サンタはどこに住んでいると思う? と聞かれれば、だいたいの人は「ノルウェーとか、北欧のほうでしょ」と答えるだろう。
そりゃあ、あんなモコモコした衣装のおじさんが熱帯のブラジルからやってきたなんていわれたらドン引きである。きっと北欧とかその辺りの寒い地域で暮らしているに違いない。
…たしかに後世に広まったサンタはそうかもしれないが、起源とされている人物は、意外にもトルコの出身だというぞ? トルコって中東の国だよね…。
サンタのイメージは皆無だが、いったいどんな関係があるんだ?
【世界雑学】サンタクロースのモデルはトルコの司教
【雑学解説】サンタクロースのモデルはトルコの聖ニコラウス
サンタクロースの起源となった人物は、4世紀のトルコのミラという街に暮らしていた、カトリック教の司教・聖ニコラウスという人物だ。サンタといえば北欧のイメージがあるが、まさかトルコから始まった文化だったとは。
この聖ニコラウスという名はオランダ語では「ジンタークロース」と呼ばれ、それがさらにアメリカに伝わる過程で「サンタクロース」に変化していったのだとか。
なんでも聖ニコラウスが亡くなった12月6日を記念日にして、オランダやベルギーで「ジンタークロース祭」という、クリスマスのようなイベントが行われるようになったことから、その存在が広まっていったというぞ。
トルコではなくオランダやベルギーなのは、単純にヨーロッパのほうがキリスト教の信仰が深いからだろう。つまり聖ニコラウスは「トルコの誇り」って感じではなく、「キリスト教の誇り」として人々に愛されるようになったわけだ。
そもそもクリスマスはイエス・キリストの誕生を祝う日。なるほど、聖ニコラウスはキリスト教つながりということか!
【追加雑学①】「サンタが煙突からやってくる」理由とは?
そこまで人々に慕われていた聖ニコラウスは、いったい何をした人物なのかというと、一言でいえば「貧しい人を助ける超人格者」だ。ミラにて司教を務めた彼は聖職者の名のもとに、自分の持っているものを貧しい人々に惜しまず分け与えた。
何を隠そう「サンタクロースが煙突から入ってくる」といういわれのもととなった逸話も、彼が貧しい人を助けようとしたものである。
あるときニコラウスの近所に住んでいた家族が貧困に苦しみ、娘を売りに出さなければいけない事態に陥ってしまった。その事情を知ったニコラウスは、夜な夜なその家の煙突から金貨を投げ入れたのだ。
おかげで娘は売られずに済み、以降も家族がピンチになるたび、ニコラウスの密かな支援は続いたという。ちなみにその際に投げ入れられる金貨が、吊るしてあった靴下に入ったことから、枕元に靴下を吊るす風習も作られた。
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好きで貧乏になる人などいるはずもなく、その家族としても、誰かに頼ることに少なからず後ろめたい気持ちはあったはずだ。だからこそニコラウスは誰からとわからないよう、煙突から金貨を投げ入れたのだろう。
この逸話を思うと、クリスマスはキリストの誕生を祝う日であり、ニコラウスがそうしたように、周りの人々と幸せを分かち合う日だともいえる。
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【追加雑学②】ドイツのサンタクロースはちょっと怖い
サンタクロースを世界へ広めたヨーロッパでは、地域ごとにサンタの様相もさまざまだ。
なんでもドイツのサンタはちょっと厳しめで、良い子にはプレゼントを渡すが、悪い子にはお仕置きをするための従者を連れているというぞ!
従者の名は「クネヒトループレヒト」。なんでも灰の詰まった袋で叩かれるとかなんとか…うーん、あんまり痛くなさそうだ。かと思えば、袋に詰めて連れ去られるなんて恐ろしい言い伝えもある。要は日本のなまはげのようなものか。
以下の動画では日本人向けにドイツのサンタが紹介されている。なるほど、悪い子用は黒い服を着ているのか! 良い子用の装いもまるで中世の王様のようで、日本人のイメージとはまた違っている。
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「サンタクロースのモデル」の雑学まとめ
サンタクロースの起源は、4世紀トルコでカトリック司教をしていた聖ニコラウス。その存在はキリスト教がより信仰されていたヨーロッパにて、広がっていくこととなる。
圧倒的に仏教徒が多い日本だが、幸せを分かち合うことに宗教は関係ない。クリスマスはキリスト教のお祭りといっても、やはり万人が温かな気持ちに包まれる日なのである。