皆さん選挙に行ったことがあるだろうか? 国会議員や市長選挙など、意外と選挙の機会は多いものだ。選挙は、一般市民が政治に参加できる唯一の機会といってもいいので、行ける方はできるだけ行っていただきたい。
さて、選挙は投票が多いほうが当選となるが、もし開票の結果、同票となった場合はどうするのだろうか。ちょっと気になったので、今回の雑学では選挙で同票だった場合の決着方法について調べてみた。
【ルール雑学】選挙で同票だった場合の決着方法
【雑学解説】選挙で同票だった場合はくじ引きで決める
これは公職選挙法第95条にも「二以上の商が同一の数値であるため、当選人の数を定めることができないときは、選挙会において、選挙長がくじで定める」とある。
気になるくじ引きの方法だが、1から10まで書かれている棒を両者がひき、小さい数だったほうが当選というものだ。「3」と「9」をそれぞれ引いたとしたら「3」を引いたほうが当選となるのだ。何だか紛らわしい…。
実際にくじ引きをした事例も、2014年舞鶴市議会選挙・2015年滑川町議会選挙など近年たびたびおこなわれている。
しかし、実際には当選者と同じ得票数を得ていたのに、くじ引きで落選となってしまうのは、あまりに落選した候補者が可哀想である。
そのためくじ引きで落選した者には、ある特典が用意されているのだ。それは「繰り上げ当選の期間が、議員の任期中一杯まで延長される」というものだ。通常は、繰り上げ当選の期間は90日と定められているので、これは大きな違いだ。
ただ欠員が出ないと効果が生じないので、待った結果、欠員が出なければ結局同じことなのだが…。
スポンサーリンク
【追加雑学①】選挙で無効票となる書き方
選挙での無効票とは、その名の通り効力が認められない投票用紙のこと。せっかく投票所まで出かけて思いを託した一票を投じたのに無効票とされては、元も子もない。自分の投票用紙が無効票とならないために、どういった場合に無効票となってしまうか説明しよう。
まず、ほぼ確実に無効票となるのは、「所定の用紙を使用していない」「候補者の氏名、政党名以外を記入した」などは当たり前だが、他事記載(余計な情報も書くこと)もダメなので注意していただきたい。
ハートマークやエクスクラメーションマークはもちろん、「〇〇さん、お願いします」とメッセージを記載するのもアウトである。
議論が分かれるのが、候補者氏名の誤字をしてしまった場合。
誤字であっても、誰に投票したか分かれば有効票として認められるが、他の候補者に同じような名前の人がいたり、「安倍晋三」を「安倍サダオ」というふうに、他人を連想させる人物の名前を書いた場合、無効票となるケースがある。
名字だけ、名前だけ候補者氏名を脱字した場合も、意思が反映されているため、有効だと判断される場合が多い。「鈴木」とだけある場合など、同じ名字の人がいる場合は「按分票(あんぶんひょう)」といって、1票を0.2とか0.3というように小数点以下でそれぞれの候補者にわりふられるケースも多い。
【追加雑学②】選挙の投票用紙は折っても勝手に開く
投票用紙は、折って投票箱に入れるという人も多いが、実は折っても勝手に開くので、折っても折らなくても結果は変わらない。
投票用紙は「BPコート紙」という特殊な紙でできており、この紙は折りたたんでもしばらくすると、自然と開くようになっているのだ。
このような紙を使っているのは、選挙での開票作業をできるだけ早く行うようにするためである。
雑学まとめ
選挙にまつわる雑学を紹介してきたが、いかがだっただろうか。投票が同数となったらくじ引きをするのである。とても大切な選挙なのに、最後まで競った結果がくじ引きとはなんともやるせないものだ。
もう一度選挙を行ってほしいが、選挙も税金で行われている以上、そう何度もやるわけにはいかないのだろう。一応、くじ引きで負けた候補者にも特典が用意されているので、それで我慢するしかない。まあ、この特典も欠員が出ないと意味がないのだが…。
おすすめ記事
-
出来レース!?足利義教は"くじ引き"で将軍になった
続きを見る
-
なぜ!?"明治"という元号は、明治天皇がくじ引きで決めた
続きを見る