やめたいのにやめられない、そんな悩みの一つに挙げられるのが、喫煙だろう。体にも悪い、周囲にも迷惑を掛けるとわかっていても、やめられない。
いざ、禁煙をしようといたものの、ニコチンの強い衝動に負けて再喫煙という人も多いのではないだろうか。
今回の雑学記事では、そんな禁煙ができずに困っている人に対して、禁煙の成功率を上げる方法をご紹介しよう。自分は喫煙してないけれども、身近に禁煙させたい人がいる人にも、役立つ方法である。
【人体雑学】損したくない気持ちが禁煙の成功率を上げてくれる可能性
【雑学解説】禁煙の成功率を上げるには罰金が効果的
アメリカのペンシルベニア大学の研究で禁煙方法について調べたものがある。この実験では、喫煙者6131名を対象として、5つのグループに分けて行われた。
- 禁煙すると健康に良いという内容が書かれたテキストを読むグループ
- 無料で電子タバコを使い放題のグループ
- 無料でニコチンガムやパッチを使い放題のグループ
- 無料でニコチンガムやパッチを使い放題で、禁煙に成功したら600ドルのボーナスがもらえるグループ
- 無料でニコチンガムやパッチを使い放題で、禁煙に失敗したら600ドルの罰金を支払うグループ
そして、6ヶ月経過後に各グループの結果をチェックしたところ、禁煙に成功した割合は、1.のテキストグループが0.1%、2.の無料電子タバコグループは1.0%、3.の無料ニコチンガムグループが0.5%であった。
この3つのグループに関しては、あまり大きな禁煙効果は見られなかったようだ。
しかし、4.の無料ニコチンガムと成功ボーナス付きグループは禁煙成功率が2.0%になった。3.の無料ニコチンガムグループの4倍も禁煙成功率がアップしたのである。
やはりお金が絡むと、人間って頑張るんだなと感じてしまう結果だ。う~ん、禁煙を成功させるコツはお金なのかもしれない。
さらに、5.の無料ニコチンガムと失敗罰金グループは禁煙成功率が2.9%までアップした。こちらは、3.の無料ニコチンガムグループの6倍もの効果があったのだ。
不思議なことに禁煙は、成功してボーナスをもらうよりも、失敗して罰金を払うほうが成功率は高かったのである。
研究者は、「私たちは得をすることよりも、損をすることを嫌がる傾向がある。喫煙者に成功しないと損をするリスクがあると思わせることで、より禁煙行動へのモチベーションが得られたのだろう」といっている。
なるほど、人間は得をするためよりも損失を回避するためのほうが、行動を起こしやすいということか。それでも成功率が2.9%というのは、禁煙が非常に難しいことが良くわかる。
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【追加雑学】その他の禁煙をサポートしてくれる4つのコツ
なかなか難しい禁煙だが、禁煙をサポートしてくれるコツがいくつかあるので、紹介しよう。
① 禁煙する理由を書く
健康のためや家族のためなど、自分が禁煙したい理由を書き出すのである。この理由を思い出すことが、再喫煙の防止につながる。禁煙を成功させるために、禁煙したい気持ちを書き出そう。
② 自分の喫煙パターンを把握
自分の喫煙パターンを把握することで、喫煙したくなる状況を避けるように心掛けよう。それでも、喫煙したくなったときは、ガムを噛むや飴を舐めるなどの対処法も用意しておくと良いだろう。
③ 目標は小さいものから徐々に大きくしていく
いきなり、「完全に禁煙」「今日から一生タバコは吸わない」というような大きな目標を立てると挫折しやすくなる。まずは、「半日禁煙」「今日1日だけ禁煙」など小さな目標からスタートして、徐々に大きくしていこう。
小さな目標達成を積み重ねていくのが大切だ。衝動的に喫煙するのではなく、吸う吸わないを自分でしっかりとコントロールできるようにしていくと禁煙しやすくなっていくだろう。
④ 周りの人に禁煙することを伝える
禁煙することを家族・友人・職場の同僚に伝えることで、禁煙の意識が高まるだろう。また、周囲に理解してもらえると、アドバイスや協力をしてもらうこともできる。
雑学まとめ
今回は、禁煙の成功率を上げる方法についての雑学をご紹介した。
禁煙の成功率を上げるには、禁煙に失敗したときには罰金があるという状況にすることが効果的とわかった。それにより、人間のもっている損をしたくない気持ちが働き、禁煙を成功へと導いてくれる。
これから禁煙をはじめようと考えている人は、家族や友人などに禁煙を宣言するとともに、失敗したときは、宣言した人に罰金を支払うようにしてはどうだろうか。それに関しては、周囲の人も喜んで協力してくれるはずだ。
ぜひ、皆さんの禁煙が成功することを祈っている。
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