ。
では、自然界ではなく動物園で飼育されているパンダはどうだろうか。せっかく生まれた子供をみすみす死なすわけにはいかない。そこで人が考えた解決策をご紹介しよう!
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【追加雑学】1頭しか育てないパンダに2頭育てさせるには?
簡潔にいうと、「すり替え作戦」である。双子を生んだあと、母パンダが自分で育てる方を選ぶ。自然界では死んでいく運命にある選ばれなかった子パンダは、とりあえず人の手によって保護されるのである。
飼育員の手によってミルクを与えられ、ときには母パンダが選んだもう1頭とすり替え、栄養のある母パンダの乳を飲ませることによってすくすく成長していくのだ。
こうして平等に育てられ、同じように育った双子は、母パンダのもとに戻される。初めて2頭が同時にお腹の上に乗っかると、母パンダはキョトンとするという。
しかし、その後は特に問題もなく2頭の育児を始めるそうで、ある程度育っていれば母パンダに任せても大丈夫なようだ。
元気に育った子パンダはこんなにも可愛い!
まるでぬいぐるみが動き回っているかのような可愛すぎる動画はこちら!
走ったり、木から落ちたり、転がったり。こんなに可愛いパンダが見られるのは、飼育員さんたちの努力と愛情の結果だろう。
子パンダを追いかけて激突する母パンダからも、子パンダへの愛情がうかがえる。少しスパルタ教育ではあるが、きっと立派に育て上げてくれることだろう。
雑学まとめ
今回はパンダの子育てにまつわる雑学をご紹介した。すり替え作戦が実行に移されるまでに死んでしまった子パンダも、残念ながら多いことだろう。自然界では今も、双子で生まれたパンダの片方は死んでしまうのだ。
自然界にまで手を出すことは難しいが、せめて動物園で生まれるパンダだけでも立派に成長してもらえたら嬉しい。
飼育員さんたちの努力と、それを見守ってくれる人たちのおかげで、日本では子パンダがすくすく育ち、ニュースとなって幸せを運んでくれている。
これからもたくさんの子パンダが生まれ、すり替えにより成長していくことだろう。子パンダ誕生のニュースが流れたときは、元気に育ってくれることを願うばかりである。
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