東京の鉄道網は複雑だ。初めて路線図を目にしたときは、どこから自分が乗るのかもわからないし、目的地を見つけることすらできなかった。
路線図だけでなく、駅の構造も複雑で迷子になることもある。大きな駅だと利用する人も多く、内部の広さと人の多さで疲れてしまうことも珍しくない。
東京の駅の中でも、新宿駅は混雑する巨大な駅として有名だ。新宿駅の1日の利用者数は、なんと世界一。どれだけの人が新宿駅を利用しているのか? 今回の雑学ではそれについてご紹介しよう。乗降者の多さにきっと圧倒されるぞ…!
【世界雑学】新宿駅は1日の利用者数が世界一。
【雑学解説】1日に約350万人が新宿駅を利用している…。
新宿駅はいつでも人でごった返しているイメージだ。おまけに複数の路線が乗り入れる駅の内部は、迷路のように入り組んでいる。その複雑さは、「新宿ダンジョン」とも呼ばれるほどだ。
そんな新宿駅が、1日の乗降者数で世界一に認定されているのである。人は多いとは思うが、世界的に見れば日本の東京の駅なんて小さい気がする。それなのに、新宿駅が世界一とは本当なのだろうか?
新宿駅には、JR東日本・京王電鉄・小田急電鉄・東京メトロ・東京都交通局の5社が乗り入れている。5社の1日の乗降者数の平均を合計すると、約350万人だ。ちなみに、新宿区の人口は約34万人である。人口の10倍以上の人が乗り降りしている…!
世界の主要な駅と比較してみよう。ヨーロッパで乗降者数が最も多い、フランスの「パリ北駅」の1日の乗降者数の平均は約52万人だ。新宿駅と比べるととても少ない。
アメリカのニューヨークにある「グランド・セントラル駅」は、駅の1日の利用者数の平均が約75万人である。この75万人は乗降者だけでなく、待ち合わせや買い物などで訪れる人も含まれる。乗降者以外を入れても、新宿駅より少ないとは驚きだ。
なぜ新宿駅はこれほどまでに乗降者数が多いのか。
オフィスビルや商業施設が新宿にあるというのも理由の1つだが、新宿駅にはJRなど5社が乗り入れている利便性の高さも関係しているようだ。乗り換えで利用する人も多いので、乗降者数が増えるのだろう。
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新宿駅の利用者数はギネス世界記録に認定されている
新宿駅は、利用者の多さが世界一の駅(Busiest station)としてギネス世界記録に認定されている。
紹介文にはこうある。
The busiest station by passenger use is Shinjuku station in Tokyo, Japan, with an estimated average of 3,590,000 passengers per day in 2018.
Shinjuku station opened in 1885 and now serves three overground and three underground lines via a total of 36 platforms.
訳してみると…
乗客の利用が最も多い駅は、日本の東京の新宿駅で、2018年の1日あたりの推定平均乗客数は3,590,000人です。
新宿駅は1885年に開業し、現在では合計36のプラットフォームを介して3つの地上線と3つの地下鉄線を運行しています。
新宿駅スゴい。
でも利用する立場からしたらなんだかうれしくない。
新宿駅の朝ラッシュの様子がつらい
東京以外にお住まいの方には、新宿駅のラッシュが想像できないかもしれない。
というわけで、2018年10月に撮影された新宿駅の朝ラッシュの動画をご覧いただこう! 撮影されたのは、午前8時から15分ほどの中央線の様子である。
私はいつもこれに乗っているのだ!! つらいんだ!!
しかし、これでも以前よりはマシになったのだ…。
現在8時台の中央線は30本のダイヤが組まれており、地方では考えられない多さだ。
さらには7番線と8番線の2つの線路を利用して、電車を交互に発車させる作戦も展開している。
しかし、そのようなJR東日本のがんばりに負けない混雑ぶり。サラリーマンとOLは朝からクタクタである…。
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新宿駅の各路線の利用者数は?
前述した通り、新宿駅にはJR東日本・京王電鉄・小田急電鉄・東京メトロ・東京都交通局の5社が乗り入れているわけだが、各路線の利用者はどのくらいなのか。
新宿駅の利用者数
- JR東日本・・・約155万人
- 京王電鉄・・・約78万人
- 小田急電鉄・・・約50万人
- 東京メトロ・・・約23万人
- 東京都交通局・・・約44万人
合計が約350万人というわけだ。やはりJR東日本が圧倒的に多く、2位の京王線に2倍以上の差をつけている。
「新宿駅の利用者は350万人以上」説
駅の乗降者数は、各鉄道会社の自動改札機ごとにカウントされるシステムになっている。
そのため…
メモ
- 中央線から総武線に乗り換え・・・カウントされない
- 中央線から京王線に乗り換え・・・カウントされる
中央線から総武線への乗り換えは、どちらもJR東日本の路線のためカウントされない。
一方で、中央線から京王線への乗り換えは、JR東日本から京王電鉄への乗り換えで鉄道会社が変わるのでカウントされるというわけだ。
そのため、鉄道会社を変更しない乗り換えをカウントするなら、新宿駅の実際の利用者は350万人以上になるのである…。
そりゃあいつでも混雑してるわけだ…。
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【追加雑学①】1日の乗降者数ランキングTOP3は日本の駅が独占
新宿駅の人の波もすごいが、日本は他の駅もかなりのものだ。新宿駅が世界一なら、他の駅もランクインするのでは? そこで今回は、世界の駅の1日の乗降者数ランキングを調べてみた。TOP3は以下のような結果になったぞ!
世界の乗降者数ランキング
- 1位:新宿駅(約350万人)
- 2位:渋谷駅(約330万人)
- 3位:池袋駅(約265万人)
日本の駅がTOP3を独占している…! 渋谷駅と池袋駅は、新宿駅と同じく複数の路線が乗り入れている。
さらに駅の周辺には百貨店などもあり、買い物で訪れる人も多い。こうした理由から、乗降者数が多いと思われる。
東京にはこれほど多くの人が利用する駅がある一方で、地方には利用者が少なく存続が危ぶまれる駅も存在する。首都圏の駅の乗降者数を、少しでも地方の駅に分けてあげられたらいいのに…。
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【追加雑学②】日本には「世界一低い場所にある駅」も存在する
日本にある世界一の駅は、新宿駅だけではない。
実は、「世界一低い場所にある駅」も日本の駅なのだ! 世界一低い場所って、日本にそんなに低い場所があるのか? どんな駅なのか、動画で確認してみよう。
動画の最後でたどり着いた駅は、「体験坑道駅」という名前だ。体験坑道駅は青森県と北海道を繋ぐ青函(せいかん)トンネルの資料などを展示した、青函トンネル記念館にある。
青函トンネルは、青森県と北海道の間にある津軽海峡(つがるかいきょう)の、海底から約100m下の地中に造られたトンネルだ。体験坑道駅は工事で使用された坑道にあり、昔は工事現場で働く人の移動や使用する物資の運搬に使われていた。
工事が完了した現在では、青函トンネル記念館の見学用のケーブルカーの駅として利用されている。
何を隠そう、世界一低い場所にある駅とは、坑道に設置された地下深くにある駅だったのだ! その深さは、海面下約140mと記録されている。
東京の地下鉄の駅は、深い場所でも地上から約40mの深さだ。地下鉄と比べると、体験坑道駅がとても地下深い場所にあるとわかる。そんなに深い場所に駅がつくれるなんて、日本の技術ってすごい!
新宿駅の利用者数|雑学まとめ
新宿駅の1日の乗降者数が世界一という雑学、そして日本の他の駅についても紹介してきたが、いかがだっただろうか。
毎日新宿駅を利用している人は、気づかないうちに世界一の記録を作ることに貢献していたのだ!(貢献したくはない)
満員電車や迷路のような複雑な駅も、世界一の駅だからと思えば我慢できるかもしれない。満員電車のつらさこそが、乗降者数世界一の証なのである。
…と納得しようとしてみたが、やはり空いているほうがいい。
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