ポカリスエットは大塚製薬から販売されている清涼飲料水。スポーツ後に飲むポカリの味はホントに格別で、思わず「生き返った~」と口に出る。あの味を嫌いな人はいないといってもいいだろう。
さて、スポーツだけでなく風邪をひいて食欲がないときなども「ポカリを飲め」と親から勧められた経験はないだろうか? 実は、ポカリは飲む点滴といわれている。なぜ、こんな二つ名がついているのか?
【食べ物雑学】ポカリスエットはどうやって生まれた?
【雑学解説】ポカリスエットは医薬品の延長として開発された
大塚製薬は点滴の成分をもとにポカリスエットを開発しているので、ポカリの成分は点滴と似通っているのだ。ポカリには体内に含まれている7種類のイオンなど豊富な栄養素が含まれている。
点滴といえば体が弱っていて食事も取れないようなとき、食事の代わりに栄養を摂取するためにおこなわれるものだ。点滴は注射で血管にダイレクトで栄養を注入するので吸収が早い。栄養失調のときの素早い回復方法として適した方法だ。
ただ点滴は注射をしなくてはならず、点滴をしているあいだ、時間がかかる。点滴の飲み物があれば、こうした点滴のデメリットは解決できる。
さて、ポカリスエットの開発秘話を紹介しよう。
当時の大塚製薬の技術者たちは「画期的な飲み物を作りたい!」という野望をもっていた。そんな折、ある一人の人物が「点滴を飲み物にできないか」と提案したことで、ポカリの開発が決まったのだ。
この提案者は、新商品開発のため、メキシコに出張に行っていたのだが、現地の水事情がよろしくなく、体調を崩し、入院してしまった。そのとき医者から炭酸飲料を渡され「体内の水分と栄養が失われているから、まず水を飲んで、そのあと栄養を取るように」と指導をうけた。
「こんなとき、ゴクゴクめて、水分補給と栄養補給を同時にできるような飲み物があったらいいのに…」というのが提案にいたった経緯。
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【追加雑学①】苦戦したポカリスエットの販売
点滴はそのまま飲んだらとても飲めるようなものではない。ゴクゴク飲めるような美味しさを得るために2年以上の期間試行錯誤をかさね、ようやく販売にこぎつけたわけだが、それでも発売当時は酷評をうけた。
大塚製薬の営業マンが総出で販売店に営業をかけたが「こんな味で売れるか!」となかなか置いてもらえなかった。
なかには「こんなもの飲ませやがって」と激怒し、ポカリスエットを営業マンにかけてくるカミナリおやじのような販売店もあったとのこと。
そこで大塚製薬は、サンプリング無制限という大きな賭けにでた。
「飲んでもらい説明すれば、きっと良さが伝わる!」このアツい思いをそのまま、あらゆる場所でサンプリングを開始した。こうしたたゆまぬ努力もあり、現在のような支持を得るまでにいたったのだ。
【追加雑学②】ポカリスエットとアクエリアスとの違いは?
ポカリとよく比較されるのがアクエリアス。味も見た目も似ているが、両者の違いは何なのだろう。ひとことでいえば成分が違う。
異なる商品なのだから当たり前だが、具体的にはポカリは糖分やナトリウムが多く含まれ、アクエリアスはアミノ酸やクエン酸などが多く含まれている。
ポカリはアクエリアスよりも栄養価が高いので、風邪や体調不良のときにおすすめ。たいして、アクエリアスに含まれているアミノ酸などは疲労回復に適しているので、運動後はアクエリアスのほうが適している。
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ポカリスエットの雑学まとめ
ポカリスエットについての雑学をご紹介してきた。ポカリスエットは「飲む点滴」として開発された清涼飲料水で、成分が点滴と似通っているのである。
点滴をそのまま飲んだら不味すぎて体がうけつけないが、あんなに甘くておいしいものにまでもっていったのは、開発者の努力のおかげ。発売当初もなかなか受け入れられなかったが、営業の人たちもあきらめずに地道な努力を続け、今の確固たる地位を築いたのだ!