江戸時代

"骨喜"。シーボルトはコーヒーを"薬"として日本に紹介した

雑学カンパニー編集部

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コーヒーを日本で広めたのはシーボルトで「骨喜」と紹介したという雑学

シーボルトの肖像画

コーヒーを飲んでおいしいと感じるようになったのは、何歳の頃だっただろうか。子どもの頃少し飲ませてもらったコーヒーは、黒くて苦い得体の知れない液体であった。それなのに、今では一日に何杯も飲むときがあるのだから、人生わからない。

最近では缶コーヒーはもちろん、その場でドリップした本格的なコーヒーをコンビニで手軽に楽しむことができる。日本人の生活において、コーヒーはかなり浸透しているといっていいだろう。

しかし、実は日本でコーヒーが広まるまでには長い時間がかかっているという。今回は、コーヒーを日本に広めたシーボルトについての雑学を紹介していく!

【歴史雑学】コーヒーを日本で広めたのはシーボルトで「骨喜」と紹介した

秀吉くん
コーヒーっていう飲み物って、頭がスッキリしてなんだかいいもんっすね!戦の時に飲みたいっすよ。
信長さん
現代ではコーヒーというのは嗜好品らしいが、昔は薬だったんだ。1826年、シーボルトが『薬品応手録』で紹介してるぞ。

【雑学解説】コーヒーは当初薬とされていた

コーヒーは当初薬とされていた。というトリビア

コーヒーが日本にやってきたのは、江戸時代。鎖国の中でも唯一貿易を行っていた長崎の出島に、オランダ商人が持ち込んだのが最初といわれている

そこから200年以上あとの1823年、オランダ商館医として来日したのがシーボルトである。シーボルトは、著書「江戸参府紀行」の中で「200年も前からオランダ人と交流があるのに、日本でいまだにコーヒーが広まっていないことは驚きだ。」というようなことを記している。

そして、その原因は「日本人にはミルクを飲む習慣がないこと」「コーヒー豆の煎り方をよく知らないこと」ではないかと考えていたようだ。

コーヒー豆を焙煎して挽いた状態でビンや缶に入れ、説明書を添えて販売したらどうか、という具体的な案も出していたが、それは実現しなかった

信長さん
当時は実現しなかったにしろ、何百年もたった後の現代日本ではそれが普通に売られているのも、なんだか不思議な話だな。

そのかわりと思ったかどうかはさだかではないが、別の著書「薬品応手録」では、「骨喜(コッヒー)」という名で、健康にいい飲み物として掲載されている。「薬品応手録」にはヨーロッパで常用されている薬草とその代用品について書かれており、コーヒーも薬として紹介されたのである。

秀吉くん
『骨が喜ぶ』っていうネーミング、シーボルトさんもなかなか考えたっすね!

「薬品応手録」は大阪で印刷された後、各地の医師に配布された。コーヒーという飲み物があることが、シーボルトによって広められたといっていいだろう

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【追加雑学①】インスタントコーヒーは「カップ・オブ・ジョージ」と呼ばれていた

インスタントコーヒーはアメリカの兵士に「カップ・オブ・ジョージ」と呼ばれていた。というトリビア

では、アメリカのコーヒー事情はどうだったのか。16世紀中頃にアメリカに入ってきたといわれるコーヒーだが、すぐに一般家庭に広まったわけではなかった。当時、コーヒーは高級品だったのである。

その後、米英戦争の影響やアメリカの独立などを経て、コーヒーの価格は徐々に下がっていった。そして、1853年には初めてのインスタントコーヒーが開発されたのである

その後、ベルギーから移住してきたジョージ・コンスタント・ルイス・ワシントンという人物がインスタントコーヒーを大量生産する製法の特許を取得したものの、さして人気はでなかったようだ。ちなみにこの人物、アメリカ合衆国初代大統領のジョージ・ワシントンとは別人である。

このいまいち人気がなかったインスタントコーヒーが一躍大人気となったきっかけは、第一次世界大戦である。兵士が再び戦地に赴いたとき、戦場でも手軽に飲めるインスタントコーヒーは兵士のあいだで大変な人気を博したのだ

信長さん
俺が天下統一を目指していた時代にコーヒーがあれば、俺が天下人となっていたのかもしれん…!

そして、インスタントコーヒー生産の特許をもつジョージの名前をとって「カップ・オブ・ジョージ」と呼ばれるようになったのである

戦争が終わってからも兵士たちはインスタントコーヒーを好んで飲み、やがて一般家庭にもインスタントコーヒーが浸透していったのだ。

【追加雑学②】コーヒー豆栽培に適した範囲をコーヒーベルトという

コーヒーの原料となるコーヒー豆は、コーヒーノキという植物の種子である。コーヒーノキは寒さに非常に弱く、0℃を下回ると枯れてしまう。また、植えてから実がなるまでには2~3年かかる。

そのため、コーヒーノキは赤道付近の年中暖かい地域でのみ栽培されている。それが「コーヒーベルト」と呼ばれる範囲である。

具体的には北回帰線と南回帰線のあいだをさし、ブラジルやコロンビア・グアテマラなどのコーヒーの産地も、このコーヒーベルトの中におさまっている

雑学まとめ

"骨喜"。コーヒーを日本で広めたシーボルトは薬として紹介した。という雑学まとめ

今回の雑学では、今では誰もが普通に飲んでいるコーヒーが、生活に浸透するまでに非常に時間がかかっていたことがわかった。緑茶を好んで飲んでいた日本人にとって、突然現れたコーヒーはなかなか受け入れがたかったに違いない。

どうして国産のコーヒー豆は見ないのだろうと思ったこともあったが、コーヒーノキが寒さに弱いとわかった今では納得である。日本の気候で栽培するのは相当難しいだろう

手軽に楽しんでいるインスタントコーヒーも、当然コーヒー豆からできている。暑い国で栽培してくれている人たちに思いをはせながら、今日の一杯を楽しむことにしよう。

信長さん
コーヒーは体に悪いなんていわれたこともあったが、最近では様々な健康効果があるという研究結果が出ているらしいぞ。ガンや糖尿病にも効くなんて言われているんだ。
秀吉くん
そうなんっすか?!僕、これから毎日コーヒー飲むっすよ!

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