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サッカーから戦争に…。ホンジュラスとエルサルバドルのサッカー戦争

雑学カンパニー編集部

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サッカーが原因で戦争になったことがあるという雑学

世界で最も人気のあるスポーツのひとつ、サッカー。激しいタックルやスライディング、時には相手に噛みついて、レッドカードが出されることなんかもあるスポーツ。

しかし、当然サッカーもスポーツ。その意義は平和な社会を作ることにある。その一環として、子供たちと手をつないでピッチに入場し、フェアプレー精神を示したり、試合終了後のユニフォーム交換などがあるのだ。

そんな平和のためのスポーツが…サッカーが…なんと、戦争の原因になったことをご存じだろうか!?

ということで、今回はサッカーに関する雑学を紹介していこう!

【スポーツ雑学】サッカーが原因で戦争になったことがある

マッチョ課長
ホンジュラスとエルサルバドルは、サッカーが原因で戦争をしたことがあるんだ。
新人ちゃん
スポーツが戦争にまで発展したんっすか?試合の審判でもめたとか?

【雑学解説】サッカーから戦争に発展した経緯と理由とは?

ともに中米に位置するホンジュラスとエルサルバドルの戦争を、通称「サッカー戦争」という。もちろん「クソ! サッカーに負けた…ならば戦争だ!」となったわけではない。そんな短気な国には住みたくない…。

複雑な事情を説明するにあたって、時系列で出来事を紹介しよう。

1969年6月8日

ホンジュラスとエルサルバドルによるワールドカップ予選・第1戦が行われる。

ホンジュラス代表の勝利で終わる。この結果を受けて、エルサルバドルの女性が自殺。ある意味ではファンの鏡だが…日本では考えられない…。

しかし中南米の国々ではサッカーに熱狂的だからこそ、こういったことや暴動なんかはよくあるのだ…悲しいけどね。

1969年6月15日

ホンジュラスとエルサルバドルによるワールドカップ予選・第2戦が行われる。

結果はエルサルバドル代表の快勝。この時、ホンジュラス代表サポーター二人が暴行により死亡。だいぶキナ臭くなってきたが…まだ戦争にはならない。熱狂的っていうのも本当に考えものだ…。

新人ちゃん
暴行…?!過激すぎじゃないっすか?

1969年6月27日

ホンジュラスとエルサルバドルによるワールドカップ予選・第3戦が行われる。

運命の最終戦。延長戦の末、エルサルバドル代表の勝利! 歓喜に沸くエルサルバドルサポーター! 失意のホンジュラスサポーター…。その裏でホンジュラスとエルサルバドルの国交が断絶。その後に戦争開始。

これだけ見れば、「ホンジュラスが負けたから、こんなことになった!」と思うかもしれない。

しかし、事態はそんなに簡単ではない。戦争も夫婦喧嘩のように、日々のイライラの積み重ねの結果なのだ。最後は笑って仲直りとできたらいいのだが…。

マッチョ課長
夫婦喧嘩の原因は単純なものではないからな…。
新人ちゃん
あれ?課長って結婚してたんっすか?
マッチョ課長
俺に興味なさすぎじゃない…?

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イライラを募らせてきた問題とは?

そもそもホンジュラスとエルサルバドルの間には、さまざまな衝突があった。

たとえば、移民問題。エルサルバドルは、人口は多いが国土が狭い。そのため生活の基盤をホンジュラスに求める人々が多くいた。そういった人々にホンジュラス政府が立ち退きを求めて、緊張感が高まっていた。

他にも貿易や国境問題など、試合が始まる前から、お互いにかなりイライラを募らせていたのだ。その中で自国の女性が自殺してしまったり、暴動で二人も亡くなってしまったりで…もう我慢の限界! となってしまった。

そのため、サッカーは戦争の原因の一部であるけれども、きっかけと考えるほうが本質的だ。

戦争はエルサルバドル軍優勢に進み、ホンジュラスの領土を次々と占領していく。そんな中、以前より軍事衝突の回避や両国の停戦を目指していた米州機構という国際機関の仲介により、エルサルバドルはホンジュラス領土から撤退する。

明確な戦勝国は存在しないものの、犠牲者の多くはホンジュラスの農民であったり、エルサルバドル軍が国民的英雄として扱われていたことから考えると、エルサルバドルに軍配が上がったというところか。

マッチョ課長
この戦争で2000人もの人たち…あるいはそれ以上が亡くなってしまったのだから、巻き込まれた人々が不憫でたまらない…。

【追加雑学①】戦争後、両国揃ってワールドカップに出場した

そんな両国だが、戦争が終わったあとの1982年ワールドカップに揃って出場するのだ! なんと微笑ましい! 手をつないで出場ができたかわからないが、お互いのサポーターの夢が叶って良かった。

ただ、両国はそのときも中米紛争の真っ只中だったのだ…。

新人ちゃん
まぁ、しこりってそう簡単には取れないっすよね。

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【追加雑学②】まだまだある!意外な戦争の原因

サッカー以外にも、嘘みたいな戦争の原因があるぞ!

1859年 豚戦争…アメリカVSイギリス

豚を撃ち殺してしまったことが原因の騒動。

一般人同士の小競り合いが、両国の軍隊までが動く騒動に。一触即発のなか、攻撃命令が下されるが、指揮官の「豚が原因で戦争するなんて馬鹿げている」というカッコいい一言で終結。

マッチョ課長
そんな至極まっとうな意見がもっと早い段階で出てこなかったのか…?

なので、戦争の名がついているが実際には戦っていないのだ。先に攻撃させようと、相手軍の悪口をずっと言っていたそうで…。

騒動後はみんなで仲良くポークステーキを食べた…かどうかわからないが、冷静な人がいて本当に良かった!

1838年 お菓子戦争…フランスVSメキシコ

メキシコに出店していたフランス人お菓子職人が、メキシコ軍にお店を壊されたという訴えを起こしたことが原因。フランスがメキシコの湾を封鎖したり、中々大規模な戦争になろうとしていたが、イギリスの外交面での仲介もあり、そこまで大きな戦いにはならなかった。

しかし、お菓子職人はきっちり賠償金をゲットしたので、実質フランスの言い分が通った形ではある。そもそも個人が泣きついたくらいで、軍が動くなよと言いたい!

1925年 野良犬戦争…ギリシャVSブルガリア

野良犬を追いかけて遊んでいたギリシャの兵士がうっかり国境を越えて、ブルガリア領土に入ってしまったことが原因の戦争。

気づかずに領土に入ったギリシャの兵士を撃ってしまったブルガリア政府はすぐに謝罪をしたのだが、ギリシャ政府はそれを受け入れなかった。ブルガリアの領土を侵攻し、町を制圧してしまう。ブルガリア政府もそれならば! と奪還作戦に乗り出して戦争開始。

新人ちゃん
犬を追っかけてたギリシャの兵士、どんな気分だったんっすかね…。

しかし、戦争開始後、すぐに国際連盟が介入してきて間を取り持ったため、そこまで戦火を広げる事なく終結。最終的に喧嘩両成敗とはいかず、ギリシャがブルガリア側に賠償する形となってしまう。

ギリシャ側からすれば…少し煮え切らないが、やっぱり原因を作った側の責任の方が大きいということ。想像だけでは、公園で見られるような微笑ましいシーンだが、そういうのはコントの中だけ十分だ!

雑学まとめ

かつてサッカーが原因で戦争になったことがあるという、驚きの雑学を紹介した。

平和の象徴であるスポーツ戦争の引き金になる。戦争の原因なんて、サッカーでも、暗殺でも、デモだってありえる。きっとどんなことでも原因になるのだ。それは喧嘩にだって同じことがいえるだろう。

大切なことは日々の積み重ねで、相手の気持ちになって考えて、できるだけストレスを溜め込まないこと。爆発させないために、適度に発散すること。

私も気を付けなくては…。ただ問題は…私にはストレスを溜める友達も、恋人もいないってことだな…。誰か、私と友達になってください! お願いします!

マッチョ課長
サッカーの試合で選手が子供と一緒に入場するのも、ある意味では『平和のため』といえるかもな。
新人ちゃん
え?それってどういう意味っすか?

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