二本の足で、ヨチヨチ歩く姿がかわいいペンギン。その姿を見ていると、体の両脇についている翼は、まるで人間の両腕のように見える。
ときどき翼を広げるようなかっこうをするが、ペンギンは飛ばない…。飛ばないが、鳥の仲間である。ペンギンは鳥なのに、なぜ飛ばないの? 誰もが一度は疑問に思ったことがあるのではないだろうか。
というわけで今回の雑学では、「飛ばない鳥」ペンギンについて調べてみたぞ!
【動物雑学】ペンギンはかつて空を飛んでいた
【雑学解説】ペンギンは、空を飛んでいた鳥類から進化した
ペンギンは、鳥類に分類される。空を飛ばないが、たしかに見た目は鳥類だ。まずは鳥類とは、どういった特徴で分類されるのか調べてみた。
鳥類とは…
- くちばしがある
- 卵を産む
- 羽毛に覆われている
- 恒温動物(体温が気温・水温に左右されない)
- 二足歩行をする
- 翼があり、飛ぶための体の作りをもっている
といった基準で決められている。たしかにペンギンに当てはまっているのだが、最後の「飛ぶための体の作り」とは、どういう意味なのだろうか。
竜骨突起(りゅうこつとっき)
飛ぶための体の作りとは、竜骨突起(りゅうこつとっき)という骨のこと。
空を飛ぶ鳥は、翼を使って羽ばたくために大胸筋が発達している。竜骨突起という骨は、この大胸筋を支えるために必要なのだという。これは、空を飛ぶ鳥類にしかない骨で、ペンギンにもこの竜骨突起があるのだ!
このことから、ペンギンが空を飛んでいた鳥類から進化したと考えられているのである。
【追加雑学①】なぜペンギンは飛ばないの?
先祖は空を飛んでいたとされるペンギンが、なぜ飛ばなくなったのか…。
1億2000万年前、ペンギンの先祖が暮らしていたころは、敵も少なく食べ物も豊富だった。そのため空を飛んで逃げたり、食べ物を探しに飛び回ったりする必要があまりなかったのだという。
どこかに移動するときは空を飛び、普段は水中に潜って魚をとるだけで平和に暮らしてこれたのだ。そして、進化していくうちに、飛ばなくなった…。
というより、「飛ばないことを選んだ」のではないか? といわれている。
ペンギンといえば、南極に住んでいるイメージが強いが、この南極で進化し生きてきたのにも理由がある。南極は海に囲まれており、海にもぐれば魚も豊富にあり、食べることには困らない。
そして極寒の地なので、ペンギンを狙う敵もいないのだ。このような環境の南極で、ペンギンは空を飛ぶことをやめ、敵のいない南極で生息するようになったのである。
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【追加雑学②】ペンギンが海の中を「飛ぶ」!
空を飛ぶことをやめたペンギン。
しかし、その鳥類特有の体を使って、海の中を飛んでいるかのように泳ぐ。翼をはばたかせて水中を「飛ぶ」スピードは、時速12km。人間のクロールが時速6kmだと言われているので、ペンギンは人間の倍の速さで水中を飛ぶのだ。
なかには、時速30kmものスピードを出すペンギンもいるらしく、ヨチヨチ歩きのあの可愛らしい見た目とは想像もつかないほど、海の中を高速で泳ぎ回っているのである。
空を飛ぶペンギン!?その動画がこちら!
大空を優雅に飛ぶペンギンの映像である…。いや、実は水の中を飛んでいるのだが、水槽の中に風景をつけ加えると、まるで空を飛んでいるかのように見える映像だ。
陸の上でヨチヨチ歩くかわいさとは違う、まるで別の生き物のように見える。ペンギンの祖先は、こうやって空を飛んでいたのかな…と思いながら見ていると、もう一つのペンギンの姿を見ているようでおもしろい。
なにかの映画にでも出てきそうな光景だ。
雑学まとめ
今回の雑学では「飛ばない鳥」ペンギンについて紹介した。ペンギンの先祖は、たしかに空を飛んでいたようだ。
ちなみにペンギンは、鳥の中では骨密度が大きく重い。空を飛ぶ鳥のように体が軽いと、海の中に潜っても浮いてしまうため、ぎっしり詰まった骨に進化していったのだという。
どっしりとした骨格に進化することで、より潜りやすくなり、飛ぶ必要のない生活が定着していったのである。
ペンギンは飛べないのではなく、飛ばないことをみずから選び、そしてその体の特徴を生かして、今度は海の中を飛んでいるのだ…。ペンギンの進化の仕方・生き方に、カッコ良さを感じてしまった。
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