天気予報の中でも、特に気なる降水確率。
「0%ならずっと晴れ!」「100%ならずっと土砂降り…」というイメージがあるが、この捉え方はちょっと間違っている。
極端なたとえをすれば、降水確率は0%でも雨が降ることがあるし、100%でも少しの雨で済むこともある。
え…それって、結局、天気予報はあてにならないということ? というのもやっぱり違う。なんだか難しい降水確率…どういう仕組みになっているんだ? というか、何を基準に決めているんだ?
今回はそんな降水確率の雑学を紹介していこう。
【自然雑学】降水確率の意味とは?【天気予報】
【雑学解説】降水確率の意味と定義を解説!
まず気象庁では、降水確率の定義を以下のように説明している。
- 予報地域内で予報時間内に、1mm以上の雨または雪が降る確率
- 30%の降水確率が100回発表されたとすると、そのうち30回は1mm以上の降水があるということ
予報時間の区分は「0~6時」「6~12時」「12~18時」「18~24時」の4つとなっており、それぞれの時間帯における降水確率が随時発表される。
上記の定義から、どのように降水確率が決まるかを紐解いていこう。
降水確率に時間の長さ・降雨量は関係ない
降水確率は「降るか降らないか」の確率なので、降っている時間の長さは関係ない。100%といわれると一日中土砂降りのイメージがあるが、30分で止んでも確実に降るなら、確率は100%である。
降雨量に関していうと「予報時間内に1mm以上」という基準はあるが、1mmであろうと、50mmであろうと確率が変わることはない。小雨でも土砂降りでも、確実に降れば同じ100%だ。
このように降水確率は降っている時間の長さや量には関係がなく、とにかく時間内に雨が降る確率はどれくらいかという話なのである。
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降水確率の1の位の確率は?
天気予報で発表される降水確率は10%刻みだが、実際は13%、15%というように、より細かい確率が観測されている。これに関して天気予報では、実際の確率の1の位を四捨五入した値が発表されるようになっているぞ。
つまり14%なら天気予報では10%と発表され、15%なら20%と発表されるわけだ。天気予報では10%も開きがあるのに、実際は1%の違いということもけっこうある。
割とおおざっぱなんだな…。まあ、天気予報で「降水確率は14%」とかいわれてもややこしいしね。
また0%と発表されていても、本来は0~4%のあいだということになるので、完全な0%ということは少ない。よって降水確率0%で雨が降っても「天気予報が外れた」とは言い切れないわけだ。
降水確率が発表されるようになった1980年代には、今はない「降水確率5%」という予報もあったというぞ。
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【追加雑学①】降水確率はどうやって決まる?
降水確率の定義は知っていても、どうやって算出されているかまで知っている人は少ないはずだ。
雲の状態や前線の動きから予想されるのか…? と思いきや、これには「過去の膨大なデータと照らし合わせる」という、より複雑な過程を経て算出されている。具体的には以下のような手順だ。
- 予報地域を細かくブロック分けし、ブロックごとの「温度・湿度・気圧・風力」などを測定
- 測定された気象条件を過去のデータと照らし合わせ、同じ条件下でどれぐらい雨が降ったかで確率を算出
という感じである。たとえば過去に同じ気象条件が100回あったとして、そのうち30回雨が降っていれば、降水確率は30%と算出される。
つまり降水確率が高ければ高いほど、同じ条件下では雨が降ることが多かった、低ければ逆に少なかったということだ。
もちろん月日を追うごとにデータはどんどん蓄積されていくので、天気予報は近年のものほど正確になってきているといえる。
いずれにしても統計からくる確率となると、雲の流れや前線の動きを予想したものよりかなり信用に足るものだとわかる。
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【追加雑学②】降水確率100%ってどういう意味?
「降水確率100%っていうから傘を持ってきたのに、結局降らなかったな~」みたいな場面には、わりと出くわすものだ。それ100%じゃないだろ…と言いたくなるところだが、実はこれもさして不思議なことではない。
なぜかというと、テレビの天気予報で発表される予報地域は、「東京」「大坂」など、だいたいは広範囲に渡るもので、100%の予報でも降らない地域が当然出てくるからだ。
たとえば千代田区で100%降って、世田谷区で一切降らないとしても「東京の降水確率」は100%と発表される。局所的な雨でも同じ東京でカウントされるわけだから、降水確率が高いのに降らないケースがあっても普通なのだ。
といっても、ネットで調べればより範囲を絞った天気予報を見られるので、スマホの普及した近年では、テレビの天気予報の範囲の広さはさほど問題ではないのかも。
降水確率0%の意味とは?
「降水確率0%なのに降ったじゃないか!」という場合に関しては前述の通りで、正確には0~4%は雨が降ることになる。
また「予報時間内に1mm以上」という条件もクセモノで、この基準に合わせると降雨量は0.1mmでも0.9mmでも、どちらも雨が降ったとはカウントされない。
…私もそう思うが、決められているのでしょうがない。
そのため「霧雨が降ったり止んだりしていて、けっこう濡れてしまったな…」みたいなときでも、雨が降ったことになっていないパターンはけっこうあるのだ。
以下の動画では、1時間あたりの降雨量が体感的にどのぐらいのものなのかを説明してくれている。1時間に0.2mm以上で「普通に降ってる」というレベルだというぞ!
降水確率の雑学まとめ
知っているようで知らない降水確率の雑学。降雨量や降っている時間の長さは関係ないというのは、イメージ的に意外だった人もいるのではないか。
降水確率が高くて降らないのはまだいいが、やっかいなのは0%でも降ることがあるという点だ。
いくら年々正確になってきているといっても、やはり予報は予報である。絶対に降られたくない場合は、折り畳み傘を常備するなどの工夫が必要なのかも。
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