「敬礼!」ビシッ! 右手を挙げて眉にあてるあのポーズ。なんだかカッコいいし、誰でも一度は真似したことがあるのではないだろうか。
軍隊の兵隊といえば、敬礼をしている姿を思い浮かべる。兵隊が、あの独特のポーズをつかって挨拶するのはなぜなのだろうか?
というわけで、今回は軍隊の敬礼に関する雑学を紹介するぞ!
【歴史雑学】軍隊で兵士が敬礼する理由
【雑学解説】敬礼の由来は中世の騎士達だった
そもそも、敬礼のポーズはどのようにして生まれたのだろうか。その由来は、中世の騎士たちにあった。
中世の騎士たちは、体を守るために金属製の甲冑で全身を覆っていた。顔にもすっぽり兜をかぶってしまうので、お互いが誰だかわからなくなってしまう。
そこで、自分より身分が上の者に会った場合は、失礼のないように目元を覆う部分を上にもちあげて、自分の顔を見せ、自分が何者かを明らかにして挨拶するのが定着していた。
また、利き腕である右の手のひらに何ももっていないところを見せ、相手に武器を向けるつもりがないことを示したのだという。これが敬礼ポーズの成り立ちといわれている。
軍隊で敬礼がされるようになったわけ
敬礼が正式に軍隊で採用されたのは、1800年の英国という説がある。
それ以前はいちいち帽子を脱いで、お辞儀して挨拶していた。そうすると、帽子を脱ぐのに時間がかかる。また、一日に何度も帽子を触るため、すぐに傷んでしまうという問題が起こった。
そこで、眉毛の横に手をあてる仕草を挨拶とする敬礼が採用されるようになった。迅速に挨拶ができて、手に武器をもっていないことも示すので一石二鳥というわけだ。
ちなみに、国によって細かな差はあるが、帽子をかぶっていないときに敬礼するのは正式なスタイルではないといわれている。事情がないのだから普通にお辞儀をしろ、ということらしい。
そういえば軍人の出てくる映画では、帽子をかぶっている人は敬礼、かぶっていない人はお辞儀をしているシーンがあったりする。注意して見てみると面白いかもしれないぞ。
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【追加雑学】左手で敬礼は失礼?
敬礼についてよくいわれるのは、左手で敬礼するのは失礼だという説。
上で記した通り、右手で敬礼するのは利き手を見せて敵意のないことを表すためなので、左手を挙げてしまっては意味がないらしい。
じゃあ左利きの人は? と思ってしまうが、軍隊は規律が厳しく、左利きの存在をそもそも想定していないそうだ。現代ではちょっと時代遅れな気もする。
特例として、右手を負傷しているなどの事情がある場合は、左手の敬礼が認められることもあるのだとか。
また、筆者は左手の敬礼は死者を見送るポーズだと聞いたことがあった。こちらも調べてみたところ、全くのでたらめで特に根拠はないらしいぞ。
左手で敬礼すると失礼と感じる人もいるかもしれないので、真似するときは気を付けよう。
雑学まとめ
軍隊の敬礼に関する雑学を紹介した。敬礼は、軍帽を被っていても速やかに挨拶が出来て、上官や仲間に敵意のないことを表すポーズということがわかった。
なにげなく真似していたあのポーズに、こんな意味や歴史があったとは…。自分がやるときは細かな意味にも注意してみたい。
ちなみに敬礼の決まりは、シチュエーションや手の角度など、国や団体によって違いがあるようだ。興味があったら調べてみると楽しいかもしれないぞ。
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