アニメ「ポケットモンスター」に出てくる悪役・ロケット団。その中で特に異彩を放つのが、猫の姿をしたポケモンのニャースだろう。他のポケモンたちが何らかの鳴き声しか発しないのに対して、彼だけは人の言葉を話すことができる。
どうしてニャースは人の言葉をしゃべることができるのだろうか? アニメ初期の時代に語られてはいるが、最近「ポケットモンスター」を見始めた人は知らないかもしれない。実は彼がしゃべれることには、ちょっぴり切ない理由がある。
今回は、そんなロケット団のニャースに関する雑学を紹介しよう。
【面白い雑学】ニャースがしゃべれるようになった理由が辛い…
【雑学解説】ニャースは人間に近づこうと努力した
ニャースがしゃべれる経緯が語られているのは、アニメ・「ポケットモンスター」の70話「ニャースのあいうえお」だ。
その昔ロケット団のニャースが、まだ野生のポケモンとして暮らしていたある日、彼は1匹のメスのニャース・マドンニャに一目惚れをする。
しかしマドンニャは、お金持ちのトレーナーに飼われるポケモンだった。必死にアピールをするも、ただの野生のポケモンに過ぎないニャースにこう言い放つ。
「あなたはご主人様のように私を輝かせてくれる? 満足させてくれる? 無理よね。ご主人様は人間、あなたは小汚いニャース」
「ニャースのあいうえお」より
それでもニャースは諦めきれず、「ならば人間になってやろう」と無謀な決意をするのだった。
そこからニャースは役者の養成学校の屋根裏に住み着き、人間を見ながら2本の足で歩く練習や、言葉をしゃべる練習をする。長い月日の努力を重ねた結果、もともと4足歩行だったのが2足歩行になり、言葉もしゃべれるようになったのだ。
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しゃべれるようになったニャースだが…
こうして人間のようになれたニャースは、花束を持ってマドンニャのもとへ向かい、もう1度告白をする。しかし、現実は非情だった…。
「あなたのどこが人間? よく見なさい。あなたは薄汚れた小判しかないニャース。第一、立って歩く人間の言葉を話すニャースなんて、気持ち悪いだけ」
「ニャースのあいうえお」より
マドンニャの言葉を真に受け、必死に努力をしてきたニャース。それまでの経緯を見てきた視聴者にとっても、これはショックな返答だった。
このようにこっぴどくフラれてしまったことで、ニャースはグレて「何が何でもマドンニャちゃんを手に入れる!」と悪の道・ロケット団に走ることとなったのだ。しかし、結局マドンニャを手に入れることはできなかったのだが…。
個人的には、ニャースはフラれてよかったと思っている。いくら魅力的でも高飛車で相手を見下すマドンニャと一緒になって、一途で努力家なニャースが幸せになれるとは思えない…。ただ尽くすだけの男で終わってしまいそうだ。
ちなみに、人間に近づくために努力をしすぎた結果、ニャースはポケモンとして進化もできないし、新しい技を覚えることもできなくなってしまった。人間のような振る舞いと引き換えに、ポケモンとしてのアイデンティティを失ってしまったというわけだ。
【追加雑学】ニャースの小判は取れる!
ニャースといえば額についている小判がトレードマークだが、これについても面白いトリビアがある。実はこの小判、取れるのだ。
ゲーム版にて、ニャースの覚える技の1つに「ねこにこばん」という技がある。その技は文字通り小判を敵に投げつけるというもので、その小判の出どころは、ニャースの額の小判だという…。
そして取れた小判は、私たちの髪の毛のようにまた生えてくるのだ! いったいどういう身体の構造をしているのだろう…。とりあえず、ニャース自身は痛くないようで安心した…。
小判が取れてまた生えてくるのなら、それを利用して儲けることも…?
いやいや、いくら生えてくるからといって、身体の一部には違いない。故意にむしり取るのは立派な虐待である。…このトリビアはそっと胸にしまっておくことにしよう。
ちなみにニャースは進化してペルシアンになると、額の小判がルビーになる。ということは、そのルビーも取れるのだろうか? あまり攻撃には役に立たなさそうだが…。
ニャースの雑学まとめ
ニャースが人間のようにしゃべれるのは、好きな子に振り向いてもらうための努力の結晶だったという雑学を紹介した。
結果的にこっぴどくフラれてしまうが、他のポケモンにはない、彼ならではのその特徴が人気の理由になっている。
私も当時ロケット団のニャースのファンで、この雑学を知ったとき、さらにニャースを好きになった記憶がある。これからも、コミカルな小悪党としてアニメで活躍してほしいものだ。