家族で食べるおやつにちょうどいい3連プリン。1つずつ買うよりおとくな3連プリンは家計の救世主だ。冷蔵庫に入っている家庭も多いだろう。
この3連プリン、なぜ3つでひとつなのだろうか。奇数だとけんかになってしまうことも多そうなものである。
だが実は、3連プリンが3連なのにはちゃんとした理由があるのだ。
【食べ物雑学】3連プリンが3連な理由
【雑学解説】核家族が増えたから!
現在スーパーで見ることができるようなプリンが初めて市場に登場したのは1971年。森永の「カスタードプリン」が第一号だ。ひとつひとつバラ売りのものに加えて、3連プリンもかなり初期から存在していたようだ。
1971年といえば、高度経済成長の真っ最中。日本の人口は都市に集中するようになり、家族構成も変化していった時代だ。家族の形が多世代同居から核家族へとシフトしていき、「パパ・ママ・子ども2人」の4人が一般的な家族構成として捉えられるようになっていったのだ。
そして1970年代に生まれたプリンの売り方にも、この核家族の家族モデルが適用された。
プリンは3連ででいいのだ。おやつを食べるタイミングは、子どもが学校から帰ったタイミングである夕方や、夜ごはんのあと。ひょっとすると夜ごはんの時間にもいない可能性の高い人がいる。それは…パパだ。
そう、プリンを家庭で食べるとき、考えられていた消費者は「ママ+子どもたち」。お仕事中のパパは頭数に入れてもらっていなかったのである…。
そんなちょっと切ない3連プリン。「モーレツ社員」といわれていた当時のパパたちの多忙ぶりが伝わってくるようだ。
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【追加雑学①】ヨーグルトはなぜ4連?
プリンは3連で売られていることが多いが、ヨーグルトになったとたんに4連の商品が増える。
これは、プリンが「おやつ」であり「嗜好品」であるのに対し、ヨーグルトは「朝食」「健康食品」という面が強いからだ。
おやつであるプリンの市場で考えられていたシチュエーションは、「パパのお仕事中にママと子どもたちで食べるというもの」だったが、健康食品であるヨーグルトになるとまた変わってくる。
ヨーグルトは朝食で食べられることが多いため、パパも一緒に食べるだろうと考えられたのだ。忙しいパパでも朝は家にいるだろうということだ。
そのため、家族みんなが食べるヨーグルトは、4連でスーパーに並ぶようになったのである。
【追加雑学②】焼きそばが3食で一袋なのはぜ?
プリン・ヨーグルトと紹介してきたが、複数売りの謎はまだある。
焼きそばだ。なぜかほとんど3食セットで売られている焼きそば。またパパがあぶれてる…と思いきや、もちろんそれもあるのだが、それだけではない。
焼きそばが3食セットなのは調理のしやすさが大きいのだ。1食あたりの焼きそばはだいたい150グラムの麺量だ。これを一般的な家庭用のフライパンで調理をすると、3食分の量がいちばんちょうどよいらしいのだ。
焼きそばが3食セットなのは家庭での調理のしやすさを考えた結果なのである。いわれてみればたしかに、3食同時に作るとパンパンだが、溢れるほどではなく作りやすい。フライパンにぴったりサイズだ。
雑学まとめ
今回は複数セットの食品の謎に迫った。
3連プリンや4連ヨーグルト、はたまた3食入りの焼きそばまで…。みんなそれぞれ理由があってその分量になったのだ。
パパがたびたびいないことにされるのはちょっぴり切ないが、よく考えられたものである。企業努力とはすごいものだ。