約2,000億個…このとてつもなく大きな数字が何を表しているかわかるだろうか…。
実はこれ、私たちの住む地球が属している太陽系に存在するといわれている星の数である。まさに天文学的な数字…。
星のような大きさのものが2,000億も存在しているなんて、どれだけ大きい空間なのか…。しかも太陽系は宇宙の中では田舎の方なんだから、宇宙全体を考えたら…途方もない。
その2,000億の中で、たった十数個しか存在しないものがある。それは惑星だ。
惑星といえば、水・金・地・火・木・土・天・海・冥と教わった人も多いのではないだろうか。これは太陽から近い順番に惑星を並べたものなのだが、この並びの一番最後、冥王星に衝撃の事実があったことをご存じだろうか!?
ということで今回は、冥王星に関する雑学を紹介していこう!
【宇宙雑学】「冥王星」は惑星ではなくなった
【雑学解説】「冥王星」が惑星ではなくなった理由とは?
まずは冥王星の紹介をしよう。冥王星は1930年にアメリカの天文学者によって発見された、窒素とメタンを主成分とした天体である。当初はきちんと9番目の惑星だったのだ。
惑星の中にもリストラが存在するのか…。なんて世知辛い世の中なんだ…。
働きぐあいなんて、どの惑星も太陽を周回しているのは同じで、むしろ冥王星は一番遠いのだから、一番働いているじゃないか!
もちろん、働きに不満があって除外されたわけではない。惑星にはそう呼ばれるための条件が複数存在しているのだ。それをまとめたものを紹介していこう。
惑星となる条件
- 太陽の周りをまわっていること。
- 十分な質量があり、重力が強く、結果として丸い形状を有していること。
- その軌道周辺で群をぬいて大きく、他に同じような大きさの天体が存在しないこと。
これが2006年の国際天文学連合総会で決められた、惑星の定義である。冥王星はこの条件にあてはまらなくなったわけだ。
もちろん、冥王星が今までの軌道を急に変えて、あらぬ方向に向かっていったわけでも、重力が弱くなって、いびつな形になってしまったというわけでない。
2003年に冥王星の近くに、「エリス」という冥王星よりも大きな星が発見されてしまったのだ。
そう、冥王星は軌道周辺で群をぬいて大きいわけではなくなってしまったのである。3番目の条件を満たすことができなくなった冥王星は、こうして惑星ではなくなったのである。なんとなく…冥王星を惑星から除外するための定義な気もしなくはない…。
なお、このエリスは冥王星を惑星の座から引きずり下ろした張本人とされており、そのエリスを発見した天文学者である、マイケル・ブラウンさんは「冥王星キラー」と呼ばれることもあるそうだぞ! 星殺しの異名とは…めちゃくちゃカッコいい…。
といっても、冥王星の周りにはエリス以外にも、様々な同程度の大きさの天体が見つかっている。エリスだけ目の敵にされるなんて…。それも気の毒すぎる…。
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【追加雑学①】では冥王星はどうなったのか
惑星ではなくなった冥王星はどうなったのだろうか。それは…準惑星という扱いになったのだ。そう、リストラではなく、降格なのだ!
だから冥王星は以前と変わらない仕事内容で、太陽の周りをまわっているぞ!
【追加雑学②】準惑星って何!?
準惑星とは、先ほど出てきた定義の中で、3番目の定義のみが当てはまらない天体のことをいうのだ。簡単にいえば、近くに同じ大きさかそれ以上の天体が存在していたらアウト。
ちなみに太陽系には冥王星・エリス・ケレス・マケマケ・ハウメアの計5個の準惑星が存在する。ケレスは火星と木星の間に、それ以外の4つの準惑星は冥王星の近くにある。だからケレス以外の4つの準惑星は「冥王星型天体」というグループに区分される。
【追加雑学③】「冥王星」はオーストラリアよりも小さい
天体というと非常に大きいイメージだが、冥王星はかなり小さい。地球の衛星・月の3分の2くらいの大きさしかないのだ。
むりやりではあるが、冥王星をオーストラリアと重ねてみると、なんとオーストラリアの方が大きいのだ。だから、頑張ればオーストラリアで冥王星を包むことができるかもしれない。
雑学まとめ
今回は冥王星についての雑学を紹介してきた。冥王星が惑星からはずされていたとは…。だから今は水・金・地・火・木・土・天・海と学校で習うのか。なんとなく歯切れが悪い気がする…。
でも冥王星が太陽系の一員であることには変わらない。惑星がなんだ! 準惑星だって惑星と同じことをしているんだ! 立派だぞ!
むしろ何も悪いことをしていないのに降格なんて、地球の天文学者のパワハラだ! 冥王星! 訴えたら勝てるかもしれないぞ!
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