ビデオゲームが普及する以前、友だちの家に集まって遊ぶゲームといえばボードゲームだった。
ボードゲームにおいて使う道具の筆頭といえば、サイコロだろう。とても単純なランダム数値生成ツールであり、古くからゲームや博打などに使われているのはご存じの通りだ。
そんなお馴染みのサイコロだが、1の目だけ赤いことを不思議に思ったことはないだろうか? しかも、なぜかほかの目に比べて大きいし。そして、調べてみたところ、海外のサイコロは1の目もほかの数字と同じ色であり、目の大きさも同じことがわかった。
では、いったいなぜ日本ではサイコロの1の目は赤くて大きいのか…。今回の雑学では、この謎を解き明かしていきたいと思う。
【生活雑学】サイコロの1の目が赤いのは日本だけ
【雑学解説】サイコロの1の目が赤い理由を紹介
日本のサイコロの1の目が赤い理由については、諸説あるらしい。ここではそれを説明しよう。
他社との差別化のため
もともと日本のサイコロでも1の目はほかの目と同じ色・大きさだったが、大正時代に和歌山県のサイコロ製造業者が、他社と差別化するために1の目を大きくして赤く塗ったところ、とても売上が伸びたという。
そして、それをみたほかの業者もマネをしたため、1の目が赤いサイコロが普及し、一般的になったそうだ。他社との差別化のつもりが、スタンダードになってしまうなんて、なんて皮肉な結果なのだろうか。
…と思ったが、その後テレビ番組で当該業者にインタビューしたところ、上記の説は事実とは異なると回答があったらしい。どうやら、この説は都市伝説のようである。
1の目は太陽を表しているため
サイコロの目は方角を表しており、1は天、2は西、3は北、4は南、5は東、6は地を意味して、1の目は太陽だから赤くて大きくなった…という説がある。
しかし、サイコロの目が方角を表す理由などについては不明であり、こちらの説も有力なものとはいえないようだ。
日本の国旗から
日本の国旗「日の丸」に似せて、サイコロの1の目を大きく・赤くしたという説がある。
たしかに、四角いサイコロに大きな赤い丸という姿は日の丸にそっくりだといえよう。しかも、お正月定番の遊びといえばすごろくなので、すごろくに使うサイコロを日の丸に似せたという話も納得いく話ではある。
しかしながら、この説も有力な証拠などはなく、そこまで信憑性があるとはいえない。
結局のところ、日本のサイコロの1の目が赤くて大きい理由は謎多きままである。
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【追加雑学①】中国のサイコロは1と4の目が赤だった!
冒頭ではサイコロの1の目が赤いのは日本特有…のようなことをいったが、実は中国のサイコロは1と4の目が赤かったりする。そして、こちらの場合はちゃんとした理由もあるのだ。
そもそも、中国のサイコロは1だけが赤かったようである。しかし、唐の玄宗皇帝が楊貴妃とサイコロゲームをしていた際に4の目を出して勝利し、それを喜んだ玄宗皇帝がサイコロの1と4の目を赤くさせたという逸話が残っているのだ。
たかがゲームに勝っただけでサイコロの目の色を変えるとは、当時の権力者恐るべし…といったところだろうか。
【追加雑学②】「デタラメ」とはサイコロの目のことだった!
「いいかげんなこと」という意味の言葉として「デタラメ」がある。この「デタラメ」だが、実はサイコロ博打がルーツの言葉だったのをご存知だろうか?
サイコロ博打といえば、そう、ツボの中にサイコロを2つ入れて振り、丁(ちょう)半(はん)どちらかの出目に賭ける時代劇などでお馴染みのアレである。
そして、普通ならば、それまでのサイコロの目から結果を予想して勝負を進めていくが、「出たら、その目でいいや」というように、いい加減に勝負を進めるさまを「デタラメ」と呼ぶようようになったという。
ちなみに、漢字で「出鱈目」と書くのは単なる当て字であり、鱈としては風評被害として訴えてもいいレベルである。
雑学まとめ
ふだん気にせずに使っているサイコロだが、意外と不思議な雑学があったようだ。
サイコロを使ったゲームをしているとき、ぜひ上記の雑学を話して仲間の尊敬を集めてほしい。だが、決して「デタラメ」のトリビアで相手を撹乱させることはしないように!