今、なにかと話題の大相撲。
テレビで上下関係や稽古の大変さを見るたびに、厳しい世界だなぁ…と思わされる。そもそもちゃんこをあんなに食べられない…。
お相撲さんの世界は、きっと厳しい規則だらけなんだろうと思い、今回の雑学では相撲の世界について調べてみた。
【スポーツ雑学】力士は運転できない
【雑学解説】現役力士全員が車を運転してはいけない
現役の力士は全員運転が禁止されている!
運転免許を取るのはOK。運転免許を取ること自体は禁止されているわけではないため「運転できない」ではなく、「運転してはいけない」ようだ。
力士が運転してはいけないのはなぜ?原因は過去の事故
「体が大きくてハンドルがつっかえるからでしょ!」と、思った人は残念。不正解だ。
現役力士の運転が禁止になったのは、交通事故が原因である。
1985年5月。水戸泉という幕内力士が人身事故を起こした。それが場所前だったということもあり、協会は現役力士の運転を禁止するという規則を作るに至った。
それから全現役力士は運転をすることをできなくなってしまったのだ。そこまでする必要があるのか? そう疑問に思う人もいるであろう。
他のスポーツでも交通事故を起こした人はいる。しかし、運転を禁止するまでの規則を作ったスポーツは相撲以外にはない。
ではなぜ、相撲の世界だけが交通事故を起こしてはならない、と全力士へ向けた規則を作ったのか。
その理由に「力士に抱っこされた赤ちゃんは健康に育つ」「力士の四股は大地を鎮める」など、相撲が歴史・文化・神事などにも関わりの深い、日本の国技であるということ。
そんな伝統があり、尊敬される存在になるべき力士が、「交通事故なんてとんでもない」という考えがあったのではないかと思う。
【追加雑学①】力士の移動手段は?車が運転できないなら電車?バス?
力士達は番付によって交通手段が違うようだ。
番付による交通手段 | 普段 | 新幹線 | 飛行機 |
幕下以下 | 電車等の公共交通機関 | 普通車両 | エコノミークラス |
十両以上 | タクシー | 普通車両 | ビジネスクラス |
幕内以上 | 運転手付きの車 | 普通車両 | ビジネスクラス |
大関以上 | 運転手付きの車+国技館の駐車場に停車可能 | グリーン車 | ファーストクラス |
「飛行機でエコノミーって狭すぎて無理じゃない?」そう思ったあなた。そこはさすがに2席とるようだ。ちなみに料金は1.5人分の料金だそう。
交通手段をとってみても、一刻も早く出世して番付を上げたいと、幕下以下の力士は必死で努力しているに違いない。
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【追加雑学②】運転禁止の規則を破った力士達
実際規則を破り、車を運転して事故をしてしまった力士もいる。
- 1999年1月 安芸乃島 オートバイと激突
- 2000年12月 闘牙 女性をはね、死亡させる
- 2007年4月 旭天鵬 信号待ちの車に激突
- 2018年2月 大砂嵐 無免許運転で前の車に激突
いずれも、厳重注意や減俸・降格処分をうけている。
事故は最悪のケースだが、事故がこれだけあるということは、バレていないだけで本当はもっと運転している力士がいるかもしれない。もちろんそんなことはないと信じているが。
力士、運転解禁へ。今後規則改正はあるの?
免許があっても運転できないのは何かと不便だし、気持ちはわかる。実際、2007年6月の力士会に、自動車解禁案が出されている。
しかし、当時の理事長・北の湖氏に「力士には自覚と責任が必要。事故で相撲がとれなくなることもあり、師匠の責任が問われることもある」としてあっさり断られた。
しかも、上記の過去の事故を見てわかるように、その年に旭天鵬が事故を起こしていた。案を出すタイミングも悪すぎ…。
残念ながら現在に至るまで解禁されていない。事故をする可能性がある以上は、今後も解禁の方向に進むのは難しいかもしれない。
雑学まとめ
今回の雑学では、相撲の世界で「現役の全力士は車の運転をしてはいけない」という規則があることを紹介した。
日本が誇る伝統競技「相撲」だからこそ、これは威厳を守るための規則であると理解できた。
私も交通事故には気をつけつつ、相撲界がどんどん盛り上がるよう応援したい。
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