プロ野球の試合を観ていると、ホームランやファールボールはもちろん、それ以外でも頻繁にボールの交換が行われていることに気付く。
やっぱり新品じゃないと、いろいろプレーしにくい面が出てくるのだろうなー…などと思っていたが、なんとプロ野球では新品のボールが使用されることはないらしいぞ! まさか…使い古しでもマシなボールをより分けて使っているとか…?
そ…そんなにケチじゃないだろう! ではなぜ新品を使わないのか? 今回はそんなプロ野球のボールの雑学を紹介しよう。
【スポーツ雑学】プロ野球で新品のボールを使わない理由とは?
【雑学解説】新品の野球ボールには蝋が塗られている
触ったことがある人ならわかるように、新品のボールはツヤツヤでよく滑る手触りをしている。これはボールに蝋(ろう)が塗られているためで、見た目には綺麗だが、ピッチャーにとっては暴投の原因になりかねない。
そのためプロ野球で使用されるボールは、特殊な砂を使ってあらかじめツヤ消ししており、審判も適度に砂揉みされているかを確認しなければいけないと、公式に定められているのだ。
新品のボールをいきなり砂まみれにするなんて、なんだか気が引けるが…フェアに試合を行うためには大切なことである。
ちなみに特殊な砂というのは、「もみ砂」と呼ばれ、京都府京丹後にある琴引浜の白砂と、火山灰を含んだ黒土を混ぜ合わせたものだとか。使う砂の場所まで決まっているとは…砂ならなんでもいいわけじゃないのか。
琴引浜は国の天然記念物にも指定されており、キュッキュッと音の出る「鳴き砂」の砂浜としても知られている。本当に砂が笑っているみたいだ!
【追加雑学】プロ野球では1試合で約120球ものボール交換を行う
プロ野球ではなんと1試合の間に、人工芝なら100球、土グランドなら120~130球ものボール交換を平均して行うという。過去には延長線などが絡み、180球も交換されることもあったのだとか。
これは客席にボールが飛んでいった場合もそうだが、主にはボールの汚れや傷などを理由に交換されている。ちょっとした傷でも、投手の指先のコントロールには大きく影響するのだ。
ちなみに交換された使用済みボールは、ホームチームの練習用ボールとして使用される。使用済みボールも無駄にはなっていないようで安心した!
雑学まとめ
新品のツヤツヤボールは見るにも美しいが、プロ野球は真剣勝負の世界。見てくれよりも、手元で滑らないことのほうがよっぽど大切である。
ツヤ消しをする砂も専用のものでないといけないとは…投手たちがいかに指先の神経を研ぎ澄ませているかが伝わってくる。見応えあるプレーの陰には、こうしたいくつもの工夫が隠されているのだ!