人類が本格的に宇宙進出する日はいったい、いつになるのだろうか。
かなり遠い未来かもしれないが、太陽はその活動を終え、それに付き添うような形で地球という惑星も最後のときを迎える。これはおそらく避けようがない未来であり、もし人類がそれに巻き込まれず、種としての生存を選択するのであれば、必ず広大な宇宙に旅立たなければならない。
そうなってくれば、とても重大な問題が出てくる。そう…私たちも宇宙で生活することになるのだから、宇宙での生き方や地上と宇宙との違いを知らなければならない。
みなさんはご存じだろうか…。宇宙ではコップに水を注いで飲むことはできないし、走ったり飛んだりできないことを…。
ということで、今回は宇宙で生活するために欠かせない雑学を紹介していくぞ!
【宇宙雑学】宇宙では液体は「丸く」なり、動いているものは「動き続ける」
【雑学解説】液体は「表面張力」、動いているものは「慣性の法則」がポイント
ポイントは「表面張力」と「慣性の法則」である。これはまとめて話すと難しくなってしまうので、それぞれをわけて説明していこう。
表面張力
無重力状態で体が浮きあがることはみなさんもご存じのことだろう。エレベーターなんかでフワッとするあれだ。水も同様に浮きあがる。そのとき、水はテーブルにこぼしたときのように、広がったりはしないのだ。
ではどうなるか…。それは、ボールのような球を作るのだ!
という声がきこえてくる…。たしかに宇宙飛行士の人たちは丸くなったりしないもんな…。
これには表面張力というものが関係している。コップ一杯に液体を注いだときに、液面が盛り上がることでおなじみだ。表面張力とは、物体の表面積をできるだけ小さくしようとする力のことだ。
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水は一見するとわからないが、水分子のかたまりである。その水分子には+極と-極があり、お互いにくっつこうとする。かなり水分子はさみしがり屋なのだ。しかし一番外側、空気に近い水分子はくっつける面積が小さくなる。つまり、くっつく相手が少ない。
これでは水分子は我慢できないから、何とかくっつこうと外側から内側にいこうとする。
そう、地上では重力に負けてしまうが、宇宙では重力がないため、空気に近い水分子が全て内側にいこうとし、宇宙空間では球になるのだ。
ここでは水だけで説明をしたが、液体ならほとんどすべて、この表面張力で丸くなるぞ。ということで、実際に見てもらおう!
これは宇宙空間で水が丸くなることを利用した実験だ。水のかたまりだから、シャボン玉のように割れることがなくこのような実験ができるのだ。
慣性の法則
駅に停車している電車が出発するとき、つり革などをつかんでいても、体がぐらついた経験はないだろうか? あれは慣性の法則の影響でおこる現象だ。
物体は止まっている状態なら止まり続けようとするし、動いているものなら動き続けようとする。電車のなかでは、みなさんは止まり続けようとしているにもかかわらず、電車が勝手に動いてしまうから、体がそこに取り残されてしまいそうになっているのだ。
と思うかもしれない。そう、地球上で物体が動き続けるなんてことは、よっぽどのことがないかぎり起こらない。
たとえば、車はブレーキを踏まなくても勝手に減速していき、止まる。これは車の運動エネルギーが地面との摩擦などでだんだんと失われていくからなのだ。
では宇宙ではどうか。宇宙には空気も地面もないから、当然摩擦も起きない。そのため、運動エネルギーが失われることなく、進行方向にずっと進み続ける。
宇宙飛行士が船外活動するときに命綱のようなものをつけているのはこのためだ。これがないと、ちょっと宇宙船を蹴っただけで、帰ってこれなくなってしまう。だから宇宙でハイタッチなんかしようものなら、永遠の別れなってしまうから、気をつけよう!
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【追加雑学①】どうやって宇宙飛行士は水を飲むのか
水が丸まってしまうのなら、宇宙飛行士はどうやって水を飲むのか。まさか宙に浮く水滴にストローをつっこんで飲んでいるのでは…。当然ながらコップにも注げないし…。
実際は密閉容器に水が入っていて、そこにストローをさして飲むのだ。イメージとしては10秒でチャージできるあれのような感じ。
楽しそうだから、水滴を浮かせてストローで飲めばいいのに…でも宇宙船はかなりの精密機械だから、万が一水滴が機械に当たりでもしたら、帰ってこられなくなるかもしれないのか…。
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【追加雑学②】地球が急に止まったらどうなるのか
人類は地球という大きな車に乗っているようなもの。
地球は自身が回ることで、私たちにも回る力を与えている。だから、我々は地球が回っているにもかかわらず、同じ場所にいられるのだ。
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しかし…もしも地球が急ブレーキをかけたら、我々人類はどうなってしまうのか。
みなさんが日本にいるのであれば、地球が止まった瞬間、みなさんの体は秒速200メートルくらいの速さでふっとぶ。もしも赤道付近にいれば、秒速460メートルくらいの速さでとんでいく。これは音よりもはやい!
建物なんかにぶつかったら…と考えるとおそろしい…。海上で生活していれば、もしかしたら助かるのか…。ダメだ…泳げない…。
雑学まとめ
今回は宇宙空間にまつわる雑学を紹介してきた。地球上で当たり前にできていたことやおきていたことが、宇宙空間になるとこうも違うものなのか…。
人類が宇宙進出すれば、日常生活も宇宙でおこなうわけだから、いろいろと考えないとな。トイレなんかもウォシュレットはつかないだろうし…そもそもトイレしたあとに手を洗えるのか…。いや…そんなことよりも…宙に浮いたまま…拭けるのか…。