おならが臭いことで有名なスカンク。黒と白がはっきりと分かれたツートンカラーが特徴で、ふさふさと毛が生えたゴージャスなしっぽ。おならが臭いことばかりいわれるスカンクだが、その見た目はかなり可愛い。そして、なんだかおしゃれ。
スカンクは敵に襲われそうになると、ゴージャスなしっぽをひょいっと上げて相手にお尻を向け、超~臭いおならをかます。この臭いが強烈すぎて悶絶しているうちに、スカンクは逃げるのだ。
しかし、このおなら…実はおならではないというではないか!
じゃあなにが臭いのか…しっぽを上げてお尻から出すものはいったい何なのだ?
【動物雑学】スカンクが出す臭いモノはおならではない
【雑学解説】スカンクは敵に襲われると、お尻から臭いの元になる分泌液を噴射する
スカンクは、小さい体のわりには大きな動物にもひるまず、地面をたたいたり、しっぽを上げてシューっと声を出すなど、戦闘モードで相手を威嚇する。それでも相手が逃げなければ、最終手段! あのおならをお見舞いするのだ。
スカンクは、臭いおならをする…そう思い込んでいたのだが、じつは、あれはおならではなく、「強烈に臭い分泌液」なのである。
スカンクのお尻の穴の付近には、肛門嚢(こうもんのう)という袋があり、液状の臭い分泌液が入っている。この分泌液は、まわりの筋肉を収縮させると噴射する仕組みになっており、敵に襲われそうになったときには、しっぽをあげて相手にお尻を向け、顔面めがけて一気に噴射するのだ。
これが強烈に臭いため、おならだと思われているのだが、実際は目に入るとしばらく目が見えなくなるほどの、毒ガスのようなものだという。
射程距離は、なんと5m! そのにおいは2km先まで届くという。しかも、5~6回は連射できるそうだ。もうおならなんてそんなかわいらしいもんじゃない。れっきとした武器だ。
実際に、スカンクの攻撃シーンをとらえた映像をご覧いただこう。
相手はクマだというのに、まったくひるむ様子がない。それどころか、クマを撃退しているではないか…。
スカンクの臭いは、専用の脱臭剤がないととれないらしいが、あのクマはずっとスカンクの臭いに悩まされるのかと思うと、気の毒で仕方ない…。
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【追加雑学①】スカンク自身は臭いと感じていない
ところで、そんなに強烈な臭い…。本人は耐えられるのだろうか。
じつは、スカンク自身は臭いとは感じていないらしい。また、ほかのスカンクの臭いに対しても同じで、自分たちが噴射する分泌液のにおいに対しては耐性があり、臭いとは感じていないそうだ。
たしかにわたしたち人間も、身近なにおいには慣れてしまい感じなくなるものだ。スカンクもまわりの生き物が自分のことを臭いと思っているなんて、知らないのかもしれない…。
【追加雑学②】スカンクの「おなら」は臭いほうがモテる
スカンクが噴射する分泌液は、スカンクの以外の生き物にとっては脅威的な臭さだが、スカンクの世界では異性をひきつけるフェロモンのような作用があるらしい。
臭ければ臭いほど、大きな敵でも追い払うことができる。臭さは、強さを意味するのだ。メスは強いオスが好きである。要するに、スカンクは臭いほうがモテるのだそうだ。
なるほど…。モテる基準は生き物それぞれだ。メスは強いオスにひかれる…。弱々しいところが可愛くて好き! なんて言っている友人が身近にいるが、その発想は人間だけかもしれないな…。
雑学まとめ
スカンクのおならが臭いのは有名である。しかし、あれはおならではなく、スカンクの強力な武器。毒ガスといっても過言ではない、強烈に臭い分泌液を噴射していたのだ。
動物園で飼育されているスカンクに、もしそんなものを噴射されたら悲惨じゃん…と思ったが、手術をして肛門嚢を取ってしまっているそうだ。においがなければ、スカンクのビジュアルは非常に可愛らしい。
だが、大事なフェロモンを出すことができなくなったら、スカンクはなにをアピールしたらよいのだろうか…と思うと、ちょっとかわいそうな気がする。