「家にある電化製品のなかで、どれが一番頑張っていると思う?」というような質問を受けたら、筆者は迷わず「冷蔵庫!」と答える。
なぜなら、洗濯機や掃除機、エアコンなどは、動いていない時間があるが、冷蔵庫は常に庫内を冷やしてくれている。買ってきた食材を安心して冷蔵庫に入れられるのは、休まず稼働してくれているからである。
このように、家庭にはとても有難い存在の冷蔵庫だが、地球環境面から考えるとどうなのだろう?
我々人間が便利なものを使うときには、必ずといっていいほど、地球が代償を払うようになっている。毎日稼働している冷蔵庫となると、その代償も大きいのでは…?
しかし心配はいらない。最近では、地球にも優しい冷蔵庫が主流になってきているからだ。その名も「ノンフロン冷蔵庫」!
なぜ地球に優しいのか? 使い勝手はどうなのか? 以下の雑学より詳しく見てみよう!
【生活雑学】地球に優しいとされる「ノンフロン冷蔵庫」とはどんなもの?
【雑学解説】ノンフロン冷蔵庫は、なぜ地球に優しいの?
フロンガスを使っていない冷蔵庫が、なぜ地球に優しいのだろうか?
フロンガスは、自然界にない人の手によって作られた化学物質だ。燃えにくく、分解されにくく、人に無害という便利な性質をもっていることから、あらゆる電化製品に使われている。
このフロンガスが、地球のオゾン層を壊しているという事実が、近年明らかになった。
燃えにくく、分解もしにくいという人にとっては便利な特徴のせいで、空気中に漂い続け、数十年かけて上空へ行き、オゾン層を壊してしまったのだ。
オゾン層が破壊され、近年では多くの紫外線が地上に降り注ぐようになった。被害は想像以上に深刻で、地球が温暖化するのはもちろんのこと、人の健康にも影響を及ぼすほどになっているのだ。
地球のために、様々な技術を搭載!
上記のようなデメリットがあるフロンガスの代わりに、地球温暖化係数が、二酸化炭素とほぼ同じ性質をもつイソブタン(冷媒)とシクロペンタン(断熱材発泡剤)を使用して作ったのが、「ノンフロン冷蔵庫」である。
ちなみに地球温暖化係数とは、二酸化炭素を基準にして、ほかの温室効果ガスにどれだけ温暖化する能力があるかを表した数字だ。
ノンフロン冷蔵庫はフロンガスが出ないうえ、二酸化炭素の排出量も従来に比べると3分の1に抑えることができる。地球にダメージを与えないための技術が存分に搭載されているのだ!
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【追加雑学】家庭にも優しい!電気代が安くなる
地球に優しいのはよく分かったが、家庭での使い勝手はどうなのだろう? 結論をいえば、ノンフロン冷蔵庫は電気代も安い。
地球環境を改善するために作られたものだから、もちろん省エネなのである。新しい技術の搭載により、無駄な電力を使用することなく、従来の約半分以下の使用電力で、冷蔵庫を稼働させることが可能だ。
電気代も安くなり、地球だけでなく家庭にも優しい優れものなのである!
雑学まとめ
「ノンフロン冷蔵庫」についての雑学をご紹介してきた。
人類の歴史を見ると、フロンガスが欠かせない化学物質であったことは間違いない。電化製品の目まぐるしい発展は、フロンガスのおかげだといっても過言ではないだろう。
だが、「少しだけだったらいいかな」「便利だから使おう」という人々の精神が、数十年後には、地球温暖化などのしっぺ返しを引き起こすことになったのだ。
ノンフロン冷蔵庫が主流になってきているとはいえ、パワー面では従来のフロンタイプ冷蔵庫のほうが優れているという声も多い。こういったことから、業務用の冷蔵庫などは従来のタイプが今でも多く存在するようだ。
これからさらに技術に磨きをかけて、あらゆる点で従来のものに劣ることのないノンフロン冷蔵庫が登場することを期待しながらも、地球の未来を憂(うれ)いてしまう。